文明の輪廻を何度辿れば出会えるのだろうか?(都市の弾力性とフェルミのパラドックスの考察)【統計力学の不思議世界探索】#29
「いったい、みんなどこにいるんだ?(But where is everybody?)」
エンリコ・フェルミ
この銀河系、半径約10万光年に星が密集した円盤には、我々の太陽を含め推定で2000億個もの恒星があり、その周りを周回する惑星はその数倍ある。そのうち、地球のように生命に適した条件が整うのはまあまあ確率は低いだろうとされているが、それでも2000億分の1なんてことがあるだろうか。地球外生命体はもっとたくさんいるはずではないか。なのに全く見つからない。物理学者のフェルミが、お得意のフェルミ推計をしてもその結果が全然現実と合致せずに発したのが、冒頭の言葉でも有名なフェルミのパラドックスである。
統計力学の不思議世界探索、今回紹介する論文はこちら。
Asymptotic burnout and homeostatic awakening: a possible solution to the Fermi paradox?
文明の漸近的燃え尽きと恒常的覚醒:フェルミのパラドックスに対する可能な解決策候補
Asymptotic burnout and homeostatic awakening: a possible solution to the Fermi paradox? | Journal of The Royal Society Interface
(今回は統計力学とはやや離れているが、純粋にわくわくするものを選んだ。去年の5月くらいにTwitter(現X、以下Twitter)でちょっと話題になったので、フォロワーには読んだことある人が多いかもしれない。)
本論文よりも一歩前の段階として、「平坦な陸地に雨がほぼ均等に降っても、川という独特の分岐パターンを持つ構造が現れるのはなぜか」という疑問から考えたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1732365454-lnKbZrpzqI5DuUEQXJN0Y3cS.png?width=1200)
水は重力によってできるだけ低いところに流れようとする。高いところに降った水は、土砂に邪魔されながらも低いところに流れようとする。この時、土砂の邪魔が少ないところは水が速く流れて水位が速く下がり、近隣からも水が集まって流れが多くなる。そういったところで水による浸食作用が強まり、やがて河道ができる。そして、河道が直線的に低地に行くのではなく枝分かれ状に連なるのは、広い範囲の水をできるだけ抵抗なく、しかし浸食される量は少なく(素早くできる)形成される形として自然に発生するためである。
このような、エネルギーの流入(河川にとっては上空から雨が降ること)をできるだけ素早く受け流すために独特な構造が生まれることを散逸構造と言う。10 非平衡開放系(←このサイトも興味深いのでできれば全部読んでほしい)
他にも散逸構造の例としてベナールセルが有名だがこれも、乱流的な拡散ではなくセル状の構造のある流れのほうがエネルギーの流れは速いために、このような構造が自然に発生する。
散逸構造は、生物がなくても自然に発生する物理法則と言ってよい。
(ここから本論文にもある記述)
生物というシステムはエネルギーの流れの中にある構造体である。
初期の地球にいた生物は嫌気性生物ばかりで、酸素はなくても海の中の有機物を消費してエネルギー源として活動していた。その後、植物や好気性生物が台頭するが、エネルギー源が変わるだけで、生物というシステムはエネルギーの流れの中にある構造体という構図は変わらない。
変異と淘汰が繰り返される生物進化においてもエネルギーをできるだけ素早く流そうとする力学が働く。捕食の効率を上げるために、単細胞生物が役割分担をして多細胞生物になったり、体が大きくなったり、素早く動けるようになったりといった進化が進む。(勘違いしてほしくないのは、進化には”意志”や”目的”などはなく、遺伝子の偶然の変異と周囲の自然環境による淘汰があるだけだということ。自然環境の淘汰圧によってあたかも”うまく適応した”ように見えるということ。)
