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ぶぶ漬け構文。

昨日、X(旧Twitter)で京都市内を走るLUUPについての下記の投稿がありました。

「ぶぶ漬け構文」だなーと、関西の人間、京都をよく知っている人にはすぐにこの京都弁で言われている言葉の本当の意味がにわかってしまうのです。京都に四捨五入したら20年・・・住んでいた私もわかってしまうわけです。

まずはご存じの方も多いと思いますが、有名な「ぶぶ漬け伝説」?のお話を。

ぶぶ漬けとは、京都ではお茶漬けのことを指します。ごはんに熱いお茶やおだしをかけて、お漬物などと一緒に食べるのが定番です。なお、ぶぶ漬けの「ぶぶ」とは、京都弁でお湯やお茶など温かい飲み物のことで、熱い飲み物にふうふうと息を吹きかけて冷ますことから、お湯を「おぶ」や「ぶ」と呼ぶようになりました。それが由来となって、熱い汁をかけるお茶漬けがぶぶ漬けと呼ばれるようになったそうです。

そして、訪問した京都のお家で「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言われたら、「そろそろ帰ってください」という意味であるという、物事をオブラートに包んで伝える京都気質を表すエピソードとして知られています(でも実際には、そういうやり取りをする人はほとんどはいないと思いますが、京都人には相手に失礼にならないように直接的な言い回しを避けて、逆説的表現を好む傾向があると言われています)。

つまり、LUUPについて「えらい便利な乗り物ひろめはりましたなあ」というコメントは、

「あのえらいじゃまくさい乗り物つくらはったん、あんたかいな?あの乗りもん、ほんまにあぶないし、迷惑やわ〜」

という、逆説的な意味となります。

たまたま先週末に私は京都に行ったのですが、本当にまちなかをたくさんLUUPが走っていました。運転免許も必要ないそうですし、ヘルメットの着用義務もないということですが、御池などの大きな通りの車道を結構なスピードで通っていたりするのを見て「ちょっと危ないかも・・・」と思ったところでした。

細い路地がたくさんある京都の中心部ですが、もし歩いているときに急にLUUPが現れて歩行者と出会い頭にスピードが出た状態でぶつかるようなことがあったら危ないなーとは思います。なので利用する方には交通ルールを遵守して、安全に運転してほしいなと思います。

ちなみに私が実際に遭遇した「ぶぶ漬け構文」風景は、京都市内のカウンターのある和食のお店に行った時に、なかなか強いかほりの香水をかほらせているお客様の女性がいらして、その人にお店の女将さんのようなかたが

「お客さん、ええにおいしはりますね。どこの香水、つかったはりますのん?」

とおっしゃられた風景どす…。

意味は

「食べもん食べるお店に、そないにきつい香水、つけてくるん、やめはったらええのに。料理はかおりも楽しむもんどす。えらい常識のないお人やわ」

です。

そのほか、

「よろしいなあ〜」

と、京都の人に言われたとします。「よろしい」という表現を単純に「良い」ととらえるのは危険かもしれません。京ことばにおける「よろしい」には、「どうでもよろしい」という意味も含まれていたりするからです。「よろしいなあ〜」と京都人に言われた場合は、実は「どうでもいい」と思われているかもしれません・・・・。どうでもいい話だと思って、相槌を打っていたりするわけです・・・

結構怖い、いえ、奥が深いのです・・・。

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