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ポーランドにあったシンガポール.スリング.カクテル


BenFiddich店主の鹿山です。

シンガポール発祥のシンガポールスリングという歴史あるカクテルがある。名の通りシンガポールで生まれたカクテルであり1915年ラッフルズ・ホテルのロングバーのチーフバーテンダーであったニャントンブーンさんが考案したカクテル。

当時は女性でも飲みやすいようにとパイナップルなどを使いグレナデンシロップを用いて色鮮やかにしたジンカクテル。このカクテルが現代に至っても受け継がれているのはやはり伝統と歴史あるラッフルズホテルの格式だろう。

昔のラッフルズホテル
今のラッフルズホテル
そしてこれがラッフルズホテルのロングバーで作られるシンガポールスリング。

レシピは以下の通り

ドライ・ジン 30ml
チェリー・ブランデー 15ml
ベネディクティン 7.5ml
ホワイト・キュラソー 7.5ml
レモン・ジュース/ライム・ジュース 15ml
パイナップルジュース 120ml
グレナデン・シロップ 10ml
アンゴスチュラ・ビターズ 1dash

味わいはトロピカルであり複雑味のあるカクテルである。ここは今でも殻付きピーナッツの殻を床に捨てて良い伝統のスタイルを保持している。
殻付きピーナッツを床に捨てるのは、19世紀、20世紀初頭のアメリカのバーなどで行われていた古の習慣でお酒のお供として提供されたピーナッツの殻を床にばらまき、踏むことで、殻に含まれる油でフローリングをワックスがけと同じ状態にすることができるという先人の知恵。

ここ数年で改装してモダンになったロングバー
床にはピーナッツの殻が散らばっている


そんなラッフルズホテル。
知らなかったなぁ、
実は世界展開をしていたのを。
トルコ、モルディブ、深圳、海南島、ジャカルタ、パリ、ロンドン、カンボジア、ドバイ、アブダビ、そしてワルシャワ。

そう、先日ポーランドへ赴いた時に歩いていたら偶然見つけたポーランド.ワルシャワのラッフルズホテル。

ポーランドのワルシャワのラッフルズホテル。
開業は2018年と新しい

見つけてしまったら中に入らずにはいられないのでさっそく入る。

BARの名前もシンガポールと同様
『Long BAR』だ。長いバーカウンターが特徴


ここでもシンガポールスリングを頼む

シェイクして良く空気を含ませて作ってもらう
気泡が大きく含まれたフカフカの
シンガポールスリング


そしてその後カクテルメニューを見せてもらったらワルシャワ.ラッフルズホテルのシグネチャーカクテルとして
シンガポール.スリングならぬ
ワルシャワ.スリングがあるじゃないか

【材料】
ジン
林檎オルジェー(林檎コーディアルシロップ的)
ナレーウカ.ジンジャー
(※ナレーウカはポーランド流リキュールの総称)
アプリコット
ビター
アーモンド

実はこれが本当に美味しかった。

ワルシャワ.スリングの素材構成は
シンガポール.スリングと同じ配合構成であるが
パイナップルをポーランド名産の林檎に変え、その林檎の風味感を軸にポーランド産リキュールの総称であるナレーウカの生姜、アプリコットを用い寒冷な東ヨーロッパらしい素材を用いた構成でこれが本当に美味しかった。


実は2028年にラッフルズホテル東京ができるらしい。東京都港区で進行する「世界貿易センタービルディング建替えプロジェクト」でラッフルズホテルが日本初進出する。

ここ。


2028年にシンガポールスリングならぬ
東京.スリング.カクテルが考案されるのだろう。

その東京スリングカクテルの味わいを楽しみにしていたい。



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