単細胞生物が多細胞生物になったのと同様に、人間社会はたくさんの人が集まって役割分担をし、都市という構造体を作っている。都市は大量のエネルギーを消費する。初めの頃はたくさんの人を集めたり動物の力を使うところから始まり、木材を燃やして熱源にしたり、化石燃料を動力にしたり、過去100年の間には核エネルギーを解放したり、さまざまな「グリーン」エネルギー源(地熱、波動、風など)を電力に変換するようにもなった。(原発再稼働で東北電力の電気代が下がるという、原子力の威力を感じさせるニュースも最近あった。)
また、このようなエネルギー消費の増大には、技術を進化させるための”技術の遺伝情報”として情報の共有も欠かせない。特に歴史上では印刷機、電気通信、コンピュータ、インターネットの発明が顕著である。
先行研究[10]では、都市のエネルギー消費量N(t)について、都市が生産する資源量Y、個人が消費する資源量R、新しい個体を人口に追加するために必要な資源量Eを用いて、次のような法則が見出された。
$${\frac{dN(t)}{dt}=\frac{Y_0}{E}N(t)^\beta-\frac{R}{E}N(t)}$$(1.1)
N(t)についての微分方程式だが、別に難しいことは言っていない。$${\frac{dN(t)}{dt}}$$は成長速度を表すので、もしβ=1で資源の生産と消費が釣り合うY=Rだとしたら、右辺はゼロになって成長しなくなる。少しでもY>Rになるかβ>1になれば、文明は成長するようになる。このβは何かというと、βが大きくなれば成長速度は指数関数的に伸びることから文明の組織力の強さと考えてよい。
今までの人類のエネルギー消費量を推計すると、農耕を始めた頃からβ≒1.2程度で成長してきている。
このβ>1で超線形に成長する理由は、都市が自己触媒的な構造だからである。様々な技術や知識を持った人が集まり、ばらばらに住んでいては出会えなかった人同士が出会い、”技術の遺伝子”である情報が互いに触発し合って技術の発展が加速する。また、都市は後背地とともにある自己組織的な構造であるおかげで、かなり変化したり壊されたりしてもすぐに元に戻る非常に弾力的な構造である。フランス革命でパリの支配構造が変わったり、中国で王朝や首都が変わったり、ベルリン陥落や原爆投下や阪神大震災などがあっても、都市自体がなくなったことは歴史上ほとんどない。
文明が指数関数的成長をするというと、一昔前によく言われていた技術的特異点が思い起こされる(AIが急速に発展した最近はなぜかあまり聞かなくなったが)。ある時点で、今までの推測から大きく外れ、制御不能になるという問題である。
成長する文明を支えるには、それに応じた資源やエネルギーの要求が発生する。新大陸に入植し始めた頃のヨーロッパ人が、労働力のためにアフリカから奴隷を新大陸に輸送したように(今では奴隷輸送船が悪名高いが)。
特異点が近づいて要求エネルギー量が増大しすぎ、文明を支えるためのエネルギーがどうしても得られない状況になると、仲間内での食いつぶし合い(戦争)が起こると推測できる。数人で無人島の取り残されてどうしても食料が確保できない場合(あまり想像したくないが)、仲間を殺して食べるように。あるいは、欧米列強が植民地をどんどん広げている間は戦争は少なかったが、新たに植民できる場所が少なくなった頃に2度の世界大戦が起こったように。現状、人類は生き延びているが、核兵器や生物兵器による破滅の可能性もすでに抱えてしまっている。
特異点を回避するには、それを先延ばしできるような何らかの技術的革新が必要である。人力では足りなかった労働力を補うような蒸気機関の発明などであろう。模式図的には図1の通り。
![](https://assets.st-note.com/img/1732263423-QRBnUi1acGtdOuyb657q98FD.png)
縦の点線が要求エネルギーが無限大に発散する特異点
何らかの革新によって特異点は先延ばしされる
しかし革新が起こったとしても、その続きから成長は続くので、革新は定期的に起きなければ特異点を回避することはできない。
