黄昏インターネットのあとで:らしからぬ擾乱
冬の夜を迎えている。すっかりなにかを書くことも、世の重大事に惑わされるのにも飽きてくること請け合いの月末。
澄みわたる冬空とは対照的に、終わりっぷりをいま一度あらわにするのは、自称XをはじめとするSNS言説空間だろう。
日々、加速度的に先鋭化をつづけるエコーチェンバー状況の顛末については、かねてから散々連ねてきたとおりではあるが、ここにきていよいよ現実世界の黄昏インターネット化を実感せざるを得ないと感ずる。
2年前のこの頃は、ある種のインターネット感はリアル状況とはある程度の距離が保たれていたように思えるが、ここ直近のSNS的なものが、悪い方向で現実世界を揺るがしつつあるのを考えてもみると、なかなか面倒なものである。
もはや、現実がインターネット化しており─あるいは、インターネットが過度に現実化を帯びてきているからこそ、その中間のスペースが重大になってくるのではないか。
もはや、破滅的な情報撹乱空間と化したフィルターバブルの場には、あかるい見通しをみることはできない。しかしまた、黄昏インターネットのあとで、また新しくアングラなおもしろさが、どこかに芽生えてくるのかもしれない。