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中国ネット民向けの新型コロナウイルス情報が充実しすぎなので紹介します
先日は世界で最もアクセスされているジョンズ・ホプキンス大学が作った新型コロナウイルスの感染マップについて紹介しました。
新型コロナウイルスの感染が世界中に広がるようになってから、中国のメディアもこのデータとMapを使うようになりました。
しかし中国のも負けてないです。中国のありとあらゆる情報アプリは1月末から国内と世界中の感染情報を提供し始めてます。
情報源もジョンズ・ホプキンス大学と同じく各国のCDCやオフィシャル発表のものを使っていてデータに不整合は無い。そして僕の感覚では断然使いやすい。
今日は感染情報を提供するいくつかの中国アプリを紹介します。それぞれ全部を細かく紹介しきれないので、もし気になるものがあったらアプリをインストールして見てみてください。
個人的には日本の感染情報サイトよりもずっと見やすく、充実してると思います。
■アリペイ
アリババのペイメント用アプリ。今やペイメント機能だけではなく、ありとあらゆる機能が入ったスーパーアプリに変化しました。
アリペイはトップ画面の下に感染者数データを表示してます。クリックすれば新型コロナウイルスに関する特集コーナーに入れます。
世界の感染マップや中国の感染マップを表示したり、指で拡大したり、感染防止用品の販売リンクもあります。
■百度地図
ロケーション情報で所在地と中国全土の感染情報を表示します。もともとがマップアプリなので、他のアプリと比べて位置情報を組み合わせて表示するところに優位性があります。
↑例えばこちら。オフィシャル情報に基づき感染者が確認された場所をウイルスマップで表示。
アクセスすれば具体的な情報やその近くのスーパーやデパートなど人が集まりやすいところを表示。また地図上のどこが混雑しているかがリアルタイムでわかる機能もあるので、人混みを避けることに大貢献しています。
■知乎
中国のニュースピックス的な存在の情報サービス。感染当初からの新型コロナウイルスにまつわるレベルの高い質問と回答のやりとりが、ネット民の知識とリテラシーを高めました。
トップ画面に新型コロナウイルスに関する特集コーナーの入り口が設置され、感染症に関する関心度の高い質問と回答も同じ画面に表示されます。
もちろんリアルタイムの中国感染マップと世界感染マップも。他にも感染関係の医療情報へのリンクや支援を要請するためのリンクなども準備されています。
■墨迹
これは僕がいつも使ってる天気予報アプリですが、まさかのここにも感染症情報がきっちりあります。
一番トップに、感染症に関する情報や感染マップへのアクセスボタンがあります。
かなりシンプルなスタイルで最低限の情報を確認できます。
■丁香园
有名な医療系アプリの「丁香园」はけっこう早い段階で新型コロナウイルスの感染に関する情報発信を開始しました。医師がたくさん集まる掲示板も運営してますので、情報への信頼感が高いそうです。
↑すでに35億以上のアクセスがあります。アプリ以外では微信の小程序(アプリ内ミニプログラム)やURLからのアクセスもできます。
デマ情報を一刀両断する発信もたくさん出していて話題になりました。Twitterでもこれの日本語訳が拡散されてたりしましたね。
■抖音
中国版のtiktok「抖音」も感染マップがあります。とても若いユーザーが集まってるので、普段ニュースアプリなど開かないユーザーへ情報を届けることにとても効果的だったと思います。
海外に関してはマップではなく、データのみとなります。
これ以外にも、TikTokのコンテンツ上でたくさんのメディアや個人が新型コロナウイルスの脅威や外出の自粛要請、医療関係者の奮闘などを発信しました。新型コロナウイルスとの闘いでショート動画の価値を再認識しました。
■ニュースアプリ
中国で最も使われる4つのニュースアプリでももちろん充実しています。左から「头条(ByteDance)」「百度」「UC(アリババ系)」「テンセント」
中でも头条が一番見やすいと思ってます。例えば日本の感染者を確認する際にも日本の都道府県別のMAPまで見れる、中国以外の国であろうと重要発表や事件がタイムラインで表示され、膨大なニュースの中から最適なニュースも表示されます。
最近は感染した世界中の有名人一覧まで用意されています。(これ必要!?)
■WeiboとWeChat
中国で最も多くの人が使うアプリはWeiboとWechatです。これらのアプリの他のアプリと比べ、目立つところに感染情報特集の入り口を設けませんでした。サービスの特質にも影響されていると思います。
どちらも情報提供者やオフィシャルアカウントをフォローすれば情報が自然とタイムラインに現れます。また、新型コロナウイルス関連情報を無料購読する場合、情報が更新されるたびにチャット画面にプッシュされてとても便利です。
↑Weiboのオフィシャル情報「新浪ニュース」の感染マップ。
Weiboの場合、購読しなくても強制的に最近のデマ情報まとめみたいなメッセージがDMできます。情報が溢れるとどうしてもフィルターしきれないので、とても重宝しています。
また、WeChatの場合は、フォローしなくても小程序(ミニプログラム)などで上記で紹介してきたような各サービスへのアクセスが簡単にできるところが強みです。
なんとミニプログラミを選ぶところまでもが効率化されていて、気になる画面を常にアクセスできるように表示する機能も活用できます。
↑「丁香园」の感染マップを常にトップにする場合、右側の丸いアイコンをクリックですぐに飛べます。アプリ内で他サービスの感染MAPが見れる。
今日はこのくらいにします。他にも専門的なデータを得るためのサービスが沢山あり紹介しきれません。
中国は緊急事態に対しての皆の団結がすごく、このようにありとあらゆるサービスで感染の情報が目に入るようになり、コロナへの国民のリテラシーがとても高まりました。
日本人の感覚からは批判もあるでしょう、確かに人権や監視への問題はあります。でも感染者の行動ルートがわからなければ防ぎようがないかと。
日本の対応は中国ではかなり甘いと思われています。日本の友達たちとの連絡やTwitterやニュースサイト経由の情報しかわかりませんが、今の状態で本当に感染拡大を止められるのかとても疑問です。中国の取り組みで参考にできることはたくさんあると思います。
(参考資料)