現在は、インターネットによって世界全体が迅速に情報交換できる一つの都市になりつつある(地球上で人類の居住地面積はたった2%であるにも拘らず)。この仮想的な世界都市を形作るデータの集合体は、バイオーム(生物が関係を持ち合う集団)に似た造語として、データオーム(dataome)という言葉が本論文では使われる。データオームは文明と同じように指数関数的に成長する。データオームは巨大化するが、人間の生身での情報処理能力には限界があり、人工知能の力を借りることは必須になることは、すでに時代の流れからして間違いないだろう。そして、人間同士の相互作用よりも、人間と人工知能、そして最終的には人工知能同士の相互作用が圧倒的に重要になり、人間ではなくデータオームが文明の主体となる可能性もある。
ここまでの推測は、地球外の文明にも当てはま可能性がある。
生物や文明の発展の不可逆性は、「コアアルゴリズム」の明らかに見てとれる。4文字の遺伝コードの普遍性、細胞のエネルギー通貨としてのATPの普遍性、植物の炭素同化の入り口であるRuBisCO酵素の広範な使用。これらは非常に有用であるために、何らかの変異で別のものが現れてもなかなか置き換わることはなく億年単位で持続する。
地球外の生物でも、DNA, ATP, RuBisCOではないかもしれないが、遺伝情報の保存、エネルギー通貨、環境からの有用な代謝物の同化方法などは「コアアルゴリズム」として強く選択され億年単位で持続するだろうと推察される。
文明においても、言語やデータオームの創造は技術の遺伝情報の保存方法としてコアアルゴリズムとなるだろう。地球から接触しうる地球外文明は、指数関数的な成長を遂げたものであるはずなので、言語やデータオームといった文明のつながりを強めるコアアルゴリズムは持っているはずだと推測できる。
式(1.1)に従うと、特異点を回避するための革新が起こる周期はどんどん短くしていく必要がある。i番目の革新から次の革新までの間隔は(1.2)式のようになる
$${t_{cycle}\approx \frac{1}{N_i(0)^{\beta-1}}}$$(1.2)
β>1の場合、特異点を避けるために必要な革新の間隔はどんどん短くなり、いずれはゼロになって特異点は避けられなくなる。
つまりβ>1の場合、いずれにせよ要求エネルギー量は無限大に発散するので、考えるべきは特異点までの時間に何をすべきかである。革新の内容やエネルギーの調達法は以降あまり問わない。
今までの人類の歴史について(1.2)式に従うと、人類文明の燃えつきまでの時間は、言語の出現から計算すれば10万年程度、都市の出現から計算すれば数千から1万年程度と推測できる。(言語の出現は約7万年前、都市の出現は約6千年前なので割と近い!?)
特異点に到達する"燃え尽き"が起こると、必然的にβ>1の生活様式は崩壊するだろう。それでも、戦争や災害からの復興のように、生き残った人や周囲の人が集まって既存の施設や情報を使って新たに都市を築いて文明は再開されるだろう。極端な場合、核の冬で人類含めほとんどの生物が絶滅するシナリオもある。それでもいずれまた、新たな生物、文明が台頭してくるだろう。恐竜が絶滅した後に被子植物と哺乳類が繫栄したように。
では、燃え尽きてはやり直しを繰り返すという輪廻を回避することはできるだろうか。燃えつきの前に、過去の遺跡や文明の成長速度の自認から、文明が自らの燃えつきを予見し、β=1にして文明を維持するように自律できるだろうか。(これがまさに現行のSDGsなのだろうけど、今の日本では曲解されすぎてSDGsはあまり使いたくない言葉になってしまった)
β>1のまま突っ走って燃え尽きるのではなく、あるところでβ=1に自律する段階に入るまでの時間を$${t_{awaken}}$$とする。燃えつきまでの時間$${t_{burnout}}$$よりも早く自律できるようになれば文明を維持できる恒常的覚醒に入る。
生物や文明は、発展するにつれて認知の地平も広がる。今の人類は、原子内部のクォークから宇宙規模までの物理システムの未来を予測でき、複雑なシステム、つまり人類自身の行動を含めて予測できるようになった。ただし、ここまでの予測能力を持つのは現状人類だけであるため、燃え尽きの前に自文明の運命を認識できる時間$${Δt_{window}=t_{awaken}-t_{burnout}}$$は、進化的または地質的な時間スケールと比較して短い可能性がある。
