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日経コンピュータ2025.01.09
日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。
2010年から全号精読して面白かった記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
※ブログから3件だけ抜粋しました。
特集は<新春IT大予測2025 政治とAI、新たな枠組みと歩む未来>です。毎年吉例の特集で良いですね。去年はAIとDXばかりでしたが今年はどうでしょうね。
【ITが危ない:私用アカウントが危ない 認証情報流出で不正アクセス】
(P.08)
<狙われるパスワードマネージャー>
従業員の私用端末がマルウエアに感染することで、企業の業務システムが不正アクセス被害にあう事件が増加しています。
業務端末で「Googleパスワードマネージャ-」などパスワードをクラウドに保存する仕掛けを使っていると、業務システムの認証情報が私用端末に同期されます。私用端末が「Infostealer」と呼ばれるマルウエアに感染すると、ローカルに同期されている認証情報が盗まれます。
Web広告を使って感染させる「マルバタイジング」でインストールさせる手口が増えています。企業は私用端末にまでセキュリティソフトのインストールを強要することは出来ませんので防ぐことが難しいです。
パスワードマネージャ-を禁止すると、簡単なパスワードを使い回す危険性が高まります。対策は5つ。
(1)業務端末での私用Googleアカウントの利用禁止
(2)多要素認証(MFA)やSSO(シングルサインオン)の設定
(3)リスクベース認証の導入
(4)業務システムへの不審アクセスの常時監視
(5)法人向けパスワードマネージャーの導入
※企業のセキュリティ対策は大変ですね。自社で守るのは限界です。中小企業はアウトソーシングするべきでしょう。
【新春IT大予測2025 政治とAI、新たな枠組みと歩む未来】(P.10)
10件の予測とコラムを書いている記者5名の予測です。技術的な話は、ほぼAIだけでした。他は政治や社会動向です。いつも通り3件だけ取り上げます。
予測02:論理的思考が争点に 論文から読み解くAIの行方
→2024年にSNSで話題になったAI関連論文ランキングから、「論理的思考(reasoning)」の能力が問われる年になります。ところが米アップルの研究者は否定的だそうです。さてどちらが優勢か
予測04:RAGの競合が台頭 生成AIの業務活用
→生成AIが社内データを参照するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の普及が本格化します。
※テラスカイが出しているmitocoAIにもRAG機能が入ってます。社内規定の検索結果を元に生成AIで回答を作成します。
予測06:デジ庁組織見直し論も デジタル行政
→①自治体システムは「標準化」から「共通化」を模索②デジ庁の役割をが「司令塔」か「開発導入」か選択の岐路に立つ
※デジ庁が内製化すべきだと思います
中田敦氏:AIエージェントは暴走する GAFA
→2025年はユーザの指示に従って「回答」だけでなく様々なタスクを「実行」するAIエージェントが盛り上がりそれの事故が多発します。
理由はAIエージェントの危険性に備える「AIアライメント」と呼ばれる取り組みが整備されていないから。
※SalesforceのAgentForceはプログラムなので問題ないですが勝手に「実行」するようになると怖いです
【ケーススタディー:丸紅】(P.60)
<国産ERPで基幹系を刷新へ 脱SAPにより4割のコスト削減>
丸紅は1999年にSAP R/3を導入し、2020年にSAP ERP(ECC6.0)へと移行しました。標準サポートが2025年に終了する「2025年問題」(実際には延長され2030年まで保守延長可能)のためSAP S/4 HANAへの刷新を検討しました。
ところが5500本ものアドオンがあり、移行には「とてつもない費用」がかかるため経営陣からアドオン全廃の通達あり。そこで国産パッケージ2社に絞り込み、簡単なフィット&ギャップを行った結果GRANDITを選定しました。2023年10月に一部事業本部で稼働を開始、残りの事業本部・関連会社には2029年までに展開予定です。
会計領域はSAP S/4 HANAを予定していますが、開発着手が2026年のため国産パッケージも検討するとのことです。
※商社なので仕方がないかも知れませんが会社全体の顧客管理などのデータ活用の視点が感じられないことが残念でした。
以上