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2024年10月18日 戸川純 umeda TRAD vol.3

続きです。

「赤い戦車」からの「無題」の流れもとても良かったです。「無題」は戸川純ユニットの「極東慰安唱歌」というアルバムに収録されていますが、「無題」のようなアンデス民謡(でも歌詞はモンゴルのことが歌われています)や校歌、沖縄民謡、そして童謡など、バラエティーに富むアルバムで、純ちゃんのボーカルの素晴らしさが堪能できるアルバムだと思うのです。なんというか、純ちゃんがのびのびしているというか。ライブ帰りの阪急電車の中でクールダウン的に「極東慰安唱歌 」を聴いていました(アルバムが終わる頃にちょうど自宅最寄の駅に着いたのでした)。

そして「蛹化の女」。「蛹化の女」は上海のライブで最後のところが声が出せなくなって歌えなくて、その時に上海のお客さまが大合唱してくれて、謝謝って思ってると純ちゃんが話されていて。そんな話の後、純ちゃんが歌い出した時、ヤマジさんがほっとして微笑まれているように見えました。「蛹化の女」圧巻でした。純ちゃんの「樹液すする、私は虫の女」という著作を私は持っていますが、その中で「蛹化の女」について

深い想いと、目もくらむような永い時間。そして静寂。
この三つだけしかなかったら、蛹になっちゃう、という曲。
死ではない(死も一つの事件だから)。
絶望の森で、死に酷似しつつ、なお生きている蛹になって、
人間でいた時よりかずっと楽になった人のこと。

と。

その記述を思い出しながら聴いていました。

ここからは怒涛の時間、お客さまはみんなまた立ち上がって「母子受精」、「バーバラセクサロイド」から、「この曲がバズって、代表曲ではないんだけど、それをきっかけに他の曲も聴いてくれて、あなたの世界は深い、とか、海外の人からファンレターをもらうようになって。バズって良かったなーって思います」という言葉からの「好き好き大好き」!  私は「愛してるって言わなきゃ殺す!」と、拳を振り上げつつ、病み上がりですが、近年稀になく大きな声を出しました・・・。

そして「Men’s 受難」へ。好きな人への重すぎる愛をめちゃくちゃポップな曲調で可愛らしく歌われる大好きな曲。だけどきっとカラオケで歌ったりするとびっくりされる曲(そもそもカラオケには私はほとんど行きませんけれど、ごくたまに一人で行く、もしくは私と同様に音楽ヲタである弟と年に1回ぐらいとか・・・)。でもそんなことは関係がありません。この純ちゃんの美しさを見ていただきたいです・・・

そしてこのあと純ちゃんがヤマジさんに何か言っていて、ヤマジさんが純ちゃんのところに行ったら「次の曲で本編最後だよね?」と確認していて(笑)。頷くヤマジさん。「本編最後ってね、白々しいよねー」的なことを純ちゃんが言いつつ。そして最後は「レーダーマン」かな?と思っていたら、御堂筋線の接近メロディが聞こえて「電車でGO!」! お客さまから大歓声。最高潮に盛り上がりました。

ここで本編が終了し、ヤプーズの皆さんと純ちゃんは一度はけましたが、会場からはすぐにアンコールを求める声援があがり、山口さん、メリィさん、ヤマジさんの3人がまず出てこられて、ここからの演奏がもう、怒涛で、テクノからのごりごりのロックという感じで、会場の皆さんがヤマジさんに持って行かれていました。私の後ろでみられていたお客さまは「ヤマジ先生、マジやばい・・・」と思わず声を出していらっしゃいました。怒涛の、ロックでクールな演奏が続いたあと、中原さんと矢壁さんも登場され、演奏に参加。そして純ちゃんがしっかり歩いて登場。「パン虫」、こと「パンク蛹化の女」へと傾れ込んだのでした。永遠に続いてほしい時間でした・・・。「パン虫」の純ちゃん、本当にかっこいいのです。荒ぶるギター、何もかもがパーフェクトでした。

最後に、純ちゃんは「日本のお客さんはシャイだし、それはわかっているけど、大阪のお客さんは途中から立ってくださって、ありがとうございました。これからも年に一回は必ず大阪でライブをしたいと思います。『さようなら』って、あんまり使わないし、中国の人もそれがわかっていて、中国でも『またね』って。でもTRADでは私たちはラストのライブ。みんなには『またね』、そしてTRADには『さようなら』。最後まで聴いていってくださってありがとうございました!」と言って、ヤマジさんの肩にちょこんと手を乗せてステージから去って行かれました。最後、振り返って、みんなに手を振ってくれた純ちゃんの姿がとても可愛らしかったです。

私にとっては「じゅんちゃーん!」と叫んだら、ちょうど叫んだのが私だけで、純ちゃんに「ありがとうー」と明らかに私に言ってもらえたこと、そして実は私のすぐそばの方が手作りの応援うちわを持っていて、私がその人と一緒にライブに来たと純ちゃんは思ったみたいで「あの人たちもありがとうー」って私とその人を明らかに見ながら手を振ってくれたこと(なんだかごめんなさい)、などなど、本当にご褒美をもらってしまったかのようなライブでした。

ということで、長くなリましたが、最高のライブでした。心の底から思います。生きていて良かったです。そして戸川純さん、中原さん、メリィさん、山口さん、矢壁さん、そしてヤマジさん、ありがとうございました。

ヤプーズは最高で最強です!

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