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Melodie of Shadows歌詞制作秘話①ことの始まり

2023年12月26日、私は1つの歌詞を書き上げた。
実に10年ぶりの作詞だった。
しかも、自分以外の作曲者の書いたメロディに
自分以外のシンガーに向けて書いたのは生まれて初めてだ。

タイトル Melodie of Shadows
シンガー 大同りんこ
作曲 Yonny


この作品に関われたことを、心から誇りに思う。
深い感謝を込めて、歌詞制作の記録を残すこととする。
また、追ってMAHOの楽曲「HALATION」についても記録する予定である。

以下、正確に事実を記すつもりだが、
時に私の主観が色濃く反映されることが予想される。
あらかじめご了承の上、読み進めていただきたい。

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「アユさん、作詞ってできる??」

Yonny氏の突然の言葉から騒動は始まった。
2023年12月17日のこと。
Yonny(敬称略)のプロジェクトに作詞での参加の誘いを受けた。
のちにYonnySoundsというレーベルになるが、この時点ではまだその名称はない。
また、Yonnyはこの時知らなかったはずだが、私は以前、自分で歌う曲を作詞作曲していた。
ブランクは長いが、参加したいと伝えた。

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翌日、プロデュースするシンガーとして大同りんことMAHOの名前が挙がった。
実は私も、もし作詞をするなら考えたときに、まさにその2人に着目していた。
意見が一致して嬉しかったし、安心した。
まずはりんこの曲から、ということで話が進んだ。

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12月20日時点で、Yonnyが示した予定は以下の通りである。

①年末年始、ヨニー曲の構想を練る
②アユ作詞
③年始オケ作成
④アユ仮歌録音
⑤リンコに音源渡し、練習してもらう(1/14まで)
⑥1/22 リンコ本チャン録り

このスケジュールは非常に厳しいと感じた。
仮歌の期日が1月14日? 1ヶ月もないではないか。そんな短期間でできるのか?

不安を伝えると、Yonnyはリリースの期日が決まっているわけではないので、このスケジュール通りに進まなくても構わないと述べた。
また、彼にとってもコラボ方式での作曲は初めての取り組みであること、
どんなことができるかを、まずはこの3人で試していきたいとの考えを示した。
曲調や歌詞についても、話し合いながら進めることになった。

楽曲のテーマとして
「アニメのオープニングやエンディングで流れていそうな曲」
を掲げるとのこと。
どんな曲調が良いか、3人で意見を出し合う中で、
私は、
「パワフルな歌唱が映えるような、聴く人も力が湧いてくるような曲がいい」
りんこは、
「ミディアムテンポの歌い上げる楽曲が合っていると言われる」
と発言。
疾走感のあるパワフルな曲か、歌い上げるミディアムテンポの曲か。
どちらを想像しても魅力的だが、Yonnyは
「ミディアムだけど暗い感じでは無く、魂を感じる様な曲にしようかな」
と語っていた。この時すでにイメージが湧いていたのだろうか。

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そして12月24日。
その日は午後からYonnyと通話での打合せの予定だったが、
午前中にいきなりデモが届いた。
打ち合わせまでに、ラララで歌って送り返してほしいとのこと。
私は面食らった。

打合せ前なのに、早くも開始か?
しかも、作詞ではない作業ではないか!

だんだん分かってくるが、私は作詞のついでに、
デモへの声入れ、コーラス、仮歌も当たり前のように任されることになる。

この時の最初のデモの曲調は、明るいものだった。
急いで歌って送ると、返信はこうだった。

「早い!うまい!さすが!サンキュー!」

早いうまい?
チェーン店の牛丼か!?

あっけにとられていると、追加連絡。
「もう1パターン欲しい。サビメロを、こんなふうに変更して」
それにも急いで対応すると、
「サンキュー!」
軽い!
思い立ったら止まらない。
これがYonny方式なのだと理解した。

午後、打ち合わせという名の雑談の中で、
なぜ私がプロジェクトに誘われたかが明らかになった。

「レスポンスが早いから!臨機応変にできそうだし」

オーダーを処理して返す速度が早く、臨機応変に対応可能。
それが作り手にとっては助かるのだそうだ。
いい文章を書きそう、などといった理由ではなかったらしい。

その夜、全く別のデモ音源が届いた。
切なげなイントロから惹きつけられた。
これが「Melodie of Shadows」となる曲である。

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翌25日、決定したデモ音源をりんこに共有した。
(この時点で①年末年始、曲の構想を練る、が前倒しになっている!)
りんこはの反応は
「めーーーーーっちゃくっちゃかっこいい!!
血が逆流しました!!絶対歌いたいですこれ!!」
私はラララを入れただけなのだが、彼女の反応に胸が弾んだ。

次に、作詞のために、音源からイメージするワードを出し合った。
曲調から、ダークファンタジー系アニメーションのエンディングテーマを想定するとした。

イメージワード

・Yonny

生きる
切なさ
儚さ
強さ
大人っぽさ

・りんこ

吹きやまぬ風
砂埃
孤独
歩き続ける
傷だらけになっても構わない
私はあなたの盾になる

・アユ(今回初めて公開)



鼓動

抑圧
アウトロー

楽曲の醸し出す雰囲気とこれらのワードで、主人公のイメージが湧いた。
あとは、主人公の内面の方向を定める必要があった。
ざっくりと3種類に分けると、

①特定の誰かに向いている(恋愛要素)
②自分に向いている(意志や思想が強い)
③不特定多数の人々に向いている(ジャンヌ・ダルクやナウシカのような)

この選択によって、物語は全く変わる。
私は迷った末、Yonnyに、作曲者として楽曲のイメージに近いのはどれかと聞いてみた。

Yonnyの答えは②。
私も納得した。
強い意志を持つ、孤高の女主人公のイメージが確定した。

つづく 次回②裏テーマと言葉選び編

以下で楽曲を視聴できます。
YonnySounds YOUTUBE

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