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PCオーディオに挑戦⑳:USB外部電源オプションの再実験(2)

☆プロローグ

『PCオーディオに挑戦⑯:USB外部電源オプションの再実験(1)』で以下のような比較をしてみると書いたきり、の比較で止まっていた。

①リニア電源 ⇒ 出川式CPM ⇒ SOtM、tx-USBx10G

②リニア電源 ⇒ SOtM、tx-USBx10G

③リニア電源 ⇒ FINEMET ⇒ 出川式CPM ⇒ SOtM、tx-USBx10G

④リニア電源 ⇒ FINEMET ⇒ SOtM、tx-USBx10G

⑤コトヴェール ⇒ スイッチング電源 ⇒ 出川式CPM ⇒ SOtM、tx-USBx10G

⑥コトヴェール ⇒ スイッチング電源 ⇒ SOtM、tx-USBx10G

⑦コトヴェール ⇒ スイッチング電源 ⇒ FINEMET ⇒ 出川式CPM ⇒ SOtM、tx-USBx10G

比較をしないできたのは、③リニア電源 ⇒ FINEMET ⇒ 出川式CPM ⇒ SOtM、tx-USBx10Gの出音が、①と比べて、あまりに素晴らしかったからである。FINEMET様様。ただ、この比較をするためにはエルサウンドのリニア電源はもちろん、SOtM、tx-USBx10Gも、電源をオン/オフしなければならない。この両者はそんなに寝起きはよくないのではないかと思うのだ。

しかし、上で出川式CPMと略した「A&R Lab ACアダプター用ノイズ吸収、欠落電流補填回路+CPMsp」をDCラインから外して、その音質をチェックするモチーベーションが唐突に生じたのだ。

A&R Lab、ACアダプター用ノイズ吸収、欠落電流補填回路+CPMsp

それは、『PCオーディオに挑戦⑲:TDKラムダ、RSMN-2010』の追記で、エルサウンドの特注リニア電源(出力5V、9A)の前段に、RSMN-2010(定格電流10A)でコモンモード&ノーマルモードチョークをすることによって素晴らしい成果が出たことであった。あるいはまた、『PCオーディオに挑戦⑱:canarino DC power supply12V』で、ダイトロン製ソフトスイッチング電源(出力12V、12.5A)からコトヴェールを外すことで微妙な成果(音数が増えるがノイズ感は高まる)を得たことも大いに関係する。

結論を先に書いておく。残念ながら、「A&R Lab、ACアダプター用ノイズ吸収、欠落電流補填回路+CPMsp」は素晴らしいようだ!残念ながらというのは、上の画像に映っているように、この装置は最大3Aである。ところでSOtMのUSBモジュールは最大5Aであるのだ。

今回の比較はである。③から出川式CPMを取ってみたら、どうなるかということ。


☆出川式CPMを外す、、、

『PCオーディオに挑戦⑯:USB外部電源オプションの再実験(1)』の時にはDCラインはFINEMETに1巻きであったが、最近は2巻きにしていた。今回もFINEMETは2巻きであるが、出川式CPMを取った分、DCケーブルは短くなるので、エルサウンドのリニア電源の傍にFINEMETを置いた。リニア電源に接続しているインレットプラグはFurutechのFI-50 NCF(R)なので、輻射ノイズは抑制されているかもしれないが、とはいえ危険な位置である。電源ケーブルとDCケーブルは垂直方向に5cm程度しか距離を取れなかった。

DCケーブルをFINEMETに2巻きした。
フルテックのカタログより
フルテックのカタログより
シリコンインシュレーターでDCケーブルを支えて空中配線。
canarino fils9 Rev.5の背面。青いLANケーブルの前をクロスしているのがDCケーブル。
リニア電源の手前にはRSMN-2010。

☆試聴

現代のモーツァルトことジム・オルークの『I'm Happy and I'm Singing and a 1, 2, 3, 4 』(2001)は、CDからリッピングした44.1/16のWAVファイル。

電子音が駆け回り、元気になったように思った。それで出川式CPMは外して問題なかったのかと思った。私にはその方が都合が良いのだ。しかし、どこか腑に落ちない。

アンドラーシュ・シフ『J.S. バッハ : クラヴィコード』(2023)の「即興幻想曲」は96/24のFLAC

だめである。出川式CPMの有/無はかなり微妙な差異なので、分からないと思う人もいるだろうが、無しの場合はオーラがなくなるのである。凄みが消えてしまうのだ。<<RSMN-2010⇒リニア電源⇒FINEMET⇒出川式CPM⇒SOtM、tx-USBx10G>>の場合には、芸術的なオーラが存在しており、堀の深い闇のなかに煌めきが舞う、卓越した表現である。クラヴィコードの演奏は遊びでなく、バッハの芸術に通じる命の道であったというアンドラーシュ・シフ本人の省察を体感できた。出川式CPMを外すと、おもちゃのピアノに近づく。


☆まとめ

私がPCオーディオに入れ込んでいるのは、オリオスペックの酒井氏がcanarino fils9 Rev.5の試聴時にUSBモジュールをSOtM、tx-USBx10Gに換装した時の再生音が決め手だった。それは本当に感動的な躍動する音楽であった。もちろんどんなオーディオでも、ナニをドウ再生するか、である。canarino fils9 Rev.5にtx-USBx10Gを搭載してもらえば、それで完成となるとは当時も今も思っていない。canarino DC power supply 12Vの2台の電源と接続したcanarino fils9 Rev.5にtx-USBx10Gを搭載すれば、しかし、完成への道すがらの戦いをやりくりできると確信したのだ。だから、酒井さんに嫁を説得してもらって、(笑)、高い電源に高いUSBモジュールのオプションをつけてなんとか購入した。

そのSOtM、tx-USBx10Gの外部電源オプションは最大9V、5Aの入力である。だからiPower II(9V、2A)というコスパの極めて優れたACアダプターを脇に置き、エルサウンドにリニア電源を特注したのは、他でもない、SOtM、tx-USBx10Gに最高スペックで音楽信号をMAY DAC KTEに向けて送り出せる状況を作ることが、自分のPCオーディオの最重要事項だからである。

USB外部電源オプションへのDCラインは、非常にデリケートであり、狭き門である。ここを何とか通り、命に至らないといけない。

「A&R Lab ACアダプター用ノイズ吸収、欠落電流補填回路+CPMsp」は素晴らしい。結果的に、この補填回路に戻ってくることになるのかもしれない。しかし、今は5Aの酒をtx-USBx10Gに注ぎ、かつ、DCラインのコモンモードノイズを消し去るとどうなるかを模索すべきであろう。このPCオーディオへの挑戦はそうやって始まったのだから。FX-AUDIO似たような回路を作っているようだ。これは最大5Aとなっている。幸い、値段は安い。これを使って、DCケーブルを部分的に自作してみることにしよう。その際にどんなフィルターでDCラインを浄化するかである。最終的にはリニア電源のDCケーブルは直結の改修も辞さないつもりでいる。


追記

部品をいっぱい発注したら、部品よりもたくさん段ボールが届いたので、飯食いながら、アルミホイルとサランラップを段ボールの破片に巻きつけた。

シールドね。(^^)

DCケーブルには触れていない。サランラップを破いてアースするという手もあるな。(^^)

こんなんでも少しおとなしくなる。DCケーブルを自作することを考えているが、シールド付きのでいいのが見つからなかったら、このシールド屏風でいくとしよう。