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文章を書くことが好きになったのは、大学3年生の時。卒論を夜明けごろまで書く日々で、言葉…

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文章を書くことが好きになったのは、大学3年生の時。卒論を夜明けごろまで書く日々で、言葉を生み出す苦しみがなんか心地いい、と。専門はフランスまで追いかけた社会学、哲学、人類学で、今は一応教える側です。。

最近の記事

ことばの語源L'EtymologieDesMotsれてぃもろじぃでも numero8

 異国に住んでいると、日頃当たり前だと思っていたことに疑問を持つようになる。その中でも言葉の問題は特にそうだ。今はフランスに住んでいて、フランス語の勉強もしているのだが、そんななかで、なんでこうゆう風に言うんだろう?っていう表現にぶつかる。  例えば、今日インターネットで見つけた「Vive l’opera」。日本語に訳すと「オペラ万歳」とでもなろうか。フランス語のvivreは、「生きる、生活する」とかいう意味である。それを、vive という風に、勢いをつけたような言い方(命

    • 日本の大きさ ぐらんどぅーるどぅじゃぽんGrandeurDuJapon? numero5

       ネットニュースで小学校6年生の友人殺害事件を知った。本当にゲーム感覚で現実世界を生きている感じを受ける。やっぱり日本の環境って恵まれすぎているし、親は子供に友達のように思って欲しいのか、制限することをしないで、甘やかしすぎているところがあるんだろう。だから、テレビを見る時間も長いし、現実と映像の世界を判別する能力を持たないまま、幻想の世界でふらついているように思える。時々日本の友達とチャットをするが、「書くこと」って、自分で見直せる部分がいいところなのに、チャットでは見直す

      • 日本の経済力?LaPuissanceEconomiqueDuJapon

         フランス留学生活2年目が過ぎようとしている。渡仏前、私は一般企業の専門職に就いていて、それなりの大卒給料をもらっていたし、両親の自宅からの通勤だったため、留学費用を貯めると同時に、海外旅行を楽しむ余裕も持っていた。今考えると、かなりのリッチな感覚とそれに伴う消費をしていたと思う。お金を節約して使用するという事を考えなくても、お金がない危機感を感じずに過ごすことが出来ていた。  化粧品や洋服を選ぶ場合の感覚は、値段を見ることからではなく、私の場合、製品の質を重視していた。例

        • 2歳児の事情LesCirconstancesdesEnfantsDe2ans numero10

           事情シリーズ第3弾。私はベビーシッターとして、2歳児の女の子も見ることになっている。本来、パリに住むところを確保するためにこの仕事に魅力を見出したので、自分が子供が好きかどうかという基本事項を自問するのを忘れていた。そのことを本当に自問し始める頃は、もうこの仕事が始まっていた。  白状すると、私はむしろ子供のわがまま具合、きゃぁきゃぁとうるさいところなど、子供だからと許せない方であった。それに、赤ちゃんなどを見ると笑顔で話しかけたり、なでたり、遊んであげたりなどを自然にし

        ことばの語源L'EtymologieDesMotsれてぃもろじぃでも numero8

          小学2年生の事情LesCirconstancesdel'ecoleElementairedeDeuxiemeAnnee numero9

           パリで留学生活を続けていくために、また住居を確保するために得た仕事、住み込みベビーシッター。その仕事の何たるかについて、全く前知識もなしに、どうにかなるだろうという希望的(楽観的?)観測から開始してみた。この‘住み込み’っていうところにかなりのポイントがある。別階に部屋は持っていても、同じ建物に住んでいるので、フランス人の生活リズムに否が応でも巻き込まれるのだ。そこがまた、フランスの文化、常識、細かい気遣いなどを発見できる場でもあった。  私の主な仕事であるベビーシッター

          小学2年生の事情LesCirconstancesdel'ecoleElementairedeDeuxiemeAnnee numero9

          時間るぁーL'heure numero7

           ゆったり時間を過ごしている様子、そのようなフランス人の様子を人生を楽しんでいるように思う。ゆとりを持っているように思う。時間を有効に使っているように思う。フランス人の時間の使い方を学べという風潮はいまだに女性誌などに見られると思うが、フランス人の時間の使い方は、私から見ると、とても疲れる使い方なのだ。当然のことながら、その使い方は彼らにとっては普通だ。  まず、フランスではバカンスがいっぱいあるという現実の裏側では、長いバカンスを得るために彼らは(仕事が忙しい専門職の人々

