別海町文化財note

当団体は、北海道別海町の住民や別海町を訪れる人々に対して、別海町の広大な地域に広がる歴…

別海町文化財note

当団体は、北海道別海町の住民や別海町を訪れる人々に対して、別海町の広大な地域に広がる歴史・文化・自然を理解するため、町全体を「別海おたからミュージアム」として、別海町の歴史や自然を踏まえた別海町らしい地域の振興と活性化に寄与することを目的としています。

最近の記事

冬の北海道を彩る「エゾリスの耳毛」

冬とエゾリスの耳毛 エゾリスといえば、寒い季節になるとひときわ目立つ「耳毛」。寒さが厳しくなると、彼らの耳の先端にはふさふさとした房毛が上に向かって4~5cmほど伸び、厳しい冬の防寒対策として役立っています。耳には毛細血管がたくさんめぐっており、ひときわ体温を奪われやすい箇所です。ここを守ることで体温調整をしているんですね。 そのほかに耳毛は、外からの刺激や異物の侵入を防ぐ防御機能として、耳の穴からゴミやほこり、冷たい空気の侵入を防ぐ役割があります。 夏場は? 夏場

    • 地域文化を紡ぐ秋の特別公開:旧奥行臼駅逓所で日本の伝統に触れる

      令和6年11月3日、文化の日 旧奥行臼駅逓所にて「秋の特別公開」が開催され、当日は100名を超える多くの来場者に恵まれ、盛況のうちに終了しました。 貴重な明治・大正時代の着物や道具の展示、【茶道なつめ会】さんによる抹茶のおもてなしを通して、日本の伝統文化を体感する貴重な一日となりました。この記事では、その日の様子や展示の内容について振り返ります。 伝統文化との出会い 当日、駅逓所には茶の間が再現され、来場者の皆様に抹茶とお菓子が振る舞われました。茶道なつめ会の方々によるお

      • 旧標津線奥行臼駅トロッコラストランイベントご報告!〜ご来場ありがとうございました〜

        みなさん、こんにちは! 旧標津線奥行臼駅で開催されたトロッコの「ラストラン」イベントは、たくさんの方にお越しいただき特別な一日となりました!ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました! ◾️イベント当日の様子 少し冷え込む気候でしたが、トロッコ日和となりました。朝から多くの方が旧奥行臼駅に集まり、駅周辺はにぎやかな雰囲気に包まれていました。家族連れや鉄道ファンの方、地元の方々が一緒にトロッコ乗車体験を楽しみました。 駅弁「帆立めし」も数量限定で特別販売をしました。

        • 別海町の忠犬チロ:主人を待ち続けた2日間

          別海町で行われた殖民軌道フォーラムにて、奥行臼駅逓所のガイド加藤さんが話してくださったお話を昔話風に載せさせていただきました。 別海町の上風連に、一匹の賢い雌犬「チロ」が暮らしていました。白、茶色、黒の美しい毛並みと知的な瞳を持つ彼女は、何よりも飼い主を愛し、彼のためなら何でもする忠実な犬でした。 チロの飼い主は、酪農で家族を支える勤勉な父親。彼はときどき西別(町の中心部)まで簡易軌道で用事を済ませに行き、そのたびにチロは停留所までの道を、主人のバイクの横を軽やかに走り抜

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          「旧奥行臼駅逓所 秋の特別公開」イベント開催決定!

          みなさん、こんにちは! 今回は、歴史ある旧奥行臼駅逓所(きゅうおくゆきうすえきていしょ)で開催する「秋の特別公開」イベントをご紹介します! ■ 旧奥行臼駅逓所とは? まず、旧奥行臼駅逓所について少しご紹介します。この駅逓所は、明治43年10月にこの地区の世話役であった山崎藤次郎氏を駅逓取扱人として開設されれ、宿泊や物資の中継所として使われていた歴史的な場所です。現在は、当時の姿を残しながら保存されており、訪れる人々に北海道開拓時代の暮らしや歴史を伝える役割を担っています。

          「旧奥行臼駅逓所 秋の特別公開」イベント開催決定!

