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日記(2022/09/06-07)
月曜日。ポール・シュレイダー『アメリカン・ジゴロ』見る。大して面白くないと言えばそうなのだが、大して面白くないわりには結構おもしろい!117分もあって長いが、その弛緩のなかに緊張もまた持続しているような感じがあってかなり不思議な。「これ一体何の映画なん?」みたいな気持ちが続く、それが映画の推進力になっている。犯罪サスペンスでありながら最後に訪れる愛と救済の急展開に最も印象を残すロベール・ブレッソンの『スリ』を思わせるのは言うまでもない。
火曜日。ロベール・ブレッソン『スリ』再見。音のデザインが凄い。スリ実行シーンのサウンドの消され具合が異常。もはや馬鹿馬鹿しさスレスレになるくらいまで削る。人物の動きも同様に滑稽ギリギリになるくらい不自然なのだが、それによって圧倒的に鮮やかなスリの手さばきだけが強調される。列車内の連続スリ場面の興奮が特にヤバい。あと、2年経過を示すときの淡白さもエグくないか?古井由吉が『仮往生伝試文』の中で古典文学の時間経過のあっさり具合について言及してたけど、まさしくそれにあたる。