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アラフォーで20年住んだ英語圏を出て、仏語圏でカナダに根付こうとしている私③:独りと"My Bucket List"

前回は、フランス語圏に移ることになったきっかけの1つを書きました。

今回は、フランス語圏に住むことになった
もう一つのきっかけを振り返ってみます。

2)My Bucket List をやりたくなった

"A bucket list" とは、英語で
「人生のうちに、やっておきたいことリスト」という意味です。

そんなことを考えることになったのは、2年ほど前。

2022年、身近な方が何人も亡くなり、
また、12年付き合って同棲もしていたパートナーと別れることになって
改めて、自分の身の振り方というのを考えるきっかけが訪れました。

12年ぶりに独り。
同棲の解消手続き。
独り暮らしのための家探し。

当時、私は
「人生をより充実させて、幸せを選ぶ生き方をしたい」
と強く思うようになっていて、
自分の中にある願いや可能性を実現させる生き方を
実践するようになっていきました。

その中で、独りになったことで
「改めて、人生を自分の力で切り拓いてみたい」
と思うようになりました。

そのために、大きな目標となったのは
「経済的自立と社会的自立」でした。
自分の稼ぎで暮らしていける自信、
誰かに頼らなくても、社会で生きていける自信というのを
改めて、身に着けたいと思いました。

カナダ現地の大学も卒業して
英語力も、仕事のスキルも
頑張ればキャリアウーマンになれるくらいにはあるのに
なぜかいつも自信がなくて、
求人の募集要項で、自分が確実に受かるようなところしか
応募してこなかった私。

そんな自分に、本当の自分は満足していなかった。
だって、心のどこかでやっぱり満たされない。
「本当の自分を生きていない」感覚。
それは、仕事だけじゃなくて、人間関係も同じだった。

そんな自分を辞めて
自分の可能性に挑戦する生き方を始めたのが
この年だったように思う。

とにもかくにも、まずはパートナーから離れて
独り暮らしする物件を探し始めたものの
トロントはどこも家賃高騰で
希望通りの物件がなかなか見つからない。

ふと、「他の州・都市もそんなに家賃高いのかなー」と
不動産サイトを見漁っていたら
モントリオールの家賃がとても安かったのです。

そこで、ひらめいたこと。
「そうだ、私はずっとワーホリをしたいと思っていた。
 モントリオールはフランス語圏。
 家賃も安いし、フランス語も学べるし、
 同じカナダ国内にいながら
 異文化圏で働きながら、暮らす体験もできる!」
(*私はワーホリ経験が一切ない)

そんな発想に至ったのが、2023年の1月。
同年4月には、内見に行って、引っ越し先が決まり
その年の6月にフランス語圏に引っ越してきました。

引っ越した当初は、精神的にやはり辛かった。
久しぶりの独り暮らし。
拙いフランス語でのままならぬ生活。

そして何よりも辛かったのは
20年住んで「ホーム」だとすっかり思い込んでいたカナダで
もう一度、「外国人」扱いを受けたこと。

私のことを知らない人には
見た目がアジア人で、フランス語も流暢に話せないから
「新しくカナダに来た人」と映ったのだろう。
また、私の方にも
「ケベックでは、フランス語を話せなければ、
 アジア人は馬鹿にされる」
という思い込みがあったことも、ことに拍車をかけていたと思う。

自分は「アジア系カナダ人だ」というアイデンティティで
そういった認識でトロントでは暮らしていたのに
ケベックに来た途端、私は「日本人」にしかなれなくなった。

それはまた、
私がずっと心のどこかで抱いてきた
「日本人という自分が嫌だ」
という気持ちに向き合わされるきっかけになったようにも思う。

今は、自分という人間を、アイデンティティを
また再度、構築し直す作業をしている。

日本が嫌いで日本を出て、
カナダが大好きになってカナダ人になろうとして
更にもっとカナダ人になろうとして来たケベックで
「お前は日本人だ」という事実を突きつけられ
半生かけて、戻ってきた自分のルーツ。

想像もしていなかった未来。
それを生きている自分。

これから先も、
今、想像もしていないような人生を
生きているのかもしれない。

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