ニンニク野郎

昨日の朝から下痢をしていて、今朝から絶食をしている。食欲もないから、おそらく胃腸炎だろう。現在、正午過ぎ。ポッドキャスト「人間生活」の収録に向かうために、渋谷へ向かう電車に乗っている。

電車はやや混んでいる。隣の人との接触は避けられるが、座席前の吊り革は概ね埋まっている、くらいの混み具合だ。一応受験生ということもあり、感染症予防のために、移動中はマスクをしている。にもかかわらず、だ。ニンニクの匂いが漂ってくる。俺の目の前に座っている青年の香水の匂いと共に、ニンニクがどこからともなく、俺の鼻へと到来している。

当然のことながら食欲が増進されることはなく、むしろ微かに便意を催している。

と、書いているうちに座席が空いて着席。ニンニクを大量に食べてきた誰かを一瞬恨みそうになったが、しかし何も食べられない今だからこそ、食べ物の匂いを堪能できるのは感謝すべきことではないだろうか。推しとアンチだけが愛憎の表現になっている現在、このニンニク野郎への一対一の愛憎は、誇ってもいいほどの感情だ。

実は2段落前の執筆時にはすでにニンニクの匂いは消え失せいてたのだが、書き始めてしまった以上、最後までニンニクの話をすることにした。ところで、少しお腹が空いてきたかもしれない。お粥でも食べられるといいのだけれど。

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