【ハマ本】エアポートきゅうこうはっしゃ!
絵本では具体的な地名が出てくるのは珍しい。明らかにモデルがあって場所が明らかな場合でも固有名詞は出さないことが多い。しかしこの絵本はのっけからがんがん出してくる。すなわちまずは始発の新逗子駅。といっても今は逗子・葉山駅に改称された。エアポート急行の運行区間自体は変わっていない。
目的地は作中では羽田空港国内線ターミナル駅。これも今は羽田空港第1・第2ターミナル駅と改称されている。またその手前の多摩川を渡るシーンや京急蒲田駅で折り返す様子も描かれる。
さてその間の区間はすべて横浜市内。金沢八景駅で京急逗子線から京急本線に入るシーン、上大岡駅、横浜駅と作者お得意の鳥瞰図で進行方向に合わせてか南から捉えている。
前後の見返しには実際の地図に合わせた形での路線図があり、絵本のどのシーンがどの場所なのか照らし合わせることができる。
主要な駅では断面図で車内の乗客の入れ替わりも追いつつ、下側には運転士の持ち物や京急の車輌図鑑、信号機の意味に京急蒲田駅での動きに至るまでみどころ満載な京急絵本となっている。実際奥付ページには「協力:京浜急行電鉄株式会社」とある。
最後に空港の地下の駅に入る様子を断面図で描いて、飛行機やモノレール、リムジンバスも登場するので乗り物絵本としてお得感もある。