新規醸造所立ち上げよくいある注意点まとめVol.9
1.はじめに
この企画は酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があり、100社以上の醸造所と取引がある醸造所の管理システムを作っているBest Beer Japanが全国のブルワーさんにインタビューを行い、立ち上げ時の注意点や困ったことを聞いて新規醸造所を立ち上げる方々に向けて発信しています。
今回は2022年8月に北海道阿寒郡鶴居村にて醸造を開始した、Brasserie Knot(ブラッスリー・ノット)のブルワーである植竹 大海さんにインタビューさせていただきました。
植竹さんはCOEDO BREWERY(埼玉)やうしとらブルワリー(栃木)、忽布古丹醸造(北海道)などでさまざまなビールを造り上げてきた経験豊富なブルワーです。
2.インタビュー内容まとめ
■立ち上げの際に困ったこと
①物件選定に関して
そもそも物件が決まらないと設備の大きさや物件の改修費用がどれだけ必要かなどが決まらないのでとても重要
また物件探しと、資金調達を並行して行わないといけなかったのも大変だった
└物件によって必要な資金も変わってくるため物件もかなり探していいところを見つけたが、決めた後に地盤が十分ではないことがわかり調査と工事に追加費用が掛かってしまった
├元々資金もしっかり用意していたが地盤は予想外で追加でさらに資金が多くかかってしまった
└特に大きい設備を考えている場合は地盤など注意が必要
▼ポイント
物件選定は各方面にかかわってくるので非常に重要
上物だけではなく地盤や配管など、醸造にかかわる部分はしっかり確認しておく
②資金調達に関して
立ち上げ初期の段階で精度の高い見積もりが作るのは難しい
├細かい追加発注などがいくつも発生してしまった
└基本的に当初の見積もりから減ることはないという認識を持っておいた方が良い海外から調達する場合は為替や海外輸送の運賃の変動にも注意が必要
当初の工事などに費用が掛かってしまい、それを回収するために予定よりも大きい設備にせざるを得なくなってしまった
└一度タンクを入れると地盤改良ができないために最初の段階で予定を変更せざるを得なくなってしまった
▼ポイント
細かい追加発注なども発生するため資金は見積もりより減ることはないという認識を持っておく
③免許取得に際する税務署との関わり方に関して ※植竹さんが過去に聞いた事例
醸造所立ち上げの際に「企業の経営経験」がないと免許が下りないと言われてしまった
└いくつも醸造所立ち上げの経験がある植竹さんも初めて聞いたとのことそのため、計画とは大きく違った時間の使い方になってしまった
└まずブルーパブの経営から始めることになったこのように各税務署の担当官によっても意見が異なる場合がある上に、3年で担当官が変わるため逐一音声やメモなどの記録を残しておくのが重要
上記より、最初は立ち上げたい場所を決めて、管轄の税務署に必要事項を確認するのが良いと感じた
▼ポイント
税務署とのやり取りはしっかり記録しておく
立ち上げに際しては最初に必要事項を税務署に確認しておく
■困ったときに何を頼りにしたか
醸造のことで悩んだときは海外の記事や文献を参考にする
└流暢ではなくとも英語で検索できるようにしてけるとアクセスできる情報量が大きく違ってくる
■これから立ち上げする人へのアドバイス
▼生活資金の準備
立ち上げから実際にビールを作るまでにおおよそ想定の1.5倍の時間がかかることが多いのでその間の自分、家族の生活費や収入を確保しておくべき
└立ち上げの時は寝る暇もないくらい忙しいので金銭的、時間的余裕は持っておいた方が良い
※立ち上げ時にかかる時間についてまとめたアンケート記事はこちら
▼法人立ち上げのタイミング
法人を立ち上げて免許を取得する際、債務超過状態だと免許が取れないので何らかの形で会社を黒字化させておく必要がある
└法人を作るタイミングが重要、早すぎても信用がない場合がある
※植竹さんの場合は個人事業主からの法人成りで黒字も出せていたので問題なかった
3.Best Beer Japan 株式会社について
Best Beer Japan株式会社は
・バックオフィス業務を自動化できる醸造所管理システム
・新しい販路に繋がるクラフトビールECプラットフォーム
・物流コストを半分にできる樽シェアリングサービス
を運営しております。
また、100社以上の醸造所と取引があり、酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があります。
ご興味がある場合は下記からデモのスケジュール調整ができます。
https://www.bestbeerjapan.com/#contact_anchor