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日経コンピュータ2024.11.28
日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して面白い記事を紹介しています。
※はブログ筆者のコメントです
特集は<生成AIを裏方として支える ベクトルデーターベースの実力>です。仕掛けはほとんど書かれていませんので理解は出来ませんが、これから重要な技術として広がっていく事はわかりました。
【IT導入補助金で不正が多数発覚 甘言に乗った企業には刑事罰も】(P.08)
中小企業のデジタル化を支援する国の「IT導入補助金」を巡って、会計監査員が大量の不正を見つけました。購入価格の半額が補助され、残り半額はユーザーが支払うという制度を悪用していたようです。
不正① 利用者負担費用の一部をベンダーが返金(実質的還元)
不正② 事実と異なる不正な申請で補助金を受給
不正③ ITツールを途中解約して補助金を返却しない
例えば実質10万円のツールを「定価100万円」で売ると、国から50万円、ユーザから50万円もらえます。ユーザに50万円返すと、ユーザは無料で導入でき、ベンダーには50万円入ります。
※定価の妥当性を会計検査院が調査するのは大変だったでしょう
【生成AIを裏方として支える ベクトルデーターベースの実力】(P.10)
1.ミスミがベクトル検索 ECサイトの検索改善
ミスミグループのECサイトでキーワード検索からベクトル検索に変える事によって検索が効率的になりました。
キーワードを入力してもらえれば、キーワード検索でもヒットしますが、「コードをまとめる」など意味での検索は出来ませんでした。ベクトルデーターベースはchatGPTなどの生成AIが使っている方式です。
ミスミは検索モデルを内製化して実現しました。
2.ユースケースは多様 組み込まれて身近に
ベクトルデータベースは、単語や文章といった情報をベクトル化して蓄積します。ベクトル化とは、人間の言語感覚に近い「意味」や「文脈」を数値化することです。検索データの意味や文脈「理解」して、類似性の高い情報を取り出します。
類似性を計算する方法には何種類かありますが、一般的に用いるのは「コサイン類似度」です。2つのベクトル間のコサイン角度(Cosθ)を計算し、角度が小さいほど似ていると判断します。ベクトル化には言語モデルを使用します。フリーで使える公開済みモデルがあります。ただし専門的な知識が必要な場合は、独自のデータを用意してモデルを作る必要があります。
3.自社にはどれが最適化 ベクトルサービス続々
大手クラウド事業者が続々とベクトルデータベース関連サービスを投入しています。主要な物のみ
<既存のDBサービスに機能を組み込んで提供>
独SAP:SAP HANA Cloud
AWS:Aurora,RDS,MemoryDB,DocumentDB
Oracle:Oracle Database 23ai
グーグル:Cloud SQL、AlloyDB、Cloud Spanner
セールスフォース:Salesforce Data Cloud
マイクロソフト:Cosmos DB、Azure Database
<検索サービスとして提供>
AWS:OpenSearch Service
グーグル:Vertex AI Vector Search
マイクロソフト:Azure AI Search
<単体のベクトルDBサービスとして提供>
米パインコーン:Pinecone
※AIがベクトル計算の塊なのでGPUが最適なのだとわかります。
【ケーススタディー:イトーキ】(P.62)
<受発注基幹システムをERPに移行 「ビジネス変革」の意識が成功の鍵>
約20年前にCOBOLでスクラッチ開発した「受発注基幹システム」が老朽化しERPパッケージで刷新するプロジェクトを始めました。
2018年:プロジェクト開始。SAP S/4 HANA Cloudを選定
→アドオンを抑えきれず開発
→プロジェクト終盤にシステム間の整合が取れず破綻
2021年9月:断念を決定
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2021年9月:日本オラクルの副社長湊氏を社長に就任
→Oracle ERP(Fusion Cloud Applications)をで再開始
①プロセスオーナーの配置
→11の業務プロセスごとにプロセスオーナーを配置
②100%を目指さない
→最小限の機能提供でリリースを目指す
③全社員へ改革意識を浸透
→広範に説明会を実施
2023年4月:経営管理システム(EPM)導入完了
2024年1月:財務管理システム(FIN)導入完了
SCMは「まもなく」リリースする予定です。
※HANAとOracleERPがどう違ったのかヒヤリングしたいです。コンサルが入ってOracleERPも相当苦労されていたようです。
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