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リモートワーク・共有ワークフローの高速化を実現|Blackmagic CloudPod/Blackmagic Cloud

こんにちは、秋葉原ベストセラースタジオの進です。

今回は先日のNABやDavinci Resolveの大型アップデートでも話題となったBlackmagic Design社の製品から
「Blackmagic Cloud Pod」をご紹介します。

昨今、ネットワーク技術の安定・高速化や、コロナ禍を大きな転機として
多くの業務がリモートワークに置き換えられていきました。

撮影・配信技術においてもここ数年で飛躍的に進歩・進化しており、
大容量の撮影データをクラウドにアップ、遠隔地のスタッフが動画編集する
というワークフローも、もはや一般的なものとなってきました。
これらを実現するためには、高速でアクセス可能なクラウドサービスなどが必須です。

今回ご紹介する「Blackmagic Cloud Pod」
社内・共有ネットワーク上ならどこからでもアクセスできる共有ストレージ、いわゆるNASとしての役割を持ちつつ、外部クラウドサービスと連携することで即座に全世界へデータ共有を可能としています。

ここからは「Blackmagic Cloud Pod」の機能を、いくつかピックアップして紹介していきます。


10Gイーサネットによる高速アクセス

まずネットワークストレージとして大切になるのが、ネットワークの高速化です。
この「Blackmagic Cloud Pod」では標準で10Gのポートがついています。
ベースとなる回線速度や、対応したモデム・ルーター、端末は別途必要になりますが、共有ワークフローを最大限機能活用するためにも最重要と言える機能です。

NASとしての活用

上記の高速アクセスにより、共有ネットワーク上であれば
まるでローカル接続で扱っているかのようにファイルのやり取りが可能です。
データ転送はもちろんのこと、そのまま「Blackmagic Cloud Pod」上の動画ファイルのプレビューも問題なくできます。

Widonws-エクスプローラーやMac-Finderの
共有ネットワークからアクセスできる
(上記画像はMac)

また、10G回線が確保できれば、さらに複数端末でのワークフローも余裕をもって行えます。

Davinci Resolveとの連携

同社開発の動画編集アプリ「Davinci Resolve」と併用することで、
編集共有ワークフローの高速化を実現します。

共有ネットワーク上のデータはDavinciのメディアとして読み込みできるので、「Blackmagic Cloud Pod」上に保存されたファイルをそのまま編集することも可能です。

実際にISO収録(FHD)したデータで試したところ、編集開始からしばらくはカクつきが見られましたが、しばらくして読み込みが終わるとローカルと比較してもまったく遜色のない動作で扱うことができました。

Blackmagic Cloudとの連携

また、Blackmagic Cloudと連携することで
Blackmagic Cloudに保存されたファイルにアクセス・Davinci編集が可能になります。

クラウド上のスイッチング・ISOファイルにアクセスすることで、そのままライブスイッチングの再編集ももちろん可能です。
さらに・・・

ISOクラウド収録との連携|ATEMアップデートで追加

先日のアップデート(ver 9.5)で ISO収録をBlackmagic Cloudに同時収録する機能が追加されました。

ATEMスイッチャー9.5で追加された
Blackmagic CloudへのISO同時録画

これにより、クラウド収録したISOデータにアクセスし即編集というフローも、より楽に行うことが可能です。

同社の「Proxy Generator」を使用すれば、さらに効率の良い共有ワークフローが実現できます。

クラウドサービスと併用し世界中でファイル共有

NASとして共有ネットワーク上での高速アクセスはもちろんですが、
GoogleドライブやDropboxと連携・同期することで世界中にファイル共有できます。

Cloud Store Setupアプリより
Blackmagic Cloudのほか、Dropbox・Googleドライブと連携できる

各所の端末にローカルデータとして同期すれば、即座に同期してファイル読み込みすることができます。

サブスクなし・使用料無料

以上のように共有ワークフローで大変便利な機能を備えた
「Blackmagic Cloud Pod」ですが、
なんと使用料は無料です。

接続するSSDドライブ、各種クラウドサービスのプラン別料金などは別途必要になりますが、

・NAS
・クラウド同期ストレージ
・バックアップストレージ

といった機能をひとつにまとめた「Blackmagic Cloud Pod」の機能を
無料で使い続けられるのはとても大きいアドバンテージです。

その他・使用にあたってのTips

ここからは「Blackmagic Cloud Pod」の試用にあたって注意したい箇所などを書いていきます。

「Blackmagic Cloud Pod」対応アプリは
「Blackmagic Cloud Store」
 サポートページからDL・インストールできます。

設定画面についてですが、初期設定ではTypeC接続でしかコントロールを受けない設定になっているので、ネットワーク接続での操作がしたい場合は、一度TypeC接続した上で
「Setup」→「Allow Utility Administraition」「via USB and Ethernet」を選択します。

※再度設定変更したい場合もTypeC接続が必要

初期設定だと、LAN接続ではグレーアウトして操作を受け付けない
「via USB and Ethernet」をオンにすると
LAN接続でも制御できるようになる

また、各種クラウドとの同期ですが
同期後「Blackmagic Cloud Store」に接続したSSDにローカル保存されたファイルについては、同期を解除した後も、共有ネットワークでのアクセスからではファイルの削除・変更が正常に行えないようです。

同期解除から反映されるまで時間がかかる模様?
しばらく後に処理すると正常に削除ができました。
また、Windowsからの操作の方が受け付けやすいかもしれません。

もし削除できなかった場合は
SSDを「Blackmagic Cloud Store」から取り外してPCに直接続してファイルを削除するか、
Davinciから共有ネットワークにアクセスしてファイルを削除してください。

おわりに

今回は「Blackmagic Cloud Pod」をご紹介しました。

リモートワークへの活用もですが、NASとしての運用から
先日のアップデートでATEMに追加された ISOクラウド収録、それをベースにしたリアルタイムリプレイなど、想定以上に活用範囲が広そうだと感じました。

現場からは以上です!


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