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国境の内外から「聞いてねえ」と驚かれる

今朝のラジオ番組あたりから13時の昼のニュースにかけて、ずるずると散発的に明らかになって来たのが、

本日午後2時から、家族の訪問と喫緊の買い物なら、国境を越えてもOK

という展開であった。
(ヘッダ写真はそれをやや得意げに語る連邦政府内務大臣デ・クレム氏)

文字通り「青天の霹靂」である
(現実は快晴の晴天が続くばかりで、渇水の折から、なんなら霹靂も文字通り降って来て欲しかったぐらいではあるが(^^;)

えー、そんな話が進んでたんだ?ニュースのヒヤリングで取りこぼしてたんだなあ?ぐらいの軽い自責的モードで聞いてたらそうではなかった。

国境沿いの関係市町から「聞いてねえってば」の声が上がる上がる。

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オランダのスラウス(Sluis)市は、実はブルージュ郊外と言っても良いぐらいの距離感にある。国境周辺では、ぎりぎりベルギー側にあるパン屋にオランダ側住民が来られなくなり、「このパン屋がダメだと20kmも離れたパン屋に行かないといけないんだ!ありえねえ!」と言ってた地元民に、パン屋が徒歩出前で国境まで来て注文品を手渡し、とかいうのが報道されてたりした。

オランダの方が、一般商店もレストランやカフェの再開も先を行っているので、いきなり「国境超えOK」となると、外食大好きベルギー人が大挙して来かねない。来るな、とは言わないが、受け入れ体制に準備期間ってのが必要でしょうよ?と、スラウス市長はこのやぶから棒通達に苦言を呈した。

それはベルギー国内でも同じこと。
スラウスと国境越しに接する北海沿いの保養地、クノッケ=ヘイスト(Knokke-Heist)市長も「聞いてねえ」を裏書きする。

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国境コントロールの人員は配置済みだし、いきなり今日の昼2時からOKです、って言われてもねえ…、と語る市長。

最前線というか現場は何も知らされていない、ということだけは平等であったわけだ。つまりベルギー政府の根回し欠如は、内政外交の分け隔てが無かった、ということだな。

2020/05/30(土)公表のデータ

感染が判明し入院している人の数: 890(前日比+29
のべ感染者数:58.186
新規感染者数:125
ICU収容患者数:173(前日比-14)
のべ退院者数:15.769(前日比+187)
のべ死亡者数: 9.453(+13が病院、+8がWZC(うち陽性確定は100%):計+23)

この、毎日のコロナ関連データを発表しているSciensanoであるが、

ここも昨夕あたりから不協和音が表に出て来てしまった(- -;

毎日引いている「公表データ」ネタ元の彼らの、フランス語圏向け会見担当者エマニュエル・アンドレ( Emmanuel André)氏が、

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(超ざっくりかいつまむと)「危機管理委員会の決定はずっと、保守的に過ぎるものだった」と言い出したんである。

このアンドレ氏と、毎日並んで数値発表の会見をしているオレたちのファン・フフト氏は

「我々はコンサバであったとは思わない。プラグマティック(現実的)であっただけだし、これからもそうだ」

と即座に反論している。

並んで毎日会見している人たちにして、この乖離があるんだなと(- -;。

本日の最初のトピックにも見えるが、ベルギー政府のやり口というのは、基本的に結構なコミュ障(なのでとても失礼)であるのだなあと、改めて思われる。

ここは唖然とするところでなく、むしろこういう話が出て来る程度に、パンデミック抑え込みが終息局面に入ったのかな、と捉えるべきだろうかな、とも思う。

うわー、何かでも、お馴染み臭がぷんぷんして来た。
政治への絶望を、再確認しないといけない日々が実は平和である、というのって、なかなかに救いがないと思うよ?



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