インドの創業90年の老舗Barの話し。
2022年7月。
インドのゴアへ赴いた。
それはカシューアップルやココナッツ原料で
作られるゴア州の地酒であるフェニの造り方を学ぶ為だ。(前回の記事)
フェニの生い立ちは貧しい労働者階級の為の蒸留酒。それは今でもそうである。
ゴアの中心地からちょっと外れた繁華街
労働者階級が集まり暮らす場所。
そこにはポルトガル植民地時代から続き今でも
労働者の喉を潤し続けるフェニ専門Barが存在する。
店主はこのBarの三代目。
齢71にて既にバーテンダー歴60年。
そう、
11歳の時からこのBarで働き続けている。
カクテルは
【インド式氷無しフェニハイボール】
のみ。潔い。
そう、さながら日本のサンボア式氷無しハイボールなのだ。
カクテルはハイボールなのだが
ここではオプションが二つある。
無糖のソーダと日本でいうところのサイダー、もしくはレモネードのようなインド式炭酸飲料どちらかを選ぶ事ができる。
後者を選択するのがゴア州では定番だ。
氷無しのフェニハイボールの値段は
一杯25円前後。
細かい値段は決まっていない。
値段の決め方がとてもユニークだ。
ここのBarは労働者階級が集うゴアの貧しい地区。
カクテルの値段はお客様が持ってきたルピー(通貨)で決める。
なので安く出せば粗悪なフェニが出てくるし
高く出せばクオリティの高いフェニを出す。
とどのつまりそれはお金をあまり持っていない貧しい人でも値段で相応に対応してくれる。
故に90年間このBarは地域の人々に愛され支えられ今も存続している。
そう、90年間。
BenFiddichは創業まだ9年間。
90年間存続するという事は必要とされているから。Barの本望。
僕らがこのBarに滞在中に何人かの仕事終わりのインド人がペットボトルにフェニを入れてもらいテイクアウトをしていた。
このBarが90年間続くという事。
90年間存続するのは理由がある。
それは人々に必要とされているから。
BenFiddichもそうでありたい。
老舗Barは日本もインドも国は違えど風格は同格。勉強になりました。
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