バイト先の外国人社員が優しすぎる。
登場人物
・日本人社員
・ベトナム人社員
・ネパール人社員
俺は東京駅の飲食店で働いている。
通常6時間以上の勤務でないと、休憩は頂けない。
よって18時からラストまでの勤務であると、賄いを食べることができない。
その日は、18時からで、12時にご飯を食べて以降何も食べれていなかったので腹が減っていた。
その日21時くらい、ベトナム人社員に「締め終わった後、賄いをひっそり食べたい。」と伝えた。これはルール上禁止されている。
ベトナム人社員には「俺はいいけど、一応日本人社員さんに聞いてみな。」と言われた。
ネパール人社員はその一部始終を聞いていた。
俺は日本人社員に聞いた。
返答はダメに決まっているだった。
それはそう、と納得した。俺がルールを破ったら、それがアリになってしまう。
みんなが守っているルールを俺だけ破るのはなしに決まっている。
俺はベトナム人社員に「今日やっぱりご飯大丈夫です。ダメと言われたし、ルールだしバレたら怒られるので」と言った。
ベトナム人社員は「そう?食べたくなったら言ってね、と言ってくれた。」
優しいし、この人がいると元気が出る。
帰って地元でチーズ牛丼を食べようと思った。
時間が経ち、俺が締め作業をしていると、その会話の一部始終を聞いていたネパール人が、「お腹減っているでしょ?賄いあるから。」とニヤニヤしながら言ってくれた。
俺は「めちゃくちゃ嬉しいんですけど、バレたら怒られるし、ルールなので今日は大丈夫です。ありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきます!」と言った。
ネパール人社員は「大丈夫だよ。入金しに行く時があるから、そこで食べれるよ。」と笑ってどっかいった。そのタイミングがあるのは知っているんだけどな、と思いながらいただく事にした。
実際バレずに食べることができた。少ない時間で食べることができ、満腹になるちょうどいいサイズの賄いを作ってくれていた。
リスクを負ってまで、人のための行動をする。
多分あの2人の外国人社員は、人の笑顔の為だけに行っている。
本当にすごいし、そうで在りたい、と思った。
そういう人がいると、場が明るくなるし、元気が出る。
しかもそういう人は信頼され支持される。
実際異国の地で飲食店の社員として圧倒的信頼を得ている。東京駅という場所で。
人のために働く。それは当たり前で、その上でさらに人の為に動く。
お客さんだ気でなく、従業員まで気を遣う。
それを感じれた。
昨日、そのネパール人社員が誕生日だったらしい。
今日シフトが被るので、何か買っていく。