アルメニアのBar事情
【Yerevan cocktail week】という
アルメニアの首都エレバンで行われたカクテルイベントに呼ばれて行ってきました。
アルメニアは人口は300万人と小さな国ながら
国外に離散したアルメニア人は800万人と
自国内より国外が人口上回る特殊な国。
そのアルメニアでのBar文化を盛り上げようという中心人物の人間がいて首都エレバンの街をあげて【Yerevan cocktail week】というイベントを立ち上げた。
そして海外からたくさんの酒類業界者ゲストスピーカーを呼び、はたまた加盟店のBarでお客様が巡回するようにカクテルチケットを配布したりと寄り身近に感じてもらえるように様々工夫を凝らしてる。
はたまた酒類研究家の講義ではメスカルの蒸留スタイルはスペインが持ち込んだ文化とは違う『中国式スタイル』であるからスペイン到達前にベーリング海峡を渡ってきたアジア人が蒸留文化を持ってきたんだよみたいな素敵でロマンチック溢れる話しがあったりなど。
因みに鹿山もゲストバーテンダーでカクテル作りまくったりBenFiddichセミナーをした。
実はここ2年くらいで
アルメニアではBar文化が盛り上がってる。
それはアルメニアだけではなくてその周辺国、ジョージアやアゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタンなど旧ソ連を構成していた国々も同様で盛り上がってるそう。
そのきっかけを作ってるのが
モスクワにいたバーテンダー達だ。
聞いたとこによると
ウクライナ.ロシア戦争でモスクワやサンクトペテルブルクで活躍してた力のあるロシア人バーテンダーがたくさん周辺国外に出た事。
さながら禁酒法時代にアメリカのバーテンダーがヨーロッパに職を求めて流出し1920年代ヨーロッパでカクテル文化が隆盛したように。
まだ続いてる戦争において
ロシア人バーテンダーのディアスポラ(離散)的なタイミングが新しいカクテル文化を周辺国に作ってるんだなぁと思うと感慨深い。
セミナーでもたくさんのロシア人の酒類メーカーやバーテンダーが講義を行っていて楽しかった。
特にロシア版アマーロ(苦味薬草酒)であるバルザムについての現在のロシアの立ち位置などの話が聞けて興味深かった。
彼らに気軽に『日本へおいでよ‼︎』って言ったら『いま俺ら日本行けんわ‼︎』って即答。
そうだよね。
彼らが言ったのは
いつか落ち着いたら日本へ遊びに『行きたい』って言ってくれて嬉しかった。
また逢いましょう
BenFiddich 店主
鹿山博康