【SS】ポッキーゲーム

こちらの動画の原案のアイディアです。

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ウナ「東北、とーほくぅ！」
きり「いきなりなんですか音街」
ウナ「じゃーん！ ポッキー！」
きり「うん？ そうですね」
ウナ「さっきあかりさんから教えてもらったんだけどね？」
きり「なにを」
ウナ「ふっふっふ、東北、『ポッキーゲーム』って知ってる？」
きり「えっ、あぁ……知ってますよ、一応」
ウナ「えー！ せっかくゲームで東北に勝てるチャンスだったのにー」
きり「いや、知ってるとは言ったけどやったことはないですよ」
ウナ「ルールも知ってる？ あのね、『たくさん食べたほうが勝ち』なんだよ？」
きり「そう……ですね、知ってます」
ウナ「じゃあさっそく勝負だ！」
きり「今からやるんですか！？ 私が？ 音街と？」
ウナ「あれぇ？ 負けるのが怖いとかぁ？」
きり「そ、そんなことは言ってな……いいでしょう、受けて立ちます！」
ウナ「そうこなくっちゃ！」
きり「ちなみに『先に離したほうが負け』ですからね」
ウナ「はなす？ ……あぁ、喋っちゃダメってことか」
きり「すぅーはぁー……じゃあ、いきますよ音街」
ウナ「うん、はいこれ、東北のぶん」
きり「一袋も！？」
ウナ「それくらいなきゃ、勝敗つかないでしょ」
きり「な、中々やりますね音街……」
ウナ「いや、まだなにもしてないけど」
きり「では……勝負、です！」
ウナ「あっ、先に齧るなんてズル……」
きり「ほらそっち咥えて」
ウナ「えっ、えっ？ ちょっ、なんで肩掴んで……」
きり「……スタート！ 」（サク、サクサク……）
ウナ「んっー！？ 」（パキンッ）
きり「ふぅ……えっと、まずは逃げた音街の負け、です」
ウナ「い……」
きり「い？」
ウナ「いや、いやいや、なにしてんのとーほく！？」
きり「なにって、ポッキーゲームですけど」
ウナ「違うよ！ だってあかりさんはたくさん食べたほうが勝ちって……」
きり「だから、一本のポッキーをたくさん食べたほうが勝ちなんですって
ウナ「だ、騙された！？」
きり「じゃあもうやめますか？」
ウナ「だってまさかいきなりとーほくがしかもかおがこんなにちかくまでくるなんて」
きり「あれあれー？ 余裕かまして誘ってきたのに、一回負けただけでもうリタイアですかぁ？」
ウナ「な、なにぃ？」
きり「しかもこれっぽっちも食べてない、完敗のくそじゃこですねぇ」
ウナ「言ったな……！ さっきのはルール勘違いしてただけなんだからな！ もうわかったもんね！」
きり「ふーん、ならハンデあげますよ。私が咥えて待ってますから、お好きなタイミングでどーぞ」
ウナ「お、おー、動くなよ東北……」
きり「ふぁやく」
ウナ「……行くぞ！」
きり「ん」
ウナ「な、ななななんで目を閉じるんだ！？」
きり「あのー、離したら負けって言ったじゃないですか？ バカですか？」
ウナ「なんで閉じたの！」
きり「……私だって恥ずかしいんですよ、バカ音街」
ウナ「そ、それなら、まぁ」
きり「ほら、2連敗ですよ音街」
ウナ「もう大丈夫、攻略法も見つけたもんね」
きり「どうだか……ほら、やりますよ」
ウナ「次こそ勝ってみせるぞ」
きり「あ、今度は逃げられないように、手、握りますから」
ウナ「問題ないね！」
きり「じゃあ……どうぞ」
ウナ「よーし、こっちも目を閉じれば恥ずかしくない、はず……！」
（サク……サク……ッ）
「「んむ！？」」
きり「ちょちょっ、なにしてくれてやがるんですか音街！」
ウナ「とっ、東北こそ先に離れてよ！」
きり「そしたら負けちゃうじゃないですか！」
ウナ「たまには勝ちを譲ってくれてもいいじゃん！」
きり「じゃあノーカン！ 今のはノーカンです！」
ウナ「というか、二人とも目を閉じてたら勝敗わかんないじゃん」
きり「今のは私のほうがたくさん食べましたよ」
ウナ「証拠は？」
きり「食べちゃいました」
ウナ「はぁー？ ずっこい！」
きり「ズルくないです。それにたくさん食べればいいなら、相手の食べた分まで食べればいいんじゃないですか？」
ウナ「……どうやって？」
きり「そりゃあ……その……」
ウナ「……うん」
きり「説明は……ちょっと、難しいので」
ウナ「……うん」
きり「次、私が負けたら、本気出すかも、しれないですね」
ウナ「……う、うん」
きり「どんなゲームでも負けっぱなしは嫌ですから。……それに」
ウナ「それに？」
きり「私のポッキーはまだこんなに残ってますから、ね、音街？」

～終～