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58秒-58秒の夢。〜秋の天皇賞まで三日。

大好きなG1レース、秋の天皇賞が週末・日曜日に東京競馬場で行われる。

以前にも書いたことがあるのだけど、人生で初めて競馬新聞というものを目にし、当てずっぽうで予想したレースが1992年の、レッツゴーターキンが勝った秋の天皇賞。(その記事はこちら。)

そんな個人的な縁があったりする。

それが30年前。


もっとさかのぼると、秋の天皇賞は、1983年まで春の天皇賞と同じく3200mという長距離で行われていた。

1984年からは今の2000mで行われるようになった。

今や、すっかりこの距離のレースとして定着している。

競馬ファンでないとピンとこないと思うけど、3200mは人間で言うとマラソンレースに例えられ、2000mはスピードが必要な「中距離」のカテゴリーに入る。

1200mしか違わないので人が走る距離でイメージすると分かりにくいけど、3200mは競馬の世界では長距離の範疇。レース中に息を入れないと最後はバテバテになってしまう。

対して、2000mで行われ、しかもトップホースばかりエントリーする秋の天皇賞はほとんどペースが緩むことがない。

名調教師の藤沢和雄さんは、「競馬の2000メートルは、人間の400メートル競争に相当する。」と語っていた。

一言で言うと、かなり過酷なレース条件


レースは毎年かなりエキサイティングな内容になることが多く、個人的には春のダービー、年末の有馬記念と同じぐらいに好きなレース。

そして、多くの競馬ファンと同じように、この秋の天皇賞で最後の直線に入る前に天空に跳び立った、サイレンススズカを思い出すレース。

この記事のタイトル「58秒-58秒の夢」は、サイレンススズカに騎乗していた武豊騎手の言葉。

前半1000mを58秒で逃げ、後半の1000mも同じように58秒で走り、他の馬に一度も先頭を譲らず走り切る、という武豊騎手がスズカに見た夢。

これも競馬ファンでないとピンとこないと思うが、過酷な東京競馬場の2000mを逃げ切るのは本当に至難の技で、なんと1987年のニッポーテイオーが逃げ切り勝ちの最後の例。以来、34年間も逃げ切り勝ちの例はない。

1998年のサイレンススズカは秋の天皇賞までに圧倒的な逃げ切り勝ちを続け、多くのファンが天皇賞でも逃げ切り勝ちを期待していたが、夢と散った。

2008年のダイワスカーレットも惜しかったが、ハナ差でライバル・ウオッカに敗れた。

今年はどうかというと、一部で「サイレンススズカの再来」と評価の声もある、パンサラッサという快速馬がエントリーしており、管理する矢作調教師は「ファンの方の望んでいるレースに徹する(=逃げる)。」と語っていた。

「58秒-58秒の夢」、パンサラッサと騎乗する吉田豊騎手も夢見ているだろうか?(あ、そういえば西の武豊に対して「東の豊」だ。。)

これは、去年の福島記念、パンサラッサがぶっちぎりで逃げ切ったレース。

と。
このような書き方をしていながら、私はパンサラッサの逃げ切り勝ちは相当厳しい気がしている。

矢作調教師も、「甘くない。」と語っている。

では自分が期待をかけているのはどの馬かというと、イクイノックスという、今年の日本ダービー2着馬。

5月のダービー時。

パンサラッサが作り出す速い流れに乗り、東京競馬場の長い直線で混戦を抜け出してくるのは、馬名にも「秋」の意味が見え隠れするこの馬、と期待している。

イクイノックス(Equinox)=昼と夜の長さがほぼ等しくなる時。春の春分を「vernal equinox」、秋の秋分を「autumnal equinox」というように使われる。


・・いずれにせよ、面白いレースになることは間違いない!


<おまけ>秋の天皇賞が好き過ぎて去年も「天皇賞・秋」絡みの記事を書いていました。よろしければご覧ください。


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