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走らなかった過去から、走りたい今へ

幼い頃から、出来ないからやらないと決めた事が3つあります。
1つめは折り紙。何度も折り方を教えてもらうのに、全然理解できず、イライラしてばかり。今だに鶴を折れません。2つめの逆上がりも同じで、自力で出来たことがないです。
そして3つめマラソン。小学生のマラソン大会では堂々と歩いて、当たり前のようにビリ。
球技は得意でしたが、苦手なことにはとことん前向きになれない子どもだったんです。今もですがw


そんな私が38歳になり、マラソンに挑戦することを決意しました。きっかけは、キックボクシング仲間の「40代最後の思い出にマラソン大会に出たい!」という一言。私は即座に賛同し、店長が監督としてみんなを引っ張ってくれる事になりました。


実は、それ以前からマラソンには少し興味があったんです。数年前、老人ホームで働いていた時に「ラン友」という認知症予防プロジェクトのマラソン大会で同僚が数名出ているのを見て、なんとなく気になっていたのを覚えています。


実際、私には体力的な課題もありました。数年前にタバコをやめた直後、なんと10kgも太ってしまったんです。慌ててダイエットを始め、近所の公園をウォーキングするようになりました。
でも、走ろうとしてもわずか3分で息が切れ、続ける気力が湧きませんでした。それでも10kgの減量には成功しましたが、リバウンドしてしまい現在は12kg増…。体重だけでなく、呼吸器にも不安があります。10代の頃に喘息の発作を経験し、その後は出ていないものの、風邪をひくとすぐに気管支炎になったり、インフルエンザから肺炎になったこともありました。
「無理して走って、また苦しくなったらどうしよう?」そんな不安が、どこかで私を止めていました。


早速、苦手なランニングの練習を始めましたが…相変わらず息が上がってすぐに歩いてしまう始末。「こんなんで本当に10kmも走れるの?」という不安が頭をよぎります。さらに、もし大会中に喘息の発作が出たら仲間に迷惑をかけてしまうかもしれない…。不安は募るばかりでした。
そんな時、監督にランニング時の正しい呼吸法を教えて頂きました。そして教えて頂いた記事に、こう書かれていたんです。


「実は走り始めの5分はみんな辛い!」
「どんなランナーでも最初の5分は体が思うように動かず辛いものです。特に初心者はペースを飛ばしがちですが、話せるくらいの速さで走れば疲労も溜まりにくくなります。また、最初の5分を乗り越えれば体が酸素不足を解消し、自然と走りやすくなるのです。」


この言葉にとても励まされ、「よし!次の練習では絶対に5分走り切る!」と心に決めました。3回目の練習の日、私は覚悟を決めました。「発作が出てもいいから、いつもの壁を越えよう!」と。息が切れて歩きたくなるタイミングで歯を食いしばり、がむしゃらに走りました。
その時、頭に浮かんだのは大会当日。仲間たちと一緒にゴールし、美味しいビールを飲んでいる自分たちの姿でした。そう想像しながら走り続けるうちに、驚くことが起こりました。
呼吸が楽になり、むしろ気持ちがいいくらい。なんなら止まりたくない!そう感じた瞬間、私は生まれて初めて“ランナーズハイ”を経験したのです。

実は練習を始めた矢先、生理がきました。私はPMSがひどく、毎日低用量ピルを飲んでいます。生理中は寝込みたいくらいの辛さがあるのですが、気づけば痛み止めを飲んで走っていました。
嫌な事があったら今まではお酒に逃げていたけど、迷わず走る事を選んでいました。
「こんな自分がいるなんて…」と驚きました。苦手を克服しようとする自分の意思、そして仲間がいる心強さ。この2つが、私をここまで動かしているんだと実感しました。


今回、私が過去と違うのは、自分の意思で「走りたい」、「マラソンに出たい」と思えたことです。そして、その気持ちを共有できる仲間がいること。やらされるのではなく、自分の意思で決めた挑戦が、こんなに前向きな気持ちを生むなんて驚きです。
キックジムの仲間たちには感謝しかありません。同じゴールを目指す仲間がいるだけで、ここまで心が軽くなるなんて思いませんでした。

そして、私にはもうひとつ目標があります。それは、太りすぎたこの身体を絞り、パートナーに「痩せた自分」を見せること。パートナーへの想いは私の中の大きなモチベーションです。

大会まであと78日。みんなで完走するために、そして自分自身を変えるために。私は全力で走ります。そして、目標を叶えた先で、自分を誇れるようになりたいと思っています!

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