認識するだけでなく、もう一つ重要な時間スケールとして、文明を恒常的覚醒に向けて方針転換するのにかかる時間$${t_{reorient}}$$も考える必要がある。方針転換が完遂するまでの時間として$${Δt_{accomplishment}=t_{reorient}-t_{awaken}}$$を考えると、その窓の領域内で方針転換を完遂できるか、つまり
$${\delta t_{window} / \delta t_{accomplishment}}$$の比率が、文明の長期生存を決定する。
分類としては図2のような3パターンが考えられる。
![](https://assets.st-note.com/img/1732361423-B8twK9XHAf0ngWiheGjEdkaz.png?width=1200)
上:覚醒することなく突っ走って燃え尽きる
中:覚醒するが、方針転換が間に合わず燃え尽きてしまう
下:覚醒して、燃えつきまでに方針転換を完了し、燃えつきを回避する
β=1に方針転換できた文明は、もはや成長は優先事項ではなくなる。しかし今の人類はまだ、その方針転換をどのようにしていけばいいか具体的にはまだわかっていない。成長以外に何を目標とするのか。
そのヒントとなりそうな1例が、ブータンで採用されている「国民総幸福」という考え方である。(i)持続可能で公平な社会経済的発展、(ii)環境の保護、(iii)文化の保存と促進、(iv)良好な政治 を4つの柱とし、物質的および経済的指標が必ずしも最大化されるわけではなく、人間と環境の健康や知識の追求などの他の目標が強調される可能性のある道を開拓している。
この考え方で文明全体の燃えつきを回避できるかどうかはまだ不明だが、成長ではなく幸福を最重要の目標とするのは重要なヒントの1つである。
また、今までの歴史を振り返ると「小さな覚醒」が何度かあった。
(i)オゾン層の破壊の認識とフロンの規制による回復
(ii)核兵器の脅威の認識と核軍縮
(iii)クジラの減少と捕鯨モラトリアム施行による個体数の回復(ちなみに日本近海ではクジラが豊富にいるため日本は脱退している)
これらの小さな覚醒は、人類の認知の地平が広がったためになされたことだろう。さらに進めば、単細胞生物のような個体ではなく多細胞生物のような大きな自己として人類文明を認識し、燃えつきを回避しうる覚醒に至れるのではないかと考えられる。
ここで、再度フェルミのパラドックスについて考えてみる。無生物から生物への進化と技術文明への進化が可能な宇宙において、なぜ我々は地球外文明の決定的な証拠を1つも見ていないのか?この質問が「パラドックス」と感じられるのは、進歩の軌道が過去から外挿できるという暗黙の前提があるからだ。
地球外文明も含む文明の進歩について、カルダシェフスケールという3段階の文明レベルの指標が考えられている。
タイプⅠは一つの惑星で利用できるエネルギーを利用する文明。これは、気候操作やテラフォーミングができるレベルに相当する(気候は降り注ぐ太陽のエネルギーによって作られるものなので)。
タイプⅡは一つの恒星で利用できるエネルギーを利用する文明。これは太陽をすっぽり覆うダイソン球を作ることとほぼ同義である。
タイプⅢは一つの銀河系で利用できるエネルギーを利用する文明。これは、恒星間航行が可能で次々に恒星系を支配していった末の文明である。
現状、我々が地球外文明と接触できていないということは、タイプⅢ文明はまだこの銀河系には存在していない(存在しても人類には認知できていない)ということである。タイプⅡに相当するダイソン球の疑いがある天体はいくつか見つかっているようだが。
(ちなみに今の人類のエネルギー使用量は、カルダシェフスケールを実数に拡張した場合0.73程度である。また、植物(≒葉緑体)が文明を持っていたとしたら、すでに0.95程度に達している。)
このカルダシェフスケールには2つの重要な側面が欠けている(i)進化は常に徐々で線形的ではなく、主要な移行や「断続的平衡」に影響されること、(ii)情報の流れとエネルギーの流れが超線形スケーリングと特異点危機をもたらす都市のような自己組織的なシステムを生み出すこと。
恒星間航行により系外文明と接触できるようになるには、我々か相手かのどちらかがタイプⅢ相当になる必要があるが、銀河系に2000億の恒星系があっても未だ接触が一度もないということは、タイプⅢに至るハードルは非常に高いと推測できる。
