オークスは女子高生がいきなり過酷なマラソンに挑戦するようなもの。〜名ジョッキーの本を読んで考察中。
イメージを膨らませ中。
今週末は3歳牝馬のクラシック第2戦、オークス(優駿牝馬)が東京競馬場2400mコースで行われます。(トップ画像は2015年オークスのパドック。写っているのはレッツゴードンキ。)
NHKマイル、ヴィクトリアマイルと個人的にG1連敗中。笑。
オークスは何としてもとって翌週のダービーにつなげたい気持ちです。
ということで、一度頭の中をリセットし、「オークスってどんなレース?」というところを、名ジョッキーの本を読みながらイメージを膨らませています。
まずは、この2冊の本。
同期の名ジョッキー2人が振り返る1999年のオークス
武豊騎手と蛯名元騎手(現調教師)は1969年生まれの同い年、騎手デビューも1987年の同期。
先日、今年開業したばかりの蛯名厩舎の馬に武豊騎手が乗り、この調教師・騎手というタッグで初勝利を挙げたのは記憶に新しいところ。
このふたりが、それぞれの本で、1999年のオークスについて触れています。
まず、武豊騎手は、結果的には2着に終わったトゥザヴィクトリーに乗り本番に臨む前にこう語っています。
トゥザヴィクトリーはのちにエリザベス女王杯に勝利し、ドバイワールドカップ2着、有馬記念3着するなど、スタミナたっぷりの女傑でしたが、3歳春のこの時点では前走の桜花賞で3着しているとはいえ、一介の2勝馬(であり、女子高生)。
武豊騎手も、「チャレンジャーの立場で、強豪馬たちに胸を借りるつもりで頑張りたい。」と語っています。
一方で蛯名騎手。
こちらは勝ったウメノファイバーに騎乗。
レースを回顧する形となりますが、このように書いています。
「不安が先に立った。」蛯名騎手ですが、戦前に白旗を上げていたわけではなく、「わずかながら希望はあると思っていた。」と綴ります。
その根拠は、ウメノファイバーの人柄、いや、馬柄(?)。こう書いています。
・・こう考えた蛯名騎手がレースで心がけたのは、「ウメノファイバーのレースに徹する」こと。つまり、素直でまじめ、性格の良い女子高生に合ったレース(道中は慌てず騒がず周りに惑わされず、じっと力を溜めているイメージ?)に徹する。
いざレースでは、蛯名騎手は、潜在能力の高さがファンから支持され1番人気となったトゥザヴィクトリーを「一度も意識せずに」乗り、腹を括り、「思い切った直線勝負」に賭けます。
そして、まさに最初の直線でリズムに乗れたことこそが、「最大の勝因」と分析しています。
・・このような蛯名騎手の心理を踏まえ見直してみましょう。(ウメノファイバーは8枠16番、トゥザヴィクトリーは3枠6番)。
蛯名騎手の直線での激しいアクション、それに応え軽やかに跳ねるように走るウメノファイバー。そして測ったかのような差し切り勝ち。トゥザヴィクトリーとの差はハナ差、わずか8cmでした。
なお、このレースについては、武豊騎手はこのように振り返っていました。
武豊騎手は、「会心の騎乗」と綴っており、「勝った馬にあんなすごい脚を使われては仕方がありません。」と振り返っています。
武豊騎手の「会心の騎乗」を上回ったこのオークスについて、蛯名騎手は「もう一度やれと言われても、できるかどうかわからない。」と語っています。
まさに名レースですね。
今年も、こんな素晴らしいレースを期待しています。
オークスはやはり、過酷なレース。
以下の本で、岡部幸雄さんがオークスについて書いている部分も参考になります。
やはり、3歳春の牝馬にとっては2400mは過酷なんですね。
そして、ポイントは、「絶対能力」と「折り合い」の二点。
これに、蛯名騎手がウメノファイバーについて表現した、「素直」で「まじめ」で「性格の良い」馬を何とか探し出したいと思います。