日経コンピュータ2024.10.03
※はブログ筆者のコメントです
特集は<レガマイ最終章 2025年の崖から落ちないために>です。レガシーマイグレーションとは汎用機で動いている基幹システムを現代技術でリニューアルする事です。経産省が示した「2025年の崖」は本当に来るのでしょうか?
【編集長セレクト】(P.06)
<富士通メインフレームの利用者数は残り320社 急ピッチでモダナイゼーションすすむ
→2025年5月時点で320社650台。2030年度末に販売終了
<「クラウドはもはやウオールドガーデンではない」オラクルのエリソン氏が強調
→閉鎖的な環境ではないのでAWS、AzureとGCPにOracle提供
<マイナ免許証が2025年3月24日に開始 住所変更手続きがワンストップに
→交付手数料は新規1550円、更新2100円だそうです
【レガマイ最終章 2025年の崖から落ちないために】(P.10)
1.富士通機は残り650 卒業生集め移行加速
2030年に販売停止する富士通製メインフレームが2024年5月末時点で350社650台残っているそうです。2035年末で保守も停止します。1年で60台以上のメインフレームをマイグレーションしないと間に合いません。富士通は人材確保のために卒業生を高待遇で採用しています。現在50名ほどが在籍し、「2~3年かけて500人体制」にする予定です。
2.JaBOLは是か非か データ移行にも注意
メインフレームの老朽化したシステムはCOBOLで作られている事が多いです。それをどうマイグレーションするか。3つの方法が考えられます。JaBOLとはCOBOL風のJavaという造語です。変換ツールで単純変換するためオブジェクト指向になっておらずJavaとCOBOL両方を知らないと読めないとのこと
(1)オープン系COBOL・・・脱COBOLしなくて大丈夫か?
(2)JaBOLへ移行・・・読めない、改修が困難
(3)ピュアJava・・・高難易度、高コスト
3.2億行に1200億円 JFEスチールの挑戦
JFEスチールは約1200億円かけて2021年からメインフレームの撤廃を進めています。8拠点を対象とし、22年に1拠点、23年に2拠点の移行が完了。24年に2拠点、25年に残り3拠点を移行する予定です。プログラムは合計2億ステップです。
4.生成AIが移行を加速 ピュアJavaへも密筋
生成AIをレガシーマイグレーションの支援に活用する動きもあります。日立や日本IBMが試行しています。
(1)COBOLプログラムから生成AIで仕様書作成
(2)それをJavaの仕様書に変換する
(3)Javaの仕様書からピュアJavaのプログラムに変換
※JFEは<JFEスチールの挑戦>という本でEA(エンタープライズ・アーキテクチュア)で基幹システムを業務改革したと発表していました。いう本が出ていました。大きな会社ですので一部拠点にメインフレームが残っていたのだと好意に解釈しておきます。
【DXに効く日本流 データマネジメントの勘所 第1回】(P.98)
<失敗プロジェクトの共通点「データ」「DX」を含む名称に注意>
アビームコンサルティングの國本修司氏の連載です。日経bpから出版された<「データ経営」を実現するIT戦略~経営管理の本質はマスターデータにある>の著者です。
困難な状況に陥ったり、進め方に行き詰ったりしているプロジェクトの名称(タイトル)には「DX」や「データマネジメント」を含むという傾向があります。その理由は2つあります。その言葉が入ると細かい事を決めなくても予算が取れる事。もう一つは「データ」や「DX」という用語が一般的過ぎてあらゆる活動が検討対象になり具体的な目標がぼやけるためです。
データマネジメントに取り組むにあたりDMBOK(データマネジメント知識体系ガイド)を参考とする事があります。DMBOKは優秀なツールであり、データマネジメントに取り組むほぼすべての企業が手に取っている文書です。ところがDMBOKをよりどころにデータ標準化ルールへと突き進んでしまうと、汎用性を追及するあまり失敗する可能性が高くなります。
データは大切ですが、汎用的な「データ」という単語に縛られず、取り組みたい方向性を具体化することが成功の秘訣です。
※面白そうな連載です。
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