          時間るぁーL'heure numero7

          日本人妻の事情LesCirconstancesDeLaFemmeJaponaise numero6

           fille au pair(ふぃーゆおぺーる)というベビーシッター兼家事手伝いの仕事をする中で気づいた。日本人妻たちのフランス社会への溶け込み具合によって、その人々の行動が日本人的度が濃くなったり、薄くなったりする現象があるなぁ、と。  日本政府機関に旦那さんが勤めている関係でフランスに滞在することになった日本人妻は、不思議な事にフランス語、英語ともに使用しない人もいる。そこで、その子供たちはパリ日本人学校に通わせることになる。日本では、外交官などの子女であるため有名私立

          日本人妻の事情LesCirconstancesDeLaFemmeJaponaise numero6

          茫然自失と身震いすちゅぱぁえとらんぶるもんStupeurEtTremblement numero4

           2003年~2004年にかけてフランスでベストセラーの1つになっていた、ベルギーの若い女性作家が書いた本の題名である。こんな題名が付いている本の内容が、日本企業に就職した彼女自身の体験記なのである。日本人の私には、失礼にも程があるだろう…と思えるような内容だった。その内容は日本企業の特殊性、欧米人には理解できない礼儀作法、働き蜂のように働くサラリーマン、上下関係のおかしさなどがふんだんに盛り込まれ、そんな世界に入ったら、「茫然自失と身震い」が絶えないというものなのだ。  

          茫然自失と身震いすちゅぱぁえとらんぶるもんStupeurEtTremblement numero4

          すっごい晩餐るでぃねしゅぺーるLeDinerSuper! numero3

           2月下旬にちょっと不思議な出来事がありました。オペラ・ガルニエの近くに、その昔、ナポレオンの愛妾が住んでいたという貴族の館があって、今は、そこが会員制のプライベートクラブになっている。そこは、政府の役人が秘密裏に交渉するとか、ちょっとした賭け事をして遊ぶ場所みたいになっていて、留学生や旅行客が入れる場所ではない。そこに、なんだか知らないうちに誘われて潜入してしまった。  そのクラブの入口で、パスポートを食事の間、保証として取られ、中に入ると、ナポレオン時代の内装、家具が普

          すっごい晩餐るでぃねしゅぺーるLeDinerSuper! numero3

          らでぃふぇれんすでぅきゅるちゅーるLaDifferenceDeCulture? numero2

           文化は違いすぎると、興味の対象というより、興味本位が呼び起こされる、と言ったほうがしっくり来る。 私は鈴木孝夫さんの著作のファンの1人だが、鈴木氏は、日本文化と西洋文化の間には文化的つながりが絶対的に少ないとの考えを述べていた。私は、そうかなぁと漠然としか、その違いを感じていなかった。日本は経済大国でいわゆる西欧諸国と同等の生活のレベルだし、テレビで大量に流される映像と情報で、文化の違いがなくなってしまうのではないか?と思ってしまうほどなのに。  しかし、今ソルボンヌの

          らでぃふぇれんすでぅきゅるちゅーるLaDifferenceDeCulture? numero2

          まぽじしょんあくちゅえるMaPositionActuelle numero1

          私は今、フランスに留学していて、まぁ世間体に言えば私の属する世代(20代後半)のちょびっと高学歴(大学卒)な女性が更なる可能性を求めて、外国の地を踏むという輩のひとりである。人と同じというのでは、あんまり面白くないなぁという考えから、(これもまた、上記の世代の人々が考えそうな事なのだが…)自分の興味のある絵画、歴史、社会学、言語学をひっくるめて考える事の出来る環境としてフランスに来た私は、自分も含めた言語習得に来ている多くの日本人留学生を研究対象として見させてもらっている

          まぽじしょんあくちゅえるMaPositionActuelle numero1