          「開拓使別海さけ缶詰」②—伝統を受け継ぐ缶詰所での加工、完成

          1. 厳選された鮭の加工プロセス 水揚げされたばかりの鮭は、別海漁協さんにて新鮮な状態で大きさや品質を判断し、素早く選別されます。その後、手早く氷水に入れられ、セリにかけられます。 2. 下処理 加工場にて鮭はまず内蔵と頭を取り除かれます。この工程を水産用語でドレス(Dressed=下ごしらえ)と呼びます。鮮魚は加工形状ごとに名称があり、ドレスになる前の、内臓を取り除いていない未加工の魚1尾を「ラウンド」(Round)といい、内臓を取り除いたものを「セミドレス」(Sem

          「開拓使別海さけ缶詰」②—伝統を受け継ぐ缶詰所での加工、完成

          「開拓使別海さけ缶詰」①—その歴史と製造過程

          1. 歴史の幕開け 明治時代、日本政府は北海道の開拓と経済発展を目的に「開拓使」を設置しました。その事業の一環として、豊富な資源を誇る別海町の沿岸で漁業が推進され、鮭は重要な産物として注目されました。開拓使は缶詰技術を導入し、保存食としての鮭の缶詰が製造されるようになります。これにより、鮭は市場に安定的に供給され、北海道産品の名声を広げる礎となりました。 別海町で製造された鮭缶詰は、国内市場のみならず海外輸出も行われ、世界に北海道の食文化を広めました。これが別海の漁業と加

          「開拓使別海さけ缶詰」①—その歴史と製造過程

          「毎月16日はトロッコの日」イベント大成功!〜ご来場ありがとうございました!〜

          みなさん、こんにちは! 先日開催された「トロッコの日」イベントは、皆様のおかげで大盛況のうちに幕を閉じました。この場をお借りして、ご参加いただいた皆様、そしてイベントを支えてくださったすべての方々に心からの感謝を申し上げます。 今回は、「開拓使別海さけ缶詰」の発売記念イベントも同時開催いたしました。オープンと同時にたくさんの方に足を運んでいただき、予定販売数を上回り完売御礼となりました! ご来場いただいた方から、 「トロッコがとても楽しかった!」 「童心に戻ったようでトロ

          「毎月16日はトロッコの日」イベント大成功!〜ご来場ありがとうございました!〜

          別海町の簡易軌道: 鉄道好き必見の秘境路線

          北海道・別海町をかつて走っていた「殖民軌道」は、戦後に「簡易軌道」と改称され、地域の発展を支える重要な交通手段として役割を果たしました。そんな簡易軌道が、今も鉄道ファンの心に響き続けています。 殖民軌道から簡易軌道へ この軌道はレール幅わずか762mmで、JRの線路幅1067mmと比べると狭く、それが故に建設が容易で、客車などの導入費用も安く、北海道各地に建設されました。主に開拓のために入植した人々の移動や、物資の輸送を目的とした軽便鉄道で、戦後になると社会情勢の変化に伴

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          別海町の特産物を未来へ—曽根町長への缶詰完成報告

          先日、私たち別海町の特産物を活かした新しい缶詰がついに完成し、曽根町長へご報告させていただきました。この缶詰プロジェクトは、日本遺産、鮭の聖地メナシネットワークが行う取り組みの一環として始まり、文化財担当の地域おこし協力隊近藤さんをはじめ地元の漁師さん、漁協さんや加工業者の方々と協力しながら、試行錯誤を重ねてようやく実現したものです。 地元特産物を活かしたプロジェクト この缶詰に使用されたのは、江戸時代より献上品として扱われ、高品質で知られた別海町のシロザケです。当時と同

          別海町の特産物を未来へ—曽根町長への缶詰完成報告

          【10月 奥行臼駅トロッコイベント情報】~秋の特別イベントで歴史と自然を満喫しよう!~

          みなさん、こんにちは! 北海道別海町の美しい秋を感じながら、奥行臼駅で楽しめる特別イベントをお知らせします。10月も引き続き、人気のトロッコ乗車体験を開催します! 秋の紅葉に染まる奥行臼駅周辺を、のんびりとトロッコで巡る体験はこの季節ならではの楽しみです。家族や友達と一緒に秋の自然を感じながら、トロッコの旅を楽しんでください! 紅葉の中でのトロッコ乗車体験以外にも、146年の時を経て復刻された「開拓使別海さけ缶詰」発売記念イベント、さらに秋の味覚を楽しむ「名物駅弁帆立めし」

