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空はまるで

はじめてのランニングマシーン。
わざわざこのためにここまで履いてきたNIKEペガサス40。

泳いだ後の心地よい怠さを
振り解くために
機械を相手に
まずは設定をした。

最初は歩いていこう。
そう希望したわけではないけれど。
Walk, don't run.
村上龍と村上春樹の対談集の題名だ。

走っても仕方がないから歩きなさいという意味かと思っていた。
いまは違う解釈をしている。

大人が子供を叱るように
走るな!歩いて。

私は今走っている。
もう良い大人だしな。

適当な設定は適当な数字1kmを8分39秒のスピードで。

全く疲れずに終わってしまった。

たぶん、
嫌なことを全部、
わすれる方法を覚えてしまったから。

ランニングマシーンから眺めた空は
銀色の雲で覆われて後ろから西陽が刺していた。

何があってもあの光はここまで届いて、眩しい。

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