東大合格確実圏に入った人は合格の順番待ち?
資格試験の場合、合格レベルに入れば、それから3年以内くらいに合格できる、と言われていました。つまり、得意な問題が出る場合もあれば、苦手な問題が出る場合もあるので、運、不運もあり、それらも加味すると、すぐには合格できなくても、合格の順番待ちのサークルに入れる、という意味です。
実際、成績優秀者に名前が載ったら、数年以内に最終合格する人が多かったです。中には、全国でも1位か2位を連発しながら何度も落ちている人もいましたが。そういう人は、予備校の先生に聞くと、アイツは理解してない、と言われていました。
大学受験の場合も、概ねそうではないかと思います。合格確実圏に入ったり、全国トップクラスであっても、落ちることはあり得ます。しかし、そういうレベルであれば、あと、1、2年勉強すれば大抵は合格するのではないかと思います。データを確認したわけではありませんが。
ただ、資格試験の場合は、社会人の場合は長期間勉強している人も多いですが、大学受験では、現役で合格する生徒が多いです。そして、若くて、勉強に集中できるので、学力の伸びも急激です。特に現役生の受験直前の伸びは驚異的で、奇跡に近いことも起こりえます。
そういう意味では、大学受験では、一気に集中できる人が合格しやすいのかも知れません。
そう考えれば、浪人してもあまり伸びない、という現象も理解できます。
集中力のある人は、短期間に集中して勉強して一気に合格レベルに達します。しかし、ゆっくりじわじわと勉強していると、そのレベルに達せない場合があります。
というのは、短期間に一気に勉強することで、最初の方を忘れないうちに一気に最後まで勉強することで、互いの知識が有機的に結びついてより深い理解になることもあるからです。
数学でもそうですし、地理、歴史などでも一気に全体を学んだ方が全体像が見えて、点の知識が線になり、面になると思います。この面ができていれば、どんなに難しい問題が出ても解けるのではないかと思います。
この面の理解までに至ってない人でも、模擬試験では合格確実圏に入ることがあります。予備校に何年もいて、模擬試験の傾向がわかってしまうと、合格確実圏に入っているのに何年経っても合格できない、という場合も起こりえます。
私が受験していた弁理士試験では、25浪の人がいました。彼はちょっと(前日か、直前30分程度)レジュメを見れば合格答案が書ける、と言っていました。ほとんどの模範答案を丸暗記していて、問題を見れば合格答案が書けるレベルでした。
しかし、25浪でした。
なぜこういうことが起こるかといえば、おそらく表面的な理解しかしていなくて、せいぜい点か線の理解ではないかと思います。全体がつながっていない状態です。
すると、本質を理解できていないので、ちょっとひねられると、題意把握ミスをして、問題を自分の知っている問題に置き変えて回答していたのではないかと思います。法律の試験では、題意把握ミスは大減点、致命的になることがよくあります。
つまり、同じ合格確実圏にいたとしても、本当に深く理解している人と、表面的な理解しかしていない人では、問題をひねられた場合にかなり差が出るということでしょう。東大の問題は、そうした本質を理解できている人に解きやすい問題のような気がします。
そういう意味では、何浪もしている浪人生は、理解の質や、志望校の問題の傾向を十分研究して、本質的な深い理解に基づいて解けるようにするのがよいかも知れません。そして、知識を点から線へ、さらに面にまで関連づけられれば多浪生であっても、実力が飛躍的に伸びて合格できるのではないかと思います。
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