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"燃え尽きの壁"によってタイプⅢに至る文明は非常に稀だと推測できる
覚醒した文明はタイプⅢには至らずに、我々からは観測できないところで生きながらえている(緑)
図2で見た3つの文明の方向性のうち、2つは燃え尽きるもの、1つは図3の緑の領域に行くもので、タイプⅢに至る文明がどのようなものかはわからない。(と言っても可能性を潰せているわけではない)
ここまでの議論は、いくつか不確定な仮定に基づいていることに注意されたい。
(i)式(1.1)に従うように指数関数的に文明の要求エネルギー量は増加するという仮定(途中に出てきた国民総幸福のような指標の採用により、成長の法則を外れることも考えられる。)
(ii)式(1.1)が提唱された先行研究[10]における、都市によるβ>1の原因は緊密な情報共有によるという仮定(資源や環境要因など、原因は他にもあるかもしれない。)
(iii)インターネットによってデータオームが全人類に共有されることで、地球が全球規模の都市とみなせるようになるという仮定(瞬時に共有されるのはデータだけで物流は遅いままなのに1つの都市とみなせるか。)
(iv)個体が単細胞生物から多細胞生物に組織化するという推論が人類文明や地球外文明にもあてはまるという仮定(多細胞になるのではなく強力な人工知能が取って代わるなど別の強化の仕方もありうるかもしれない。)
宇宙生物学者は、地球上の生命の特定の特性を他の場所での生命の探索の指針として使用することに対してしばしば警告する。生物とはこういうものだろうという我々の推測はすべて、地球というたった1例のみからの推測に過ぎないからだ。2000億ある恒星系には本当に人類には思いもよらないものがあるかもしれない。
では、文明の燃え尽きや覚醒はどのように検証できるかというと、最も決定的な証拠としては、現存または絶滅した地球外文明を直接観測することだろう。あるいは、地球上にある放棄された古代都市(アンコールワット、バビロン、チチェン・イッツァ、ポンペイなど)を調査することによっても、燃え尽きのメカニズムも解明につながるかもしれない。
燃え尽きに近い文明は、環境を変化させ、エネルギーを非常に持続不可能な方法で散逸させるため、最も検出可能な系外文明である可能性がある。これは、人類の初期の異星生命の検出の多くが、知的であるがまだ賢明ではない種類のものである可能性を示唆する。(系外惑星の探査が、初期は観測しやすさの観点からホットジュピターばかりだったように)
一方で、恒常的覚醒に至っている文明はエネルギーの散逸が少なく、検出が難しいか不可能であるかもしれない。魔法のように「十分に進んだ文明は自然と区別がつかない」かもしれない。
燃え尽きや覚醒は、地球外文明ばかりではなく、我々人類に当てはめることも重要である。全世界的なデータの収集と分析を行い、今までの文明の発展がより詳細にはどのような軌跡を辿り、将来がどのように推測できるかを精査することは、燃えつきを回避するために大きな意義があるだろう。
我々人類は、何のためにこの宇宙に生きているのかもわからずエネルギーを食い尽くしているばかりの、傍から見れば地球表面に川の分岐構造ができているのと同じくらいの未熟な文明と言えるかもしれない。
もし地球外文明と接触すれば、人類の文明は計り知れない影響を受けるだろう。恒常的覚醒に至ったり、タイプⅢ文明に至るヒントが得られるかもしれないし、宇宙文明の一員になれるかもしれない。しかし現状はタイプⅢ文明は全く見つからないし、タイプⅢ文明になる道筋も見えていない。
人類文明は、恋を夢見る少女のようにその時を待っているだけなのだろうか。タイプⅢ文明が非常に稀だとすると、あと何度も燃えつきを経験してからかもしれない。文明の輪廻を何度辿れば出会えるのだろうか?
<今回のイメージ曲>
寒さのおかげで空気が乾燥してすごくきれいに見える冬の星空を眺めながら聴きたい。各曲がそれぞれ文明の発展と終焉にも思える。
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