茶の道の始まり
第一章 茶の歴史
1、中国茶 お茶の発祥地は中国雲南の地であると一般的に言われています。チャノキという学名の茶樹の葉で作った、 人類の最古の飲料水がお茶になります。現在でも雲南には多くの樹齢古い茶樹が生息しています。お湯で淹 れる、お湯で煮出すなどの方法がお茶とも広範囲の意味のお茶も呼ばれます。人類がチャノキを飲料として いる歴史は資料などから、約 5000 年以上前からと推測されます。
1)紀元前 2737 年、(中国・出典 神農本草綱目)「神農嚐百草,日遇七十二毒,得荼而解之」神農とは、伝 説の時代、三皇五帝の 1 人です。農業や生薬の発展をさせた人物です。《易経》では,農具を発明し,交易 の道を教えた聖王とされます。後さまざまな説話が付加され,医薬の神,鍛冶の神,商業の神,易の神とし て,各種の職業人にあがめられています。 神農は本草学の始祖で、今日の漢方薬の基礎を築いたとされる神農帝が山野を駆け巡り、人間に適する野草 や樹木の葉などの良否をテストするため、1日に 72 もの毒にあたり、そのたびに茶の葉を用いて解毒した という話です。お茶は古代に置いてもともと薬、解毒剤として用いられていました。「お茶を一服」という 言葉はこれに由来すると言われています。
・紀元前 59 年:王褒の『僮約』(契約書の意)に飲料として茶が用いられるという一文があります。 「武陽買荼(武陽で茶を買う)」で、『荼』の字が見られます。 その他に、紀元前1世紀頃に書かれた医学書『神農本草記』にも記述が残されています。
2)三国時代(220~280 年)以降、お茶は次第に嗜好品として、主に上流階級の人々に愛飲されるようにな りました。 南北朝時代には、南朝で『茶菓』(茶と木の実)という言葉が現れ、客人を、酒食でなく茶菓でもてなして いたといわれています。
唐代(618 年~907 年)になると、お茶を飲む習慣が中国全土へと広がりました。 この頃のお茶は、茶葉を粉々にし、小さく固めて乾燥させた固形茶が主流で、『餅茶』と呼ばれていまし た。
西暦 760 年頃:文筆家・陸羽が「茶経」を著す(中国・唐時代) 茶聖といわれる【陸羽】が書いた『茶経』により、お茶の製法・飲み方などが明確化されました。 この書物は、中国だけではなく、世界各国の製茶業界にも多大な影響を与えたといわれ、お茶のバイブル的 存在とされています。
3)宋代(960 年~1279 年)には、市民階級が台頭してきたことで、お茶の飲み方や茶器にも新しい工夫や 変化が見られるようになり、抹茶のような飲み方も登場しています。
元代(1206 年~1368 年)には、北方の遊牧民であるモンゴル族が開いた王朝で、移動に便利な固形茶(緊 圧茶)が発達しました。
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