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Mr. Evineの「英文法 違いが分かるかな?」クイズ

第2回:様々な「助動詞」使い分け

恵比須大輔

Hi、皆さん、Evineです。時制や助動詞など、似ている英文法や表現のニュアンスの違いで、英語学習者、特に初中級レベルの方が悩みがちなものをクイズ形式で解説していきます。

「Evineの英語塾」で中高生や一般の社会人から、授業で実際にいただいた質問を中心に、皆さんとシェアさせていただきます。今回は「助動詞」です。


それでは、早速クイズにチャレンジしてみましょう。

Q.1 「バス停で待ちますね」を英語で話すと?空所に入る英語を考えてください。

(       )(       ) at the bus stop.

Q.2 「その新しいマネージャーについての噂は本当かもしれない」を英語で話すと、どちらが自然?

(A) That rumor about the new manager can be true.
(B) That rumor about the new manager could be true.

Q.3 あるゲストに対して「こちらにお掛けください」と丁寧に頼んでいるのはどちら?

(A) Can you take a seat right over here?
(B) Will you take a seat right over here?

どちらも「〜してくれませんか」という日本語訳で覚えている学習者も多いですね。

Q.4 「あなたは日本語を話せますか」を初対面の外国人に尋ねる場合、どちらが自然?

(A) Can you speak Japanese?
(B) Do you speak Japanese?

Q.5 「太ってきた。痩せなきゃ」と自分の意志を伝える場合、どちらが自然?

(A) I'm gaining weight. I must lose weight.
(B) I'm gaining weight. I have to lose weight.


では、簡単にポイントを解説していきます。

Q.1 Answer

I’ll wait at the bus stop. が正解です。
「バス停で待ちますね」=「自分の意志」を示す場面と考えられるかがポイントでした。

「その場の意志決定」を表すwill(〜します)が今回のポイントです。
I wait ~ と助動詞が抜けがちですが、これだとただの現在形で習慣を示す表現になります。
また、I will waitと短縮しない形で言い換えると、強調した響きになります。
「バス停で」は「点」を示す前置詞at(〜に)で表現できます。地図上でポイントを指差す感覚がしっくりくるatです。

Q.2 Answer

正解は、(B) That rumor about the new manager could be true. です。

この場面のように、実際の人物に対して、特定の噂話についての話で、具体的・現実的な感覚で伝える場合は、could/may/might(〜かもしれない)を用いるのが自然です。
助動詞canは「〜であり得る、〜することがある」という意味で、一般的・理論的な可能性を表します。「こんなことが世の中には起こり得るんですよ」というイメージです。

《canを用いるのが自然な例》
Learning a new language can be challenging.
(新しい言語を学ぶことは難しいこともある)

Q.3 Answer

正解は、(A) Can you take a seat right over here? です。
Will you ~? は指示的な響きがあるため、気を遣うようなゲストに対しては、より丁寧な響きのあるCan you ~? の方が適切です。willは「できる」前提で、相手にそれをやる気があるのか、意志を確認している形ですが、canは「できるか」「できないか」を尋ねている分、断る選択肢が相手にはあるため、それが丁寧さを出します。

Q.4 Answer

正解は、(B) Do you speak Japanese?です。
直訳でいつも考えると失敗する例ですね。
相手が何語で話せるのか、は相手のいつもやっている習慣的なこととして、現在形で尋ねてあげるのが自然です。
助動詞canを用いた疑問文Can you ~? はストレートに「能力」を尋ねることになり、言語を話す能力があるのかという尋ね方は、特に初対面の場面では失礼な響きになります。

Q.5 Answer

正解は、(A) I'm gaining weight. I must lose weight. です。
「絶対に」という強い意志も含まれる表現で、自分の主観的な決意表明として使えます。
英文(B)の have to は、痩せることが義務や社会のルールのように聞こえるため、個人的な必要性にはなりません。
今回は選択肢に入れていませんが、実際の会話では、mustよりもカジュアルな響きになるI need to+動詞の原形(〜する必要がある)がよく使われます。


さて、時制もそうでしたが、文法的に、一文だけを見れば、どちらも正解ですが、文脈や伝えたい内容で考えるとどちらかが不自然になることが英文法の世界ではよくあります。No.4のように、日本語で丁寧に考えすぎると英語では場面に合わないこともあり、最終的には英文に触れたり、発信する経験値がモノを言います。

助動詞は、話し手(書き手)の主観的な「気持ち」「考え」「判断」などを動詞の元々の意味にプラスする働きであることを常に意識しましょう。

今回、解説したポイントは、ベレさんから出版した「Mr.Evineの英語塾 コア英文法」を基にしています。例文や演習解説の中で、日本人が混同しやすい英語表現や英文法の区別は特に重視して丁寧に解説していますので、ご興味のある方はぜひ書籍もご覧いただければ幸いです。

Thanks for reading!
See you in the next column.

記事を書いた人:Evine(エビン)
本名、恵比須大輔。神戸在住。株式会社evinet biz代表取締役。Teaching Director
神戸と大阪で社会人向けの「やりなおし英語JUKU」と学生向けの「Evineの英語塾」を主宰。10代~80代まで幅広い世代の方を対象に、コア英文法を軸に、実際に使える英語・英会話指導に従事している。観光専門学校での「英文法&英会話クラス」や「TOEIC」クラス、教員向けセミナーなど多方面で活動実績がある。著書に、『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル2』、『Mr.Evineの中学英文法+αで「話せる」ドリル』、『完全攻略!英検準2級』『動画でわかる! Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』(アルク)、『7時間で中学英語をもう一度やり直す本』(あさ出版)など多数。その他、学校専売品『英文法総合問題集 ES(エス)【はじめて編】/【高校入門編】/【高校標準編】/【高校発展編】』(アルク)など著書多数。趣味は旅行と映画鑑賞。

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