思い出の香港馬たち(最強馬編)。
10年前の香港競馬のヒーロー。
昨日は香港の(私が勝手に)友だちと思っている馬を紹介したのですが、今日は、香港競馬ファンみんなのヒーロー、最強馬クラスの馬を2頭紹介したいと思います。
ただ、この2頭は、日本での知名度は低いと思います。
日本への遠征経験もなく、また、昔は香港のレースの馬券は日本では買えませんでしたので。
ただ、エイシンフラッシュやグランプリボスなど、日本から遠征したG1馬を香港で迎え撃っています。なので、競馬好きの方は、記憶にあるかもしれません。
前置きが長くなりました、まず1頭目。
アンビシャスドラゴン
2006年・ニュージーランド生まれ。セン馬。
通算成績30戦13勝(G1 7勝、うち国際G1を2勝)。
2015年の高松宮記念を勝った香港馬、エアロヴェロシティの父がPinsという馬だったのですが、このアンビシャスドラゴンの父もPinsです。
エアロヴェロシティはスピードを武器とする短距離馬でしたが、アンビシャスドラゴンは距離に融通が利き、1600mの香港カップ(2012年)と、2000mのクイーンエリザベスⅡ世カップ(2011年)と2つの国際G1を勝っています。
自分の中では、いつも圧倒的な人気を背負って、他馬をねじ伏せるように勝つ。ただ、意外と取りこぼしもあったりして、オグリキャップのようなイメージを持っていました。
血統もあまり世界の流行の血が集まっている感じではなく、突然変異感があって。それがまた、オグリっぽいかな、と。
この馬が、2012年3月にドバイに遠征してドバイデューティーフリーに出走した時は、香港のG1を楽に2連勝して臨んでいたのでかなり有力ではないかと思ったのですが、7着に敗れてしまい、ショックでした。(同じレースに、日本からも福永騎乗でダークシャドウが出走して9着。)
最強馬2頭目をご紹介します。
アンビシャスドラゴンのライバルです。
カリフォルニアメモリー
2006年・アメリカ生まれ。セン馬。
通算成績47戦12勝(G1 4勝、うち国際G1を2勝)。
アメリカ生まれで、2008年にスペインでデビューし、その後フランスでも走り、8戦したあと2010年から香港で走った国際派です。
彼が魅力的なのは、なんと言っても「芦毛の追い込み馬」ってところです。
実際には、2011年、2012年と連覇した香港カップなどは、割と器用に前めにつけて抜け出すレースぶりも見せているので、生粋の追い込み馬ではないのですが、私の印象として・・。
というのも、一度アンビシャスドラゴンと彼のワイドに結構分厚く張った時があったのですが、アンビシャスドラゴンは最後の直線で悠々と抜け出してくれたものの、最後方を走っていたカリフォルニアメモリーが、馬群の外に出したので完全に画面から消えてしまいました。
このレースです(↓)
カリフォルニアメモリーは、上の馬群のさらに外。
カメラの視界から消えてしまいました。
・・ああ、だめか?
と思った次の瞬間、
残り100メートル、
カメラの端っこに白い馬体が現れ、敢然と追い込んできて!
(馬が「うおおっ」と叫んでいそう。)
結果、なんとか3着を確保してくれ、馬券はかろうじて的中でした。
この時、浮かれて買ったのがカリフォルニアメモリーのぬいぐるみで、今アイコンの写真に使わせてもらってます。
2頭紹介するだけで思いのほか長い記事になってしまいました。
もう少しだけ・・。
この2頭は凄い実績を残しました。
ただ、去勢されたセン馬なので、種牡馬にはなれません。(この2頭だけではなく、競走馬の生産を行わない香港では、ほとんどの馬が去勢されています。)
という事情もあるのか、香港では、競走馬としてのピークを過ぎても、あっさりと引退はせず、競争生活が長くなるようです。
この2頭のライバル対決も、数えてみたら9回もありました。
アンビシャスはマイル戦出走が多く、カリフォルニアが中距離を得意としていたので、こんなに対戦しているのも意外でした。
例えが難しいですが、適性距離がマイル中心のグランアレグリアと、中距離以上のクロノジェネシスが何度も何度も対決しているみたいなイメージでしょうか。
アンビシャスとカリフォルニアの直接対決は、2頭とも若かりし頃は必ずどちらかが勝馬になっていたのに、晩年はどちらも勝てないようになって、それが少し切なかったですね・・。
最後にアンビシャスとカリフォルニアの最初の直接対決が名レースなので、動画を貼っておきます。
■クイーンエリザベスⅡ世カップ(2011年)
いつもに増して思い入れだけで押し切る記事を書いてしまいました。
最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございます。m_ _m