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月までの距離は、ベンチャー企業の夢と野望の大きさに比べるとあまりにも小さく短い。

昨晩、いつになくワクワクしながら寝た。ispace(アイスペース)という会社のおかげだ。彼らが作った宇宙船が月に着陸するかもしれなかったから。朝起きてニュースを見ると失敗していた。成功しなかったという事実と、これが伝説の始まりだという予感が、ないまぜになって複雑な気持ちになる。記事を読んでがっかりという気持ちよりも心がたぎり溢れていた。

読売新聞によると「月着陸を目指した同社の月着陸船について、「通信の回復が見込まれず、月面着陸の完了が困難と判断した」と発表した。着陸を行っている際、降下速度の急速な上昇が確認されたことなどから、月面に衝突した可能性が高いという。」とあった。そもそも月面着陸は相当困難なミッションらしく「飛行機から蹴ったボールを(管制室のある)東京・日本橋の1区画に入れるようなもの」らしい。

前職時代、少しだけispaceの担当をしたことがある。担当と言っても、何にもしていない。何も出来なかった。端っこにいただけ。上場の準備をしている頃だったため大きく広告活動が出来なかったタイミングだったけど、それにしても無力な担当だったし、何もしないまま起業してしまった。心にちくりとした痛みが思い出として残っている。

宇宙の可能性は無限大。それだけ困難がつきまとう。

そんなispaceの月面着陸船は2022年12月にイーロンマスクのスペースXのロケットで打ち上げられた。そして今月13日に無事に東証グロース市場に上場した。月面着陸への期待から株価はどんどん上がっていった。僕は宇宙工学には完全なる素人で宇宙よりもまずは地球上で見たことのない景色を見たいと思うタイプだ。ギリシャのサントリーニ島とかトルコの街並みとか。そんな自分の想像の範囲の遥か上にいく宇宙に可能性を見出すispaceの挑戦には純粋な憧れがある。宇宙への挑戦には、その代償というか壁も高い。そこに人生を賭けるなんて浪漫に溢れている。

成功すれば世界で初めての民間による月面着陸達成だった。でも、失敗した。詳しい原因はこれから探っていくのだろう。NASAだってスペースXだって何度も何度も失敗してきた。失敗したら次の挑戦への糧があるだけだ。そのひとつづつがispaceの物語になっていく。

地球から月までおよそ38万キロ。ベンチャー企業の挑戦と夢の大きさには遥か及ばない。ベンチャー企業の野望は無限なのだ。いつか達成する。そう信じている。素晴らしい未知への挑戦と彼らの物語に胸が熱くなる。僕も比べるのもおこがましいぐらい小さい会社だけど野望は無限だ。彼らの姿に刺激をもらいながら頑張りたい。