ピアノ再開のきっかけについて
30年近くぶりになんでピアノをまた弾こうと思ったか
いつかはお別れしないといけない実家のピアノ。
思い入れがあり、長年弾いていないとはいえ簡単に手放す決断はできない。一方、現自宅で場所を取っている電子ピアノは購入して間もなくひどい腱鞘炎になり痛い思いをしてあまり弾いておらず。20年前も前に購入した電子ピアノなので、もう廃棄でもいいかなぁ。。
そんな風に思っていました。今年のお盆頃の時点では。
どうしたもんかなぁと、こどものころからたくさん買い集めた楽譜をパラパラめくっていたら、ある曲の楽譜が出てきました。
ガブリエル・マリーの「金婚式」
ガブリエル・マリーという作曲家の「金婚式」という曲があります。小学校高学年の頃、親が買ってくれたクラシックのレコード100枚セットの中に入っていた曲として出会いました。元はチェロとピアノのための曲だそうですが、うちのレコードにはピアノ独奏版が収録されていました。
金婚式という言葉も知らなくて、この曲をきっかけに親に意味を教えてもらいました。
単純に好きな曲だったので、お小遣いでピアノピースの楽譜を買いました。買ったものの、弾いてみたい曲は他にもたくさんあり、真剣に練習に取り組んだことはありませんでした。
曲を聴くたびに、楽譜が目に留まるたびに、漠然と、自分の親の金婚式にこの曲を弾いているのを想像するくらい。
そういえば親の金婚式って何年後だっけ
父は一昨年亡くなり、両親揃った金婚式はかないませんでした。
でも…誰にも話したことはなかったけれど、こどもの頃になんとなく思っていた、この金婚式の曲のこと。そのままスルーしてしまってもいいものか?
この先、自分の中の約束を果たさなかったことで、後悔しないだろうか?
急に心がざわざわし始めて、心の隅に追いやっていた、自分のピアノへの思いについていろいろ考え始めました。
そして、金婚式の年までにどのくらい準備の時間があるだろうか?
金婚式の年は来年?再来年?
親の結婚記念日が何月何日は知っていても、実は何年なのかちゃんと確認したことがありませんでした。自分の生まれ年と同じなのか、それよりも前なのか。これを確認しないといけません。
Xデーをそれとなくリサーチ
もし、ほんとうに曲をプレゼントするなら。
ピアノやめて30年、練習しても仕上がらなかったら…、もし金婚式が来年なら準備が間に合わないかもしれない。
そして、弾くとするなら、電子ピアノではなくて、両親と一緒に暮らした、実家にある自分の生のピアノがいいに決まっている。
とにかく、家のピアノを弾くなら、まずは弾ける状態にしておかなければ。
そんなところから
また家のピアノ触りたいから調律をお願いしたい、と母に電話をして、あのピアノ買ってもらって何十年になるね…という話から、自分の生まれ年と親の結婚記念日の関係を聞き出し、うまれ年=結婚した年、ということが判明しました。
準備に1年以上あるなら…やってみようか?
さすがに習うのをやめて30年とはいえ、それなりに楽譜はよめるし、幸いにも金婚式の曲の難易度はそこまで高くない。なので、半年なら怖いけど、1年あればなんとかなるだろう、ということで、水面下で準備を進めることにしました。
母に頼んで、実家のピアノの調律の段取りを進めてもらいつつ、自宅の電子ピアノに数年ぶりに電源を入れたのでした。
こうして、親の金婚式をターゲットにピアノを再開することとなりました。
あとは…
自分が一番好きなことって、なんだっけ?
この先ずっと自分の時間をお酒飲んでグダグダになりながらテレビや配信みてダラダラ過ごすのか?
外に出かけることが好きなわけでもなく、スポーツが得意なわけでもなく、仕事が天職というわけでもない…
何か新しく始めてみたいことって何かあるだろうか?
自分がこの先ずっとやっていきたい、一番好きなことって何?
そう考えたら、やっぱり自分の中で一番大切にしたいものは、ピアノと過ごす時間かなと思えました。
もっと早くに思い立っていれば…という思いもありますが、前に進むと決めたなら、今日が人生で一番若い日、ということで。過去のことは考えないことに。