なぜイギリスの大学生は幸福なのか?-「幸福を感じにくい現代社会」の構造
今日は、現代は構造的に幸福を感じにくい社会、という話をしたいと思います。
本題に入る前に、この話をする背景を説明します。
筆者は現在イギリスに住んでいますが、6月は晴れの日が多く、日照時間も長くて、多くの人が芝生の公園で寝てたり、おしゃべりしている人を目にします。
日本人の私は、日本で同じような光景をあまり見なかったので、その光景を見て違和感を感じていました。
しかし、彼らや彼女らを見ていると、どうも幸福そうに見えます。(個人の主観です)
少なくとも、不幸そうな振る舞いをしている人は見かけませんでした。
そこで、日本とイギリスで幸福についての捉え方に違いがあるのか調べてみました。
■事実として、日本の若者は、自分に対する満足度が相対的に低い
内閣府のデータによると、「自分自身に満足している」という質問に対して「そう思う」回答した日本人は45.1%、一方でイギリスは80.0%でした。
事実として、日本は自分自身に満足している人の割合がイギリスより低いです。次にそのようになっている要因を考えてみます。
■幸福と自己肯定感には強い相関がある
慶応義塾大学で幸福について研究されている前野隆司氏によると、「自己肯定感が高い人は幸せ、低い人は不幸せと言い切れるくらい相関が強い」だそうです。
自己肯定感を高めるためには、以下の要素が重要だそうです。
夢に向かって主体的に行動していること。
周囲に感謝して信頼関係を高めていること。
前向きで楽観的に過ごしていること。
人目を気にせず、自分らしく行動していること。
理論上は、これらが実践できていると、自己肯定感が高まり、幸福を感じやすくなるのだと思います。
■結論:気を付けないと、気づかぬ間に幸福を感じにくくなっているかも?
上記と相性が良くない事象は、例えば「業績のプレッシャー」「友人とコミュニケーション不足」「給与が上がりにくい」「他者による監視」などです。
既にお気づきの方も多いと思いますが、これらは現代の日本社会で日常的に起きていることです。
自己肯定感が低く、幸福が感じにくいのは、私たち自身に原因があるのではなく、現代社会が「自己肯定感が高まりにくい構造」なのかもしれません。
筆者はイギリスの大学に所属しているので、日常的に友人と楽しいコミュニケーションがとれ、業績などのプレッシャーもなく、他者からの監視も存在しないので、自己肯定感が高まりやすい≒幸福を感じやすいのかもしれないですね。
自らの環境に、感謝したいと思います。
おわり。