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歴史ある美しい織物


私は現在、洋服のお直しの会社で、週に3日お世話になっています。
こちらではお直しだけでなく、オーダースーツも受け付けており、お店にはイタリアを中心に、イギリスや国産の生地見本帳(通称バンチ)が棚1面に並んでいます。
パラパラと生地見本帳見て、触れるだけでも、ワクワクし、その美しさに感動します。

男性のスーツの世界は歴史と哲学がぎっしりと詰まっていて大変奥が深いのですが、
私は、これまでメンズスーツについて、ましてや生地について深掘りした事がなかったので、
様々な生地メーカーをひとつづつ知っていくうちに生地の色や柄、肌触りの良さに魅了されたのです。
バンチは、シーズン事に入れ替わり、古いものは破棄されてしまうのですが、何かものづくりに使えればと、大変嬉しい事に幾つか譲って頂きました。
これを機に、普段中々じっくりと見られない美しい生地達を見て触り、歴史を学べたらと思い、noteにまとめていきます。

VIETALE BARBERIS CANONICO
ヴィターレ.バルべリス.カノニコ
1663年創立
ヨーロッパで産業革命が訪れるといち早く機会式機械を導入し、1900年代初めには織物産業聖地ビエラに、紡績から織り、染色、仕上げまで自社で行う大規模なテキスタイルメーカーになり、今ではイタリアを代表する世界的な生地メーカーです。
バーバリー、アルマーニ、ラルフローレンなど、世界中のブランド、スーツ愛好家の方々から愛され続けているカノニコ
カノニコの生地は艶やかで発色が良く滑らかな肌触りが特徴です。
なぜこんなに肌触りが良いのか?
superを原毛に使用している事がひとつあります。
ウール(羊毛)の中でもカシミヤやシルクの様に細い繊維のものをsuper原料といい
super100's  やsuper140'sなど数字が大きくなるほど繊維が細かくキメが細かくなります。

確かに生地見本帳で
wool100% /super100's/super150's
と触り比べてみると
生地のざらつき、しっとり感が違います。
柔らかく滑らかなsuper生地はスーツになった時の見た目の美しさも違う表情になります。
どの生地もそれぞれに良さがあり、
ザラつきのあるウールらしい生地も無骨でカッコよいですし、しなやかで柔らかな生地はエレガントに見えます。

なので、カノニコは
ラグジュアリーで高級感のあるスーツから、上質なカジュアルのジャケットに似合う生地など様々なシーンに合うバリエーションが豊富なところも魅力のひとつと言われているんですね。
こんなに美しい色柄を毎シーズン新しく発表出来るのは、長い歴史の蓄積による所が大いにあります。
深みのある色柄
時代、気候、人々の生活の変化に合わせて進化し続けるカノニコ

生地の歴史を調べてみたら、その歩みは少し前に行った伊勢神宮の式年遷宮のようだと思いました。

受け継がれる製法と新しいものづくり

私は、
ものをつくる者として
歴史を知り進化し続ける
その考えを忘れずにづづけていきたいと思いました。


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