「ホップステップだうん!」 Vol.157
今号の内容
・巻頭写真 「太平洋」江連麻紀
・続「技法以前」131 向谷地生良「”妄想”という現象」
・「시작이 반이다(シジャギ パニダ)」 吉井浩一
・なおのん便り「ご縁:The gift」
・福祉職のための<経営学> 019 向谷地宣明
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ 「幻聴さんとのおつきあい基本編」
浦河町は目の前に太平洋が広がっています。
日高の浜辺では夏から10月まで摂り昆布の時期で、海岸では昆布が天日乾燥されています。
その傍らでべてるのメンバーが自分助けとして海に向かって叫んだり、仲間と一緒に散歩したりしています。
写真はカフェぶらのすぐ裏の海の景色です。
(写真/文 江連麻紀)
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続「技法以前」131 向谷地生良
「”妄想”という現象」
毎朝、8時になると目覚ましのように「お薬をお飲みになりましたか」と統合失調症を持つYさんから電話がかかってきます。幾つかの持病をかかえて年ごとに増える薬の量と定期的な受診という基本的な健康管理が面倒くさい私は、ひと月分の薬をふた月もたせるという怠慢と呑んだかどうかがわからなくなるという「呑み忘れ」、そして、どこに置いたかわからなくなるという「置き忘れ」の現象に困っています。札幌での単身生活は、今年で16年におよび、ほとんどキャンプ生活に近いコンビニに依存する生活を知っているメンバーさんたちが心配して、”生存確認”も含めていつも8時になると電話をくれるという”支援サービス”を受けて暮らしています。
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