日記(2022/05/29)

朝、早稲田松竹へ。『ダーティハリー』35mmフィルム上映。見るのは3、4回目。隣席の中年男性が事あるごとに「ふふ」と鼻の息だけで笑う。映画館でよく聞く笑い。イーストウッドが放つ皮肉まじりの台詞にいちいち応じている。分かりやすい笑い所の一つ一つに鉛筆でチェック(︎︎︎︎☑︎)を付けていくような。映画ファンの律儀な笑いというか。決して発作的ではない予定調和の笑い。

今日も『失われた時を求めて』岩波文庫5巻。2段階の比喩?始め読んだときはよく分からなかった。

サン=ルーは、べつのときなら回避できると思えた別れのありとあらゆる苦痛をひとつ残らず前もって味わっていた。たとえていえば国外追放に備えて身辺を整理する人たちの想いが、追放が実施されず明日はどんな状況に身を置くのかが判然としないせいで、一時的にわが身から遊離して立ち騒ぐのにも似て、病人から摘出された心臓が、身体のほかの部分から切り離されても相変わらず鼓動しているようなものだ。(p.266)

プルースト『失われた時を求めて』岩波文庫5巻

ある印象を鮮明にするべく使用する比喩、の印象をさらに補強するべく使用する比喩。比喩の比喩。

久々に家系ラーメン食べて喉カラカラになり帰る。高田馬場芳林堂書店で『失われた時を求めて』7巻、ブックオフで岩波現代文庫『日記をつける』、保坂和志『いつまでも考える、ひたすら考える』買う。帰宅後『日記をつける』読み終わる。ジョナサン・デミによるニール・ヤングのライブ映画『ハート・オブ・ゴールド』見始める。歌詞に字幕なくて残念。20分ほど見て寝落ち。家で1人で映画見るときの集中力が最近本当にない。どうしたもんかプルーストしか読めない。

(今日は終わり)



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