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ウズベキスタンBAR文化発祥の地

ウズベキスタンに行ってきた。
ウズベキスタンというとプロフだ。
(ビリヤニの兄貴分)


イスラム教徒の国だしBARなんかあるのか?って日本から見ると思ってしまうがしっかりあるんです。
今回のウズベキスタンの渡航の理由は
ウズベキスタンのバーテンダーからの依頼で
『日本のBAR文化』と『BenFiddichの哲学』について話して欲しいと。
変わらず日本のアニメ文化は世界中で大人気であって例に漏れずウズベキスタンでも人気だ。
その中で城アラキ先生の漫画『バーテンダー』もウズベキスタンで知られていて日本的価値観のBAR文化も広く認識されている。

招待を受けてゲストバーテンダーとセミナーをこなしてきました。
セミナーにて。
通訳が来ないというハプニングがあり急遽
英語で僕が喋り英語が分かるウズベキスタンのバーテンダーがロシア語でみんなに話すという事に。そう、ウズベキスタンの人は日本以上に英語が苦手。


そしてセミナー後はそのままZevon Barという
BARでゲストバーテンダー

作ったカクテル達




ウズベキスタン滞在は3日間。
首都のタシュケントで毎日様々なカクテルBARへ連れてってもらった。
そこで彼らの中でいつも口々に話題に出るBARがあった。

それが
ウズベキスタンのカクテルBAR文化発祥の地。
【The BAR speakeasy】

看板はない



聞くところによると2016年以前はカクテルを飲むというBAR文化がウズベキスタンにはなかった。せいぜいホテルバーくらいでウォッカ、ブランデー、ウィスキーをオンザロックで飲むくらい。


それが2016年にオープンしたとあるスポーツバーで始まった。当時働いてた若いバーテンダー達が自然偶発的にカクテルに目覚め、オーナーに懇願し改名してカクテルバーへ。彼らは独学で動画やインターネットなどを駆使して情報を集め少しずつお客様にもカクテル文化というものを啓蒙していったそう。

ウズベキスタンには珍しい小箱でカウンター中心のBAR。そしてメニューがないスタイル。


2024年現在。開業して8年。
このBARを経由し経験を積んだたくさんのバーテンダーがウズベキスタンの首都タシケントで独立し散らばっている。

カウンター席が15席ほどある。


そして彼らはこのウズベキスタンでのBAR文化発祥の地【The BAR speak easy】を大切な場所として位置付けている。

カウンターの中央に『2016』の文字は『僕らウズベキスタン人がバーテンダーとカクテルに目覚めた年』と忘れないように刻んでいるらしい。
素敵だ。


今回僕がゲストバーテンダーをしたZevon Barというバーの店長もここのBar出身。
皆がここで最初に学んで羽ばたいているらしい。

ただ、面白いのは【The BAR speak easy】にはオーナーバーテンダーである店主はいない。
オーナーはただの金持ちの出資者である。
歴代の卒業生のバーテンダー達がここのバーテンダーの面倒を見ているのである。
だからここのバーテンダーは歴代の卒業生達に優しく見守られている。一つの家族のように。

【The BAR speak easy】出身のバーテンダー達。みんな仲が良い。


BAR文化がなかったところにBAR文化ができる。その黎明期の時に中心にいた人達をネパールや今回のウズベキスタンで見たけれどみんなとても楽しそうだ。大きな可能性に満ちているし、みんなで力を合わせているし志が大きい。


今回良いものが見れた。
ウズベキスタンのBAR文化発祥の地。
さながら日本でいうところの戦後に日本のBAR文化に多大な影響を与えた東京會舘の系譜を感じずにはいられない。

そう、数十年後のウズベキスタンの【The BAR speak easy】は東京會舘のような系譜が生まれそして伝説的なBARになったら素晴らしいんじゃないかって。
10年後あたりにもう一度訪れてみたい。
きっとそこからさらにたくさんの卒業生が生まれ、その卒業生のBARからもさらに枝のように卒業生が生まれ派生する。
【The BAR speak easy】が大きな幹になるのを楽しみにしています。







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