心ここにあらざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず(大学
私の受験教材を購入された若い商社マンの方はUSCPA(米国公認会計士)試験を受けていました。
米国公認会計士試験の科目は、4科目で、「FAR(財務会計)」、「BEC(企業経営環境・経営概念)」、「REG(諸法規)」、「AUD(監査および諸手続き)」の4つです。
4科目を一度に受験して合格する必要はなく、1科目ずつ合格して(合格点は各科目75点以上)最終的に4科目すべてに合格すればUSCPAを取得することができます。
彼と同期に受験勉強を始めた仲間達は、全員受かったのに、彼だけが受からず、焦っていました。
米国公認会計士試験の1科目だけは合格したけど、それ以外の科目に合格できず、あと半年位で最初の合格の効力が切れる(つまり、この科目もまた受験する必要がでてくる)という状態でした。
彼は、素直な人で必死でしたので、普通はやらない、面談をやりました。赤坂見附のスターバックスで会いました。そこで、2時間位いろいろ話して、直接教えたところ、その後の2科目は連続合格しました。
残り1科目になったのですが、次の科目は落ちてしまいました。それでまた面談をしました。2万円の教材で2回も対面で面談したわけです。まぁ、人助けと割り切りました。
そしたら、頭が真っ白になって勉強しても頭に入って来ない、と彼は言っていました。実はこの症状は割と多いです。この原因と対処法はわかっていたので、対処法を教え、さらに頭に入りやすいテキストをメインにするようにいいました。
そうしたら、その次の試験では最終合格し、USCPAの合格者になりました。実際には何か実務経験を積まないとライセンスは名乗れないようなことを言っていた気もしますが、もう10年位前のことなので忘れました。日本の会計士は会計士補を3年位やる必要があったと思いますが、同様に、米国でも、何等かの実務経験がないと名刺にUSCPAとは書けないようです。。
彼との面談で印象的だったのが、あることを教えたとき、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたことです。そこで、同じ言葉を3回繰り返して言いました。すると、ようやくわかったようでした。
自分の信念と反することは、面と向かって言っても心のフィルターが弾き返します。でも、面と向かって3回同じことを言えば何とか理解してくれることもあります。
内容は物理的には、その人の耳に届いています。しかし、その人の信念体系が邪魔をして、それを脳が拒否する場合がありえます。成功する考え方がない場合、成功者の心構えを心から納得することが難しい場合もある、ということでしょう。
これが、多くの人が自己啓発セミナーに行って、いいことを聞いてわかったような気がして家に帰っても、翌日からまた以前と同じ変わり映えのない生活をする理由です。信念体系が何ら変わってないですから。
正しい教えは何回も繰り返して取り入れ、完全に自分のものにする、つまり習慣化して初めて人は変われるのだと思います。