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【音楽雑記】#80 Ivan Lins "Anjo De Mim" (1995年②)
今回はブラジル出身のMPBレジェンド、イヴァン・リンスが1995年にリリースしたアルバム「Anjo De Mim」(英訳すると”Angel of Me”)。
1990年頃に「Love Dance」でイヴァン・リンスを知って以降、過去に遡ってアルバムを買い漁っていたが、このアルバムは初めてリアルタイムで聴いたニューアルバムだった。
イヴァン・リンスは80年代後半にアメリカ進出し、AOR色の強い英語アルバムもリリースしたが、このアルバムではブラジル音楽に回帰、全編ポルトガル語の作品になっている。
楽曲は過剰なまでにセンチメンタル。この時のイヴァン・リンスは50歳。円熟の極致にたどり着き、もはや迷いがなく、メロディ・メイカーとしての才能を存分に発揮して、豊潤なメロディを繰り出している。
各楽曲の質は高く、繊細で美しい。今に至るイヴァン・リンスのロマンティック路線の芸風を確立した作品だと思う。
Anjo De Mim
アルバムタイトル曲。あなたを愛してます、あなたは私のすべて、、みたいなベタなラブソングな歌詞。曲調はノスタルジックでドリーミングだ。
メロディはシンプルに聞こえるがジャジーなテンションコードやさりげない転調などで隙がない。ポルトガル語による情感あふれる歌声も独特。
Lembra de Mim
直訳するとRemember Me(忘れないで)という別れの曲。
アルバムを代表する曲で他アーティストのよるカバーやコラボで多く取り上げられているスタンダードな名曲。
1995年にすでに円熟していたイヴァン・リンスだが、もうすぐ80歳。2023年には新作「My Heart Speaks」をリリース、今も濃密なイヴァン節は健在だ。