《オレたちのヒーロー》が首相に背を向ける？！
通常ニュース枠で報道がなかったのだが、ニュースサイトにガーンと上がってて
「何じゃこりゃ？」だったので記録しておく。備忘録なればこそである。
本日夕刻、ブリュッセルのUMCサンピエール病院（実は超近所）を、ソフィ・ウィルメス首相御一行さまが視察なすったんだと。
御一行到着の折に、スタッフは背を向けて出迎えた。
それはつまり「あんたらを歓迎してません」「つか、政府の現状への対応について抗議するのでこの態度なんですぜ」「あんたらは我々への順当なレスペクトがありません。従って我々もレスペクト出来ないんでそれをお示ししやす」という、静かなる示威行動であったワケだ。
- Les soignants de l'hôpital Saint Pierre tournent le dos à Sophie Wilmès, première ministre Belge, lors de sa visite non officielle du 16 mai 2020 #bruxelles #belgique #hopital #wilmes #COVID19 #nurse pic.twitter.com/MJubo1mGB9
— Marin Driguez (@Marindriguez) May 16, 2020
ところがまあ当然と言うべきか、ウィルメス首相ご自身はこの件につき、かすりもしねえツィートを上げてるわけなのよね(^^;
Bezoeken aan Deltaziekenhuis en UMC Sint-Pieter waren belangrijke momenten van ontmoeting en dialoog voor zowel het verplegend personeel als voor mij. Gezondheidssituatie, mentale belasting, waardering van het beroep, financiering van de gezondheidszorg -het is allemaal besproken pic.twitter.com/g8xyFE6ykN
— Sophie Wilmès (@Sophie_Wilmes) May 16, 2020
で、示威行動については、全く同じ動画を社会党系労働組合Acodも上げているので、つまり医療関係者全体の意志というよりは、特定の政治団体が主導したものと見るべきだ、というのが分かった。
偶然か、あるいは同時多発として企図されたのか、フランダースとワロンの社会党のそれぞれの党首が、「コロナ禍後の政治正常化について」というので何だかぶち上げたのが本日でもあったのだな。
ワロンでは第1党のPS、党首ポール・マニェッテ（Paul Magnette）と、フランダースでは伝統的左派ながら近年は緑の党（Groen）にも得票率で後塵を拝するほどの、深刻な長期的支持率低下に喘ぐSp.aとが、人心刷新を図って担ぎ出した若きイケメン党首コンネル・ルッソー（Conner Rousseau）。この2人ががっちり協力関係を全面に打ち出したイベント↓（もちろんオンラインメインの合法集会、のはず！）が、本日開催されていたようなんである。
労組Acodってのは、社会党系労組の前線活動部隊（ヤクザ用語で言うと鉄砲玉、というか(^^;）、今日の示威行動も陽動作戦なんじゃないのかなあ、としか思えない。
このポール・マニェッテ氏と、フランダース最大政党のN-VA党首バルト・デ・ウェーヴェル（Bart De Wever）の2人が政治的に宿命的に犬猿の仲なもんだから、コロナ禍対策で臨時政府が出来るまで、延々とお砂場で城を作っては壊し、で組閣が出来ねえじゃんよ！状態が続いて来てたんであった。
それでもN-VA側は、現行連邦大臣の主要ポストを（前政権からの地滑り的人事だったせいも相当あるとは言え）得られている一方、PSはワロン最大政党なのに、前政権で完全蚊帳の外であったのでその状況が続いてしまうことになっている。
ワロン側の、あらゆるルサンチマンを表出する全権委任を得ている（と自認している）とも言える。
で、本日の示威行動につながる、と。
そう読み解くと、このタイミングでのこのアピールは、しかしあんまり感心出来ないねえ、という気がどうしてもしてしまう。
むしろ社会党連合への（更なる？）反感（主にフランダース側の）が醸成されかねないのを、他人事ながら危惧しちゃうぜ。
ウィルメス首相
（所属政党MR：改革運動。リベラル系。欧州で言うリベラルは、日本のメディアが日本の野党とか、アメリカの民主党を説明する時に使っているのとは、根本的に違う方向性を持っている。すんげえねじれてて頭がクラクラするけど、整理しとかないと同じ用語を使って全然違う話をすることになるため、いつか余裕のある時に別稿で説明、するかも知れない(^^;）
…は、持ち上げられる系のリーダーでは全くない。良くも悪くも、指導力なんぞを期待してはいけない系のヒトだろうと思う。
が、この環境下で、別にやりたくて首相になってるワケでは全然ないのに、それにしては良くやってる方なんじゃないですかね？というスタンスで与して行くしかねえべな、と現実的に乗り切ろうスタンスで考えてたノンポリの人ら（私はここに入る）にとっては、
「労働者、という属性と不可分のゴリゴリの党派性」
を、何も今、見せつけてくれんでも良いんじゃないかしら？？
という、主に当惑が先立った一事となってしまった。
その意味で、この作戦は失敗だったと思うぞ。
2020/05/16（土）公表のデータ
感染が判明し入院している人の数： 1.750（前日比+65）
のべ感染者数：54.989
新規感染者数：345
ICU収容患者数：364（前日比-16）
のべ退院者数：14.460（前日比+159）
のべ死亡者数： 9.005（+25が病院、+23がWZC（うち陽性確定は73％）：計+47）
本日、ボルシア・ドルトムントとシャルケ04が無観客試合をやったという。
8万人入るスタジアムに、入場を許されたのはチームスタッフを含めて300人だけだったという。
そのうちメディアは94人！だって(^^;
ベルギーリーグが再開となったら、許されるメディアの人数はどれぐらいかな。
日本メディアに割いてくれるのかな(^^;;;;
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