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一泊旅行 @ヴィスビュー

茶色の屋根、見れました。というわけで昨日の続きです。ゴットランド島は特に霧に覆われていることもなく、20分ほど港から歩いてホテルに移動しました。パッケージで提示された中で一番安い一人部屋を予約しましたが、狭くとも快適でした。コアな点を挙げるなら、コンディショナーの匂いがすごく好き。イギリスとかのハンドクリームでよく見るヤギのミルク系の香りでした。

到着が15時なので暗くなるまで1時間もありません。と言うわけで、急いでスーパーに買い出しに行きました。道がくねくねしててわかりにくい上に、かなりの坂道で気がついたら向かっている方とは真逆に歩いていることに気付きました。幸運にも昔の城壁やショッピングセンターがある方にたどり着いてラッキー。水やお菓子を買った後、とりあえずマックで腹ごしらえを終えました。

ヴィスビューの城壁。羊だらけ🐏

ヨーロッパで一人旅をしていて大変なのは、おひとりさま文化の弱さ。日本だと一人で利用することを想定されたレストラン(特にチェーン店)が多いですが、こちらだと外食となると基本的には最小単位が二人のイメージが強いです。冬なので屋台で食べ物を買っても外で食べるには寒いし、ホテルに着くまでには冷めてしまうし、スーパーにも目ぼしいものがない…となると、消去法でファストフードにたどり着くことも多々。スウェーデンに来てからなんとなく感じていたことなのですが、ドイツと比べると若干物価が低いです。詳しい比較はしていないのですが、チキンバーガーのセットを頼んで8ユーロで済んだのには驚きでした。多分ベルリンなら10ユーロはするかな?ビッグマック指数なんて話もありますが、わかりやすい指標だな〜と思いました(スイスは確かにめちゃくちゃ高かった!)。

夜はテレビをつけてみましたが、どこの局もひたすらトランプの就任式の中継をしていました。これからどうなるんだろうと考えていると眠れなくなりそうだったので、早々にテレビを消して就寝。最近の入眠儀式になりつつある牛の削蹄動画をYouTubeで流していたら、自然と眠りについていました。

朝ご飯会場は、かなり雰囲気のある部屋。ショットブラールやスモークサーモンもあって、テンションが上がりました。どうやら宿泊したホテルは旧金融取引所だったらしく、いろいろ不思議なスペースもありました。Börsという名前で気づいても良さそうなのに、語末にeが付かないだけで全然ピンとこなくなるもんだなぁと思ったりしました(注: ドイツ語ではBörse)。

やたらと豪華。坂が多い町なので部屋の中にも階段が二つ。

10時半に行動開始して、まずは昨日の夜素通りした木組の家に向かうことにしました。おそらくグーチョキパン屋のモデルになったと言われている場所だろうと思ったのですが、ビンゴ。キキが住んでいた部屋みたいな外付けの階段も確認できました。

横から見た図。左に階段がチラリ。

早速目的を達成して手持ち無沙汰になるかと思いきや、そこからヴィスビューの本領発揮。よく見たらそこら中に廃墟が!特に地図を見なくとも歩いているだけで綺麗な場所がすぐ目に入るのは、小さい都市ならではの醍醐味だと思います。

冬の間は立ち入り禁止。大人しく門の隙間からパチリ。

ふと目に入った大きな教会(Domkyrka、独: Domkirche)に寄ってみると、豪華さに圧倒されました。北ドイツの漁港の教会(いわゆる Fischermannskirche)でよく見る船の飾りが一切ない代わりに、床まで文字が刻まれていたり、パイプオルガンがあったり、なんかとにかくすごい。ハンザ同盟に関する展示もあって、リューベックやドルトムントとの深い縁もあることを学びました。この教会、今年でちょうど800年周年だったそうです。誰もいなかったので、若干気後れしつつお賽銭箱にしっかりユーロを納めてきました。

手前に少し写っているのがパイプオルガン。

あっちこっちに現れる廃墟に向かって歩いていると、自然と北門に辿り着きました。掲示板によると、12の教会があるんだとか。スウェーデンやらハンザ同盟やら、宗教改革やら諸々の出来事を経てほとんどの教会が廃墟になってしまったとのこと。とりあえず北門を出て城壁沿いを歩いていると、頭の中でエンドレスに進撃の巨人の歌が流れ始めました。近いうちにネルトリンゲンにも行っておきたいなぁ。

私が頭の中で想像するスコットランドはこんな感じ。

話は逸れましたが、城壁に沿って歩いていると、昨日寄ったショッピングモールと町の東門に辿り着きました。この辺りは特に趣のある建物が多いんだとか。そのまま城壁に沿って歩くこと10分弱。南門に辿り着いたのでまた町に入ると、おしゃれなパン屋さんを発見。後でフィーカしに来ようと決めました。

なんかおしゃれ。

そのまま門を外に出て歩くと、今度は海が見えてきました。というわけで寄り道。坂道を下ると、昨日船を降りた港に続く道に出ました。町の地形がほぼ掴めたので、今度はAlmedalenという公園に向かって、海を見に行くことに。特に目的地も決めずフラフラ自由に歩けるのは一人旅ならでは。大量の鳥と戯れた後、波を見て癒されました。

水の透明度がすごい!

一通り歩き回って満足したので、ゴットランド博物館に寄って暖を取ることに。一部展示が閉鎖されていると聞いて少し悲しかったのですが、何が欠けているかわからないボリューム。なかなか見応えがありました。特に好きだったのは、地下に続く古い階段と、鎧体験コーナー。子ども向けの展示もあったのですが、ほぼ貸切状態だったので海賊帽を被って遊んだりしました。

井戸のある地下貯蔵庫。寒い。

博物館でゆっくりしていたら、船の時間も2時間後に迫ってきました。というわけで急いでフィーカ。到着から5日間にしてようやくスウェーデンの優雅な文化を楽しむことができました。急ぎ足でスーパーに寄ってフェリー用のおやつを調達してから、ホテルに戻って預けていた荷物を受け取って、港に向かいました。

トリュフ味のポテチ。これはハズレ〜。

帰りは慣れたもので、特に迷うこともなく駅に辿り着き、乗り換えを終えることができました。ストックホルム中央駅の乗り換えはエスカレーターが多すぎて大江戸線みたい。

帰りはすっかり霧が晴れていました。ストックホルム市内行きの案内表示も巨大でわかりやすい!

今回は一人でペースを決められるのもあって、かなり気楽な旅になりました。もちろん一緒に楽しんだりご飯を食べに行ったりする相手がいないというデメリットもありましたが。おそらくこのプランを楽しめたのは、今回たまたま私に体力が残っていたから。最高気温3℃の中ひたすら坂道を歩き続けるプランは人を選ぶと思います。海沿いは風も強く、さすがに長時間滞在するのは無理がありました。でも、すごく楽しかったので、行こうか迷っている人は絶対行った方がいいです。

⚠️ストックホルムにも共通する点なのですが、とにかく道の高低差がすごいです。基本は石畳で、城壁沿いは獣道みたいな部分もあったりするので、脚力に自信があるうちに訪問されることをお勧めします(これはギリシャのサントリーニも!)。

⚠️冬は基本的に立ち入れない場所が多いです。一つの例外を除いて、基本的に廃墟の教会は全て鍵がかかっていて入れませんでした。遅くとも10月までに訪問するのが吉かと思われます。寒い季節(11月以降)にヨーロッパを訪問する際は、厚手のダウンにショートブーツ、手袋・マフラー・ニット帽は必須です。風邪を引かないよう、万全の装備で臨みましょう。

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