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私の推し会社は、米大統領を訴えてしまうほど尖ってる。
生き残りをかけて構造改革
私は子どもの頃、日本製鉄の工場群近くに住んでいたことがあり、大人になって株を買う際、最初に購入したのが馴染みのあった日本製鉄の株でした。
株主でもあったことから、長い間、日本製鉄の取り組みを見守り続けてきましたが、振り返れば、過去に日本製鉄の業績が大赤字であった時期がありました。中国メーカーで鉄鋼が過剰に生産され安価で世界中に供給されたため価格の値崩れが起きてしまったからです。
「鉄は水よりも安い。」と言われるほど鉄鋼価格が下落する中、日本製鉄は、安価でも良質な鉄づくりに努め、経営統合や合理化によるコストカットを積極的に進めてきました。
そのような甲斐があって、ようやく利益を出せる体質になってきた…と株主として安心したのも束の間、約1年前に日本製鉄による米国USスチールの買収話が持ち上がったのでした。
大統領が買収禁止命令を日本製鉄に下す
日本製鉄がUSスチールの買収を進める理由は、国内では鉄鋼需要が頭打ちであり、収益源を海外に求める必要に迫られたからです。
米国市場は世界を牽引しており、今後も安定した鉄鋼需要が見込めることから、日本製鉄はどうしても買収を成功させたかったのでしょう。2兆円という破格の金額で買収案を提示したのでした。これにはUSスチール側も大歓迎で株主総会で買収に同意し、残るはCFIUS(米国政府の対米外国投資委員会)の審査だけとなりました。
これまで日本企業が審査に失格したことはなかったのですが、ここにきて大問題が発生しました。バイデン米大統領が『安全上の懸念』として日本製鉄に買収禁止命令を出したのです。
日本製鉄とUSスチールの代表が米大統領を提訴
米大統領が買収禁止命令を出した理由は、実際にはピッツバーグ州の鉄鋼労働組合の投票田を背景とした政治的事情があるようで、資本的合理性を無視したものであります。とは言え、世界で一番権力を持つ米大統領の発言なので流石に仕方がないと私は思いました。マスコミ報道でさえ、買収時期が悪かった。日本製鉄の働きかけが拙かった等、クロージングの言葉で締めくくられようとしていました。
そのような中でなんという事でしょうか。USスチールの代表と日本製鉄の会長が怒りのコメントを発信し、同日、大統領を提訴したのです。
「買収を諦める理由も必要もない」という日本製鉄会長のコメントがとても印象的ですが、日本製鉄の主張に少しずつ風向きの変化を感じています。
米国民も、日本政府も、諸外国も日本製鉄を支持
私が日本製鉄を推す理由は、日本製鉄会長の発言により、時価総額が日本で60位程度の企業名が世界中に響き渡ったことです。
もともと日本人は諸外国と比べ意見を述べるのが苦手と言われており、私自身も人の顔色を窺いながら仕事をするタイプの人間です。
ですから日本製鉄のコメントを聞いたときの私は、無駄なことをすべきでないと思ったのですが、驚いたことに徐々に米国人に日本製鉄の主張が支持され始めており、日本政府高官からは「日本製鉄の為に出来る事を早急に行いたい」と最大限の援助の言葉。他の日本企業も日本製鉄を支持するコメントを発信しており、国中が正しい事を応援したいという熱気さえ感じられました。
さらに東南アジアの新興国からも、米国と日本の関係でさえ安全懸念があるのであれば、私たちは米国に投資できないとの発言もありました。
世界中から日本製鉄を支持する言葉が聞こえてくるようになりました。
奇跡は起きるか判らないが応援したい
現在、連邦控訴裁判所で審査の準備を進めていますが、日本製鉄が裁判で勝訴することは現実的に非常に難しいと言われています。勝訴すれば奇跡でしょう。
ですが私は思います。日本製鉄なりの正義を、世界で正々堂々と主張することで、もしかしたら日本企業への偏見や不信を払しょくする事になり、世界で尊敬される国や企業へと繋がっていく未来もあるのではないだろうか。そのような期待を日本製鉄にしています。