【音楽雑記】#78 キャスターCMの名曲「雨に微笑みを」とイギリス音楽の影響(1994年④)
80年代から90年代にかけて、いろんな銘柄のタバコのテレビCMが頻繁に放送されていた。そこで使われるオシャレな洋楽は多くの人の記憶に残っていると思う。
特にパーラメントのCMではニューヨークの夜景など都会的な映像とともにボビー・コールドウェル、レイ・ケネディ、ナタリー・コール、、などAORナンバーが取り上げられた。
「雨に微笑みを(Laughter In The Rain)」ニール・セダカ
そんな中、1994年のキャスターマイルドのCM曲として取り上げられたのが、ニール・セダカの1974年の作品「雨に微笑みを(Laughter In The Rain)」だった。
当時の認識としてニール・セダカというのは、1950〜60年代にロカビリーなど素朴なオールディーズの曲を歌っていた人だと思っていた。「おお! キャロル」「恋の片道切符」「すてきな16才」「悲しき慕情」とか。
「雨に微笑みを」は洗練されたポップスだったので、ニール・セダカというイメージと結びつかなかった。高音で繊細の声もとても魅力的だった。
印象的なイントロから始まり、ちょっと素朴なAメロ。そして間髪いれずに転調してキャッチーなサビに突入する。
美しいコーラスとストリングス、後半にはサクソフォンも加わってサビを盛り上げる。
多くのアーティストがカバーしている名曲だが、やっぱり本家が一番だ。
列車が登場するCMがとても印象的だった。オーストラリア大陸横断鉄道「インディアン•パシフィック号」というらしい。
Wikiなどによれば、ニール・セダカは1960年代にビートルズを代表とするイギリス勢の侵略によって低迷期を迎えていたが、1970年に入ってこの曲で復活したらしい。
だから少なからずイギリス音楽の影響を受けつつ、アメリカの素朴なカントリー風味もある曲に仕上がっているのかもしれない。
「秋風の恋(I'd Really Love To See You Tonight)」
こちらは「雨に微笑みを」に年代とテイストが似ていて好きな胸キュンソング。
イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーによる1976年の作品。
アメリカ、テキサス州の出身だが、やはりイギリス音楽の影響を大きく受けている。
「雨に微笑みを」と同様、素朴なAメロから始まって、間髪いれずにキャッチーなサビに突入する。
美しいコーラスとストリングス、後半にはエレキギターのオブリガードがサビを盛り上げる。
こちらも見かけによらず高音で繊細な歌声が心地良い。
「On And On」スティーヴン・ビショップ
こちらもイギリスっぽいアメリカの良質な胸キュンポップス。
カリフォルニア州サンディエゴ出身。ビートルズに影響を受けて音楽活動をはじめたらしい。
カントリー風味もある素朴なメロディが心地良い1977年の名曲。