自分で決めるということ その3 〜自分の外と内にある理由〜
こんにちは!人の信念を覚醒させるスペシャリスト キャリア・アウェイクナーの金澤です。
※キャッチフレーズないの?と奥さんに言われまして、色々試してみることにしました(笑)
「自分で決める」ということは大切だ、ということを、自分の話と生徒の話でシェアしてきました。今回は、自分の子どもや自分自身を想定した、未来の話を考えていきたいと思います。
その理由、内ですか?外ですか?
例えば、高校受験をする生徒がいたとしましょう。あなたが高校の面接官だとして、「本校の志望理由は?」と聞いたら、こんなことを言ったとします。
「貴校を志望した理由は三つあります。一つは説明会に伺った際、校長先生や在校生がお話になっていた高校生活にとても共感したことです。二つ目は、中学までサッカーをやってきて、高校でもサッカーをやりたいと思っているのですが、貴校はサッカー部が非常に実績を残していて、そんな中で私もサッカーをやりたいと思ったことです。三つ目は、貴校の大学進学実績が非常に高いことです。以上の理由から、貴校を強く志望しました。」
いかがでしょうか?10点満点で採点してみてください。そして、その点数をつけた理由を説明してみてください。
上記の志望理由は私が今2分で書いたものですが(笑)、経験上、何も言わずに志望理由を書いてもらうと、だいたい半数くらいはこんな感じになります。
これを何点とつけるかというのは、実は高校の位置付け(レベルが高いと思われているか否か)によって変わるのですが・・・それはまた今度として。
私がつけるなら、この志望理由は10点満点で
2点
です。全然ダメです。もし自分の子どもがこんな感じのことを書いていたら止めてくださいね(笑)
キーワードは、「志望理由が自分の外にある」ことです。
周りのことに理由を置くのが「外」
なぜ2点しかないのか。志望理由を一つ一つ紐解いてみましょう。
まず一つ目。「校長先生や在校生の話を聞いて高校生活に共感した」とありますね。これは、うがった言い方をすれば、「校長先生や在校生の話をそのまま鵜呑みにした」という言い方ができます。
校長先生や在校生も確かに本気でいい高校だと思っているでしょうが、彼らにとってのいい高校と、受験生にとってのいい高校は違います。きっとこの受験生は、このまま入学すると、ちょっと大変なことがあった時に「在校生はこんなこと言ってなかった、隠していたんだ」と思うことになるでしょう。
二つ目に、「サッカーをやりたくて、強いサッカー部でやりたい」ということを言っています。これはちょっと惜しいですが、まだイマイチです。
強いサッカー部でサッカーをすると、当然ですが自分は試合に出られない可能性が高まりますし、大会をベンチすら入れず、スタンドで観戦するなんてこともあります。それでも強いサッカー部でやりたいのか?が見えてきません。ただ「サッカー部が強いから」という理由だけしか言っていないので、色々と突っ込みたくなるわけですね。
それに、入学したと同時に顧問が変わって、急に弱くなったらどうするのでしょうか。あるいは何か問題があって部活動そのもn(略)
そして三つ目、「大学進学実績がいいから」。これははっきり言って最悪です。高校の大学進学実績がいいというのは、先輩たちの人生の積み重ねであるだけで、受験生自身にはまったく関係ありません。
進学実績がいいところに行ったら自分のいい大学に行ける、なんて思っていませんか?そんな甘いものじゃないよ?と一蹴したくなってしまいます。
ということで、辛口に評価してきましたが、三つの共通点、お分かりになりますでしょうか。いずれも、自分自身の気持ちや想いではなく、周りの環境に志望理由を置いたままになっている、ということです。
この形では、周りの環境が何か変化したとしたら、著しくモチベーションを上下させることになります。全部悪い方向になるとは決まっていませんが、一言で言えば振り回されることになる。そして、自分ではない、他の人や物のせいにして、主人公になりきれない人生を過ごしていくのです。
常に自分の内側に価値基準を持とう
では、どのように考えればいいでしょうか?
一つ目の「校長先生や在校生の話」を例にとって説明してみましょう。自分はその話のどの部分に、どういう共感をしていたのか、を考えてみます。
自主性を持って学校運営しているという部分に、自分はまだ足りないけど高校生活を通じて自主性を育みたいと思っている、とか。
朝早くから多くの生徒が自習に来ているという部分に、自分は周りに流されやすいから、みんなが頑張っている環境の方が努力できる、とか。
行事にも部活にも勉強にも力を入れる「三兎を追う」方針に、高校生活は自分の限界にチャレンジして最大限成長したいからバッチリだ、とか。
太字の部分が、「自分の内側の価値基準」です。自主性も朝自習も三兎も、いいと思う人もいれば嫌だと思う人もいますよね。何がいいのか、どうしていいのかを、きちんと言葉として志望理由に落とし込もうとしてください。
それが言葉になると、大切なのは後半部分であり、前半部分が変わってもいくらでも対応できる、ということに気づくでしょう。
例えば、自主性を育むことがゴールなのですから、学校運営ができなくなっても、部活・委員会、それに校外活動に取り組んだっていいわけです。
みんなが頑張っている環境が欲しいのなら、朝自習は行けない時があっても、クラスや部活で一緒に勉強する仲間を募ったり、静かな自習室がある予備校を探してきたり、というのもいいでしょう。
自分の限界にチャレンジしたいなら、部活がうまくいかなくても、自分の趣味や習い事をやってみたり、自主トレしてみたり、いろんなことができます。
この「内側の価値基準」を志望理由に織り込むと、それだけで自分にも他人にも説得力のある、ブレない軸が作れます。この軸がはっきりしていればいるほど、
◎モチベーションが高まる
◎周りに左右されない
◎継続する力・諦めない心が身につく
ということが起きてくるのです!
そう簡単にできる作業ではないのですが(だから私のような職業の人がいるわけです)、ぜひ何か大きい選択を考えるときには、「自分の価値基準」を意識して考えてみてください!