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「気が向いたら」を動かす。

 気が向いたらするかもしれない。気が向いたら行くかもしれない。そこまで思えているというのは、ほとんどGOサインのような気がする。ひょっとすると「またすると思う」や「また行くね」よりも「気が向いたら」という個人の意識にわざわざ植え付けたような、相手との繋がりの糸を張ったままにしているような気がして可能性を感じる。

 それなら、あとはその人の気が向く所に私が(あなた)が立つようにすればいい。気が向くのを待つのではなく、向いた先に立っているように努力する。

 簡単な事ではないかもしれない。インスタントに反応が返って来ない事もあるだろうし、相手がそっぽを向き続けるかもしれない。けれどその人の「気が向いたら」をその先へ動かすためにはほとんど手を差し伸べるくらいの、接近戦での努力が必要なのだと思う。

 人間生きて生活していれば、考えなければならない事、やらなければならない仕事で埋まっていく。ストレスを解消する為の息抜きの時間だって必要だ。そんな生活の中にある「気が向いたら」の位置にある行為が現実に起きるかどうかは、やはり当人以外の助けとなる力が鍵を握っている。

 選挙の投票なんかも「気が向いたら」状態の人が多いんじゃないだろうか。政治について考えたり意見を持ったりすることだって、無関心よりも一歩進んだ人は大勢いると思う。例えばの話、デメリットを挙げればキリが無いけれど、たった今目の前に投票箱を抱えた人が現れてくれたら、たった今触っている携帯で投票できたら、それまで起こることの無かった行動が起きることもある。

 「気が向いたら」の理由や余裕は決していい加減な態度から来るものだとは限らない。最終、望む未来を手にするには、その人に動いて欲しいなら、あとは私(あなた)次第なのである。

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