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「ホップステップだうん!」 Vol.160

今号の内容
・巻頭写真 「ニューべてる」江連麻紀
・続「技法以前」134 向谷地生良「幽霊現象」
・伊藤知之の「スローに全力疾走」 第91回
「夢と希望をかなえるデイケアを目指して~正しいより楽しい、やりたいことをやってみよう~」
・「薬圧の当事者研究」 宮西勝子
・福祉職のための<経営学> 022 向谷地宣明
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ 「べてる流 無言電話撃退法」


ニューべてる

スタッフ、メンバーとたくさんの人が出入りしていて、海外や全国から見学に来られた方々がまず訪れるのもニューべてるです。

「社会福祉法人 浦河べてるの家」「有限会社福祉 ショップべてる」「回復クラブ どんぐりの会」「NPO法人 セルフサポートセンター浦河」「共同オフィス いいっ所」「訪問看護ステーション マーラ」「ヘルパーステーション マルコ」以上の事務所があり、様々な仕事をしているところです。

1階は昆布製品の製造をしていて、メンバーにとってよいコミュニケーションの場にもなっています。2階では当事者研究やSSTやミーティングが行われています。

ニューべてるの入口のベンチに座っていると、送迎待ちのメンバーや、休憩している人、なんでもないけど座ってる人もいて、わいわいガヤガヤとても賑やかです。

(写真/文 江連麻紀)

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続「技法以前」134 向谷地生良
「幽霊現象」

昨日、ある病院のデイケアにお邪魔して当事者研究の時間を持ちました。テーマは「最近、不思議に思う事」です。その中に、「世界中、どこにでも幽霊やお化けの話があるのは何故か」というものがありました。本当にそうだと思います。「幽霊・お化け現象」は、世界中の人が体験しています。しかし、不幸なことに、中世ヨーロッパでは、そのようなことを口走る人は不吉な「魔女」として扱われ、迫害をされたという歴史があります。デイケアでも、幽霊やお化けを視る経験をした人が数名いて、今度、それを研究しようという事で盛り上がりました。

時折、電話をくれる当事者研究メンバーのUさんは、「向谷地さん、今日はお星さまの機嫌が悪いんですが、私のせいでしょうか?」と言って電話をくれます。Uさんの話を聞いていると、自分の気分や体調と周囲の見え方が常に“直結”し、ダイナミックに変化します。ストーブや換気扇自体が話しかけても来ることもあります。べてる祭りのグランブリストのメンバーからも、毎日のように電話がかかってきます。空中から、得体のしれない無数の腕が飛び出してきて、パンチを繰り出し顔が痛いと訴える人、町中をエイリアンが徘徊して町の人を食べるので一人で戦っているという女性メンバー、私の周りには、そんな体験を取り上げて研究を続けている仲間がたくさんいます。

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