アークナイツ"復刻版:喧噪の掟"のストーリーをできるだけ分かりやすく噛み砕いてみる
はい、注目!みんなが静かになるまでに、先生アークナイツの"復刻版:喧噪の掟"クリアしちゃいました。
こちらのPVを見ましょう。
いいですね。ペン急最高ですね。
DJ.OKAWARI feat. 二宮愛さんの『Speed of Light』。アークナイツを代表するキラー・チューンと言えるでしょう。
1年ほど前の復刻イベントということもあり、歴戦のドクターにとっては昔の編成を見て懐かしんだり、逆にゲームをはじめたばかりのドクターにとっては程よくヒィヒィ喘ぐことができる難易度なんじゃないでしょうか。
(言うて自分も今回は鼠王をスルトで焼き払う脳筋プレイで楽しちゃったけど)
で、肝心のストーリー。一度なぞっただけでは「???」ってなる部分も多いと思うので、登場人物や勢力関係と併せて分かりやすくしておきましょう、というのが今回のお題目です。だからネタバレにはちょっと触れちゃうかも。ごめんねごめんね。
■"喧騒の掟"に登場する勢力
1. ペンギン急便(+バイソン)
中核となるのはやはりエンペラーをボスとするペンギン急便。
龍門を拠点とする物流会社の皮を被ったナニか。
バイソンはフェンツ運輸の御曹司で、一連の騒動の中でペンギン急便に匿われる存在。
"喧騒の掟"公開時から各方面で散々言われているだろうけど、ペンギン急便を手っ取り早くイメージさせるのはやはりコレ。
ラグーン商会。役どころとしてはほぼ間違いなくコレでしょう。
龍門(=ロアナプラ)を根城に、時には法に触れるヤバい仕事もこなすトランスポーター会社。ストーリー全体もブラックラグーンを履修していればすんなり理解できます。むしろこの手の話が好きな人にはたまらない系のノリ。
どうでもいいけど、年末に公開された1周年記念アニメでエンペラーに津田健さんの声がついたことで、ストーリー中での解像度が一気に上がりましたね。
今見返すと、コレで描かれたマフィアとの抗争も今回の"喧騒の掟”と絡んでいたりして。
で、冒頭からペンギン急便と小競り合いを繰り広げるのが……
2. シラクーザ・マフィア
近年、シラクーザ(シチリア)から追放され、龍門に流れてきたマフィア達。
マフィア・グループも複数存在し、その主な首魁はカポネとガンビーノ。
思いっきりアル・カポネとカルロ・ガンビーノを意識したネーミングっていう、実にわかりやすい存在。
こいつらの目的はペンギン急便の利権を奪い、龍門での地位を得ること。
ペンギン急便と接触したフェンツ運輸の御曹司・バイソンを拉致し、交渉材料に持ち込むもーー。
3. モッさん
厳密にはペンギン急便所属のトランスポーターだけれども、世界中を放浪しているので滅多に顔を出さない幽霊部員。
ラテラーノ公証役場の役人に監視されるという謎多き人物。天使を模したラテラーノ人なのに悪魔と呼ばれるサルカズを想起させる角があり、彼女の過去には相当な謎がありそう……
という、掴み所のないモスティマが数年ぶりに龍門に戻ってきた、そのワケとは。
4. フェンツ運輸(+龍門近衛局ウェイ長官)
龍門を拠点にする一大トランスポーター企業。社長のピーターズはバイソンの親父さんで超親バカ。フェンツ運輸の重要な取引先顧客にはロドス・アイランドの名前も。
今回の一連の騒動を簡単に要約すると、一流トランスポーターになりたいバイソンを龍門でブイブイ言わせているペン急に接触させて、それを付け狙うシラクーザ・マフィア共をこの機会に一掃しましょう、というウェイ長官も一枚噛んだ全部仕込みありのプロレスというオチ。
フェンツ運輸とウェイ長官は、ブラクラで言うところのホテル・モスクワや三合会ポジション。モッさんはピーターズから依頼されたバイソンのお目付役。
でも第8章を終えてから”喧騒の掟”を読むと、モッさんと龍門社会を牛耳るリーダー達との接点に、めちゃくちゃ意味深な関係性を感じませんかね?
まぁ、今回の件に限っては龍門近衛局は静観ポジションだったけども。
で、そのプロレス役を買って出たのが……
5. 鼠王
龍門スラム街を愛し、裏社会を牛耳るおじいちゃん。
久しぶりに戦ったけどやっぱ強いわ、アンタ。
龍門奪還時代からウェイ長官と見識があり、龍門の生き字引的な存在。
今を生きる若者達を案じ、龍門という複雑な社会を維持していくために安魂祭の夜に行動を起こす、文字通り”喧騒の掟”のボスとなる存在。
恐らく時系列的に”喧騒の掟”は、メインストーリー第8章でロドス・アイランドがチェルノボーグの龍門衝突を防いだ後の話になるので、それらを踏まえると鼠王のセリフの言葉の重みもズシンとくるかも。
だから第8章までクリアした今回の復刻時と、前回の1年前とでは、鼠王への感情移入度やストーリーの読後感が結構違ってたんですよね。その辺も地続きの世界観を共有しているという点では面白いポイントです。
※EXステージクリア後のストーリーでシエスタの黒曜石祭(オブシディアン・フェスティバル=イベント「青く燃ゆる心」)絡みの話があり、黒曜石祭はメインストーリーより後の時系列のエピソードになるため。
安魂祭の夜に起こる今回の一連の騒動と、その根底に潜む「社会というシステムを維持するためルール=掟」。これが今回掲げるイベントテーマって感じでしょうか。
EX.1 ジェイ&ワイフー
この2人は一般人視点から一連の騒動に巻き込まれていく立場。
オペレーターとしてロドスに来た後の印象の方が強すぎて、龍門で暮らしているこの2人の姿は今見ると逆に新鮮。
ジェイはメインストーリーでもこの後出てきたけど、"喧騒の掟"で描かれる彼は「裏がありそうだけどごくごく一般的な龍門の屋台の兄ちゃん」って感じの雰囲気がたまらなくいいですね。実際、ジェイは鼠王と同じくかつて龍門の伝説的なマフィアだった「菫」の(魚団子屋台の)弟子なんだけども。
ワイフーは女学生兼探偵事務所アルバイト。ここでも後のイベント"洪炉示歳(エンシェント・フォージ)"に出てくる「ア」の名前が出るなど、仕込みが細かい。
EX.2 イース
ヴェ○ムみたいなナリのかっこいいマスクを被ったペンギン急便メンバー。
彼はテキサスやエクシアのような戦闘要員ではなく、どちらかと言うとバックアップを専門とするテック要員という感じでしょうかね。
ただその言動には含みがありすぎて只者ではない気配がプンプンするぜ。
EX.3 苦難陳述者
苦難陳述者改め神に選ばれし監督者改め墓の騎士改めネバネバ超人改め秘蔵の番人さん 。
ラテラーノ公証役場の監察官を名乗ってはいるが、現状正体は不明。モスティマを監視するために遣わされた謎の存在。とにかく裏でいろいろ暗躍してるっぽいけど、既にゲーム内では彼女のロドス着任時のコードネームと内部データまで搭載されているとか。
確かにナリはカズデルっぽいし、今後ロドスに正式オペレーターとして実装されてもおかしくはなさそう。
EX.4 シラクーザのヤバいヤツ
わざわざテキサスを追ってシラクーザくんだりから龍門まで出てきた、シラクーザ・マフィアもその名を聞いただけで震え上がるヤバいヤツ。
今回のイベントでの立ち回りは必殺仕事人。もしかしてラップランドのヤバさがストーリーに沿って語られたのって、現状この"喧騒の掟"が最初で最後ですかね?
でもラッピーに処刑されるならそれも本望かも(理性ゼロ)
とまぁ、こんな感じで。
構図的にはペン急vsマフィアvs龍門社会という三すくみの形式で、バイソンを中心にわちゃわちゃと物語が進展していくのは見ていて楽しいです。
普段のメインストーリーの温度感とは異なる独特のスリリング感と、龍門経済の裏を感じ取れる社会派ストーリーが合わさって、最後は痛快に〆てくれるあたりが実にペンギン急便っぽくていいですね。
今読み返すとモッさんが思った以上に動いて喋ってるのも嬉しい。
これは本質情報なんですが、年中陽気なパリピお姉さんと、お金にがめついけどやさしい関西弁お姉さんと、クールで周りにモテまくるギャルゲ主人公系お姉さんと、その子に恋してるファンサ重視のアイドル系お姉さんと、謎めいた神秘系お姉さんの熱苦しい百合に囲まれながらショタが成長していくお話を合法的に楽しめるのは、後にも先にも"喧騒の掟"だけです。
周回要素もないので、復刻だけにサクッと楽しめるのもベネです。
やりましょう。
現場からは以上です。