          【10月 奥行臼駅トロッコイベント情報】~秋の特別イベントで歴史と自然を満喫しよう!~

          漁船の灯りがともる瞬間: 別海町の鮭漁

          別海漁港に、まだ夜の静けさが残る早朝4時。空は暗く、冷たい風が肌に当たります。漁師さんたちはいつものように準備を進め、漁船の灯りが一つ、また一つと点いていきます。港全体が少しずつ目覚めていくような、静かなスタートです。 漁船が出航し、沿岸から海へと伸びた定置網に到着。船を停泊させ、漁師さんたちは慣れた手つきで網を人力で引き始めます。それぞれが役割をしっかりこなし、動きはスムーズ。長年の経験が感じられる、無駄のない作業です。 網には大量の鮭がかかっており、ウィンチで引き上げ

          漁船の灯りがともる瞬間: 別海町の鮭漁

          可愛いエゾリス、その裏に隠されたサバイバル術

          北海道の森でふさふさの尻尾を揺らしながら軽快に木々を駆け回るエゾリス。その愛らしい姿に、誰しもが「かわいい!」と声を上げてしまうことでしょう。しかし、そんなエゾリスにも、私たちが普段は気づかない、意外なサバイバル術が隠されているのをご存じですか? この記事では、エゾリスの可愛さの裏にある、意外な習性や行動に迫ります。森を歩く際に、彼らの行動に注目してみると、きっと新しい発見があるはずです。 1. 縄張りを守るための威嚇行動 エゾリスは、見た目の愛らしさに反して、非常に強

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          【旧奥行臼駅逓所で着物を拝見】~日本の伝統文化に触れる素晴らしさ~

          みなさん、こんにちは! 先日、北海道・旧奥行臼駅逓所にて、明治・大正時代の美しい着物に触れる機会がありました。今回は、着物を通して感じた日本の伝統文化の素晴らしさを皆さんにお伝えします! ■ 旧奥行臼駅逓所とは? まず、旧奥行臼駅逓所について少しご紹介します。この駅逓所は、明治43年10月にこの地区の世話役であった山崎藤次郎氏を駅逓取扱人として開設されれ、宿泊や物資の中継所として使われていた歴史的な場所です。現在は、当時の姿を残しながら保存されており、訪れる人々に北海道開拓

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          野付半島の最先端を訪れて - 自然の豊かさと感動の出会い

          秋の涼やかな風が吹く10月6日、のつけ半島ネイチャークラブの観察会「野付半島先端(アラハマワンド)へ行ってみよう!」に参加しました。目的地は、普段なかなか訪れることのできない野付半島の最先端。自然豊かなこの場所で、貴重な生物や風景に触れることができるとあって、参加者一同ワクワクしながらスタートしました。 集合から出発まで 集合は野付半島ネイチャーセンターの1階。受付を済ませてから、ネイチャーセンターから通行許可証を発行してもらい、車で行ける最後の番屋まで移動しました。そこ

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          歴史と味覚を楽しもう!奥行臼駅で開催!「トロッコの日」と「開拓使別海さけ缶詰発売記念イベント」

          みなさん、こんにちは! 秋の北海道・奥行臼(おくゆきうす)で楽しめる素敵なイベント情報をお届けします! 旧奥行臼駅にて毎月16日を「トロッコの日」として、特別イベントを開催いたします。さらに146年の時を経て復刻された「開拓使別海さけ缶詰」の発売を記念する特別イベントも同時開催いたします。トロッコの乗車体験と、開拓時代の伝統を受け継いださけ缶詰を通じて、別海町の歴史と味わいをお楽しみいただける内容です!  【イベント日時】 開催日: 10月16日(水) 時間: 10:00~

          歴史と味覚を楽しもう!奥行臼駅で開催!「トロッコの日」と「開拓使別海さけ缶詰発売記念イベント」