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ビバ良くない!ただ物足りない! 2024.09.14 アルビレックス新潟 vs 湘南ベルマーレ マッチレビュー
開始時の立ち位置と嚙み合わせはこちら。
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■試合の振り返り
代表ウィーク明けの1試合目は新潟でキックオフ。湘南のスタメンは前節から大きく変更なし。出場停止から帰ってきたミンテが3バックの中央に入り、雄斗も右WBへ復帰。それ以外はいつもの顔ぶれで、ベンチには平岡が久しぶり名を連ねた。
新潟は代表帰りや負傷者の復帰でメンバー入れ替えあり。CBデンが代表帰りでベンチ、舞行龍ジェームズと特別指定選手の稲村がコンビを組む。左SBは橋本、右WGは太田、1トップに小野が入った。
ボールを保持する新潟と構える湘南の構図。ボールホルダーへガンガン積極的なプレスをかけるというよりは、パスコースを塞ぐことを優先する形で入る。
最序盤はお互いに様子見。準備してきた形と相手の入り方を確認する静かな立ち上がりな試合。
8分、ライン間に入った長倉が田中の背後で前を向く。抜け出した小野がパスを受けると、GK上福元と交錯。しかしその後もボールはゴール方向へ転がった。髙橋が懸命に掻き出すがラインを割ったと判定され、ゴールイン。新潟が先制する。
得点後も主導権は新潟。湘南はWBが最終ラインに吸収され、ボールの奪いどころを定められない状態が続く。
32分、新潟が追加点。ビルドアップからボールを前に進め、バイタルエリアでフリーになった長倉が橋本からのパスを受けてボックス内に侵入。シュートフェイントでミンテをかわすと、ゴール上側に蹴り込んだ。
前半終了も近くなったころ、コーナーキックのこぼれ球をボレーで打とうとした池田は右足がヒットせず。このプレーが原因かひざを痛めて負傷交代となり、急遽畑が投入される。右IHへ小野瀬が移動し、左WBに畑が入る。
2点を追いかける湘南はハーフタイムに選手交代。茨田に代えて平岡、ミンテに代えて大野。それぞれ同じポジションに入る。
やや前がかりになって新潟陣内へ入る時間が増えた湘南だが、ゴールを脅かすところまでは至らない。
逆に決定機を作るのは新潟。61分、63分とシュートチャンスを迎えるがゴールならず。
勝負を分ける次の一点を手にしたのは新潟。75分、谷口がボックス左角付近で受け、巧みに体を開いてコースを作りニアサイドを打ち抜いた。
失点直後の湘南。ルキアンのシュートがクロスバーに当たってゴールならず、跳ね返りを新潟DFがクリア。
そのコーナーキックの競り合いの中でルキアンが宮本に向かって足を振ったところ、VARのチェックでオンフィールドレビューを実施。主審は一発退場の判定としてルキアンはピッチの外へ。
10人で戦う湘南、後半アディショナルタイムに一矢報いる。畑が左サイド深くまでえぐって切り返し、右足で上げたクロスを頭で合わせたのは途中出場の阿部。自身J1リーグ50ゴール目で2点差とする。
そのままスコアは3-1で終了、試合結果以上に内容で大きな差を見せられた試合となってしまった。同時刻に行われていた柏vs磐田の残留争い直接対決は磐田が勝利したため、18位磐田・17位湘南・16位柏は勝ち点1差ずつで並ぶ結果に。ただし磐田と柏は台風による延期試合があるため、1試合消化が少ない点に注意が必要である。
■振り回されたアンカーと、考えられうる対策
試合内容は完敗で、いいところを探すのも難しいくらいだった(強いて言えば負傷から復帰した平岡のプレー、同じく復帰組の畑と阿部に数字がついたところか)。この記事ではすべて不出来だったわけではなく、新潟によって湘南が機能不全に陥ってしまっていた、という視点から振り返ってみたい。
新潟はボールを持ったら手始めに中盤の選手たちがポジションを移動。湘南IHの背後に選手を配置し、ボールの経由点を明確にしつつ湘南守備陣に対応を迫る。この時2トップとIHは前向きに新潟バックラインの選手たちを監視するため、移動してきた2選手はアンカーの田中、あるいは左右CBが担当となる。田中からすると周辺には気にすべきコースが複数あって狙いが絞り切れず、何度も片方に寄っては中央を空けピンチを招いてしまっていた。
左右のCBも同様で寄せきれないポジショニングであり、結果として空く新潟WGのケアのためにWBが下がらざるを得ない状況に。そのため後ろは5枚で守る形となってしまい、前からのプレスもままならなくなっていた。
後半に入ると3バックの中央に入った大野が前に飛び出して対応していたり、左右CBの二人も降りる小野や長倉を迎撃していたりなど、田中にかかる負荷を肩代わり。それでようやく流れを掴みかけたが、すでに2点のビハインドを背負っている状態。回答を出すのが遅すぎた…といったところだろうか。
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この試合ではどのような狙いを持って新潟に立ち向かおうとしていたのか、ピッチ上から読み取るのは難しかった。だが新潟の振る舞いに対応するとしたら、3種類くらいの方法しかなかったように思う。
①積極的なプレッシングからの同サイド圧縮、セカンドボール回収
新潟が人の間を使ってボールを通してくるのであれば、あらかじめ人を捕まえておくマンツーマンをベースにする戦い方。最近は見られなくなっていたが、相手に息をつく間を与えないほどの圧力をかけてプレーエリアを圧縮。苦し紛れに蹴らせたボールを回収を狙う。人選やシステムは継続しつつ、スタイルを変更する形。
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セカンドボール回収でバランスを崩した相手にカウンター。
②中央封鎖を優先してサイドは許容、クロスを跳ね返してカウンター
一つ目とは異なり、ボールへの積極的なプレスよりも中央へのパスコース封鎖を選択。IHは中盤に留まってSBを放置、最終的にはクロスさえも許したとしても中央を守り固める。ミドルサードで構えて待つスタイルは現在のそれと共通している。ただしそれであればGKは上福元よりもボムグン、CBも髙橋と淳之介よりも大岩や大野の方が適任と思われ、スタイルとシステムは継続としても人選に難がある。
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クロス対応に注力して隙が出来るまで耐え続ける。
③中盤の枚数を増やして役割を分担、配置を効率化
最後はおおよそピッチでは見られない(であろうと思う)ような変更。アンカー1枚に過負荷を与えられて機能不全に陥っているのであれば、そこの人数を増やして負荷を分散させ機能を取り戻すという策。マンツーマンで担当を明確にしてズレを作らせないことを目的に、人の配置バランスを整えた。人選とスタイルは継続しつつ、システムを変更する形。
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新潟が崩しの取っ掛かりとしていた中盤を塞ぐ。
語るだけの内容が乏しい試合だったため(もちろんそれだけ新潟の出来が素晴らしかったのもある)、今回はifの話を中心にまとめた。来週こそは、結果も内容も富んだ試合になることを願うばかりだ。
試合結果
J1リーグ第30節
アルビレックス新潟 3-1 湘南ベルマーレ
新潟:小野(8')、長倉(32')、谷口(75')
湘南:阿部(90'+3')
主審 上村 篤史
タイトル引用:原口沙輔/人マニア
月ノ美兎がカバーした原口沙輔の楽曲より引用。試合後の率直な感想